ジュニパーは高木の針葉樹で、松に似た香りがします。秋に実をつけますが、その青い実の部分を乾燥させたものがジュニパーベリーといいます。 肉料理の臭いを消すスパイスとして、またジンの香り付けに使われています。
今回の記事では、
- ハーブとしてのジュニパーの効果や副作用を知りたい
- ジュニパーの美味しい摂り方を知りたい
- 効果のエビデンスや実例などを知りたい
これらについて、まとめています。
また、ジュニパーについて、他の人が持った疑問や回答なども解説しているので、是非読んでみてください。
なお、ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、下記のサイトも、是非参照してみて下さい。
ジュニパーのハーブティーは、引きしまった風味の中にほのかな甘さが漂い、すっきりとした後味が特徴です。ぜひ一度お試しください。
ジュニパーの基本情報
名称 | ジュニパー |
英名 | Juniper |
学名 | Juniperus communis |
和名 | 西洋杜松(セイヨウネズ) |
分類 | ヒノキ科ビャクシン属 |
原産地 | ギリシャ |
主要成分 (100g当たり) | 炭水化物0.2g、脂肪0.1g、タンパク質0.2g、ナトリウム1.4mg |
使用部位 | 果実 |
代表的効能 | 利尿効果 胃腸の調子を整える効果 美白効果 |
利用法 | ジュニパーティー パウンドケーキ |
フランスの病院では、長い間、ジュニパーの小枝をたいて病棟の空気を浄化していました。
ジュニパーには疲労した精神をリフレッシュさせる力があり、旧約聖書では預言者エリヤが疲れ切ってジュニパー樹のもとで眠ったことが記されています。
ジュニパーの果実は、肉料理の臭み消しのスパイスや、リキュールのジンの香りづけとしても使われています。
殺菌作用のあるジュニパーの精油はアロマテラピーに用いられています。
ジュニパーの効果・効能を解説
ここでは、ジュニパーの代表的な効果について説明していきます。
ジュニパーの効果・効能としては、①利尿効果、②胃腸の調子を整える効果、③美白効果、などが挙げられます。以下、順に解説していきます。
効果①:利尿効果
ジュニパーは、利尿作用をもっています。
また、尿をよく出るようにすることで、糖尿病をふくむ腎臓疾患にも有効とされています。加えて、ジュニパーは、体の余分な水分や体内の毒素を排出する効果もあります。膀胱炎、腎臓結石に効果を発揮します。
効果②:胃腸の調子を整える効果
ジュニパーは、胃腸の調子を整えたり、腹痛にも効きます。
特にアルコール飲料を飲み過ぎたり、こってりとした食物を摂り過ぎたりした時に生じる毒性物質を排出する効果があります。また、食欲を増進させる効果もあります。
効果③:美白効果
ジュニパーに含まれるタンニンには、毛穴を引き締める効果や皮膚を保護する効果、美白効果があるとされます。
このことから、ジュニパーはにきびのケアに効くほか、脂っぽい頭皮を改善するなど美容への効果があると考えられます。
その他の効果・作用
ジュニパーに含まれる抗うつ成分は、疲労した精神をリフレッシュさせ、神経症状を落ち着かせてリラックスさせる効果があるとされています。
ジュニパーの注意事項や副作用など
腎臓の弱い人には負担がかかりすぎるともいわれており注意が必要です。
また、ジュニパーには子宮を刺激する作用があることから、妊娠中・授乳中の人は使用を避けるべきです。
さらに、月経が重く出血が多い時なども、ジュニパーの使用は避けた方がよいです。
ジュニパーの使い方
ジュニパーは、自宅で手軽に摂取できます。ここでは簡単にできるジュニパーティーの淹れ方や、パウンドケーキーの作り方について紹介します。
ジュニパーティーとして飲む
ジュニパーはハーブティーとして使用されることも多くあります。ジンの様な華やかな香りを楽しむことができますし、様々な薬効も期待できます。
なお、通常のハーブティーは茶葉をそのままお湯で蒸らして作りますが、ジュニパーの場合は実をつぶす工程が入ります。
パウンドケーキにして食べる
砂糖を使わないパウンドケーキはいかがでしょうか?ドライフルーツとフレッシュフルーツ、オレンジリキュールだけの甘さだけで作ってみました。これにジュニパーベリーを混ぜるとジュニパーの独特の風味が付きますので、おすすめです。
ジュニパーのよくある質問
ジュニパーには甘酸っぱさはほぼありません。 味のクセが強いので、それ自体で食べるということはほとんどなく、食材の風味付けとして登場します。
ジュニパーは、針葉樹ならではのすっきりとしたウッドの中に、スパイシーさやほのかな甘さを感じさせる香りです。 ジンの香り付けとしても使われているため、大人の雰囲気漂う落ち着いたイメージを持っている方も多いことでしょう。
ジュニパーベリーは、一見ブルーベリーのように見えますが、実は針葉樹セイヨウネズの果実です。ブルーベリーとは違った風味で、ジュニパーベリーには甘酸っぱさはありません。
まとめと研究情報
今回はジュニパーについて解説しました。
ジュニパーは、利尿効果、胃腸の調子を整える効果、美白効果など、たくさんの効能のあるハーブです。
この記事では、自宅でも簡単にできるジュニパーティーの淹れ方や、パウンドケーキの作り方についても紹介しました。
興味のある方はぜひ記事を参考にしてみてください。
おさらい
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
アントリシンとヤテインを含むジュニパーベリー抽出物は、プロテアソーム活性化によりヒト表皮角化細胞へのリポフスチン蓄積を抑制し、明るさを高め、ヒトの皮膚のシミを減らします
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37317028/
この研究では、ジュニパーベリー抽出物(JBE)がアントリシンとヤテインを含み、プロテアソーム活性を高め、肌の輝度増加と斑点減少を実証しました。1%JBEを4週間顔に塗布して観察した結果、内部反射光増加と黄色度減少することが分かりました。JBEは自然派美容成分として、明るくシミの少ない肌づくりに適していることが証明されています。
ラットにおけるアゾキシメタン誘発結腸発がんに対するジュニパーベリーオイル(Juniperus communis L.)の化学予防効果
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31617778/
この研究では、アゾキシメタン(AOM)で誘発されたラットの結腸癌におけるジュニパーベリーオイル(JBオイル)の化学予防効果を検証しました。AOMおよびJBオイルの投与グループを比較し、JBオイルが腺腫と腺癌の形成を減少させることが示されています。免疫組織学的には、COX-2、CEA、Ki-67の発現が減少し、カスパーゼ-3の発現が増加、またJBオイルは抗酸化防御システムを改善し、脂質過酸化を抑制することも分かっています。JBオイルは化学予防食として作用し、大腸腫瘍形成を有意に減少させることが示唆される結果となっています。
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