ジンジャーは、紀元前の中国、エジプト、ローマで利用されていたり、イスラーム教の経典「コーラン」に記載があることなどから、古くから世界中で使われているハーブだということが分かります。日本では一般的に生姜として知られており、3世紀ごろから香辛料や薬用として使われてきました。
今回の記事では、
- ハーブとしてのジンジャーの効果や副作用を知りたい
- ジンジャーの美味しい摂り方を知りたい
- 効果のエビデンスや実例などを知りたい
これらについて、まとめています。
また、ジンジャーについて、他の人が持った疑問や回答なども解説しているので、是非読んでみてください。
なお、ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、下記のサイトも、是非参照してみて下さい。
西欧では、ジンジャーをパンやケーキ、プディングなどに利用します。また、クリスマスシーズンに作られる「ジンジャーブレッドマン」は中世以来の歴史をもつジンジャー風味のビスケットです。さらに、ジンジャーエール、ジンジャービール、ジンジャーワインなどの飲みものも有名です。ぜひ一度お試しください。
ジンジャーの基本情報
名称 | ジンジャー |
英名 | Common ginger |
学名 | Zingiber officinale |
和名 | 生姜 |
分類 | ショウガ科ショウガ属 |
原産地 | インド |
主要成分 (100g当たり) | カリウム270mg、ナトリウム6mg、マグネシウム27mg、カルシウム12mg、ビタミンC 2mg、鉄0.5mg、ビタミンB6 0.1mg |
使用部位 | 根茎 |
代表的効能 | 冷え性を改善する効果 殺菌効果 吐き気を抑える効果 |
利用法 | ジンジャーエール ジンジャージャム |
原産地のひとつであるインドでは紀元前300~500年前から保存食や医薬品として使われていました。インドの古い医学書には、その薬効により「ジンジャーは神からの治療の贈り物である」と記されています。
14~17世紀頃にイギリスでペストが流行した際、市民の3分の1が亡くなったにも関わらずジンジャーをたくさん食べていた人は亡くならなかったという事実を知った当時の国王は、ロンドンの市長にジンジャーの入ったパン「ジンジャーブレッド」をつくるように命じました。これがきっかけで、イギリスをはじめとする欧米ではジンジャーブレッドが日常的に食べられるようになったといわれています。
日本では、昔からジンジャーを刺身や寿司、豚肉などとあわせて食べてきました。ジンジャーに殺菌効果があることを経験として知っていたからと考えられています。
ジンジャーの効果・効能を解説
ここでは、ジンジャーの代表的な効果について説明していきます。
ジンジャーの効果・効能としては、①冷え性を改善する効果、②殺菌効果、③吐き気を抑える効果、などが挙げられます。以下、順に解説していきます。
効果①:冷え性を改善する効果
ジンジャーに含まれる香り成分ガラノラクトン、辛み成分ジンゲロールは、冷えなどで細くなった血管を拡張させる働きがあります。その結果、血液の流れが良くなり、血行不良による冷え性や肩こりなども改善できます。
効果②:殺菌効果
ジンジャーに含まれるジンゲロン・ショウガオールという成分には、殺菌効果があることが明らかになっています。
食中毒の予防のみならず、風邪や気管支炎、肺炎などの原因である細菌類や水虫などの菌、回虫などの寄生虫も駆逐するといわれています。
効果③:吐き気を抑える効果
ジンジャーに含まれるジンキベレンという成分には、二日酔いやつわり、胃の不調による吐き気を抑える効果があります。
その他の効果・作用
ジンジャーは、関節痛やリウマチに効果があったという研究結果が出ています。
また、ジンジャーには、悪玉コレステロールが増えすぎたり、善玉コレステロールが少なくなりすぎることを予防・改善する効果もあります。
ジンジャーの注意事項や副作用など
ジンジャーは胃腸に刺激を与えるので、過剰摂取すると腹痛や下痢を起こしてしまう可能性があります。胃腸が弱く腹痛や下痢が起きやすい人、体調不良のときは、慎重に摂取するようにしてください。
ジンジャーの使い方
ジンジャーは、自宅で手軽に摂取できます。ここでは簡単にできるジンジャーエールの作り方や、ジンジャージャムの作り方について紹介します。
ジンジャーエールとして飲む
ピリッと辛い爽やかなジンジャーエールを自宅でも簡単に作ることができます。炭酸水で割る以外にも、牛乳と割ったりヨーグルトにかけても美味しいです。甘い方が好きだという方はグラニュー糖を増やしてみてください。
ジンジャージャムとして食べる
紅茶やミルクティー、チャイ、ホットミルクにジンジャージャムをスプーン一杯いれると、体がぽかぽかになります。また、飲み物に入れるだけではなく、料理にも使えます。ブリの照り焼きに入れたり、鶏肉をつけ込んでお醤油とみりんと合せて焼くのもおすすめです。
ジンジャーのよくある質問
一般的にジンジャーと言えば生姜のことを指します。なのでこの二つは同じものです。
ただし、園芸の世界では、ジンジャーリリーのことをジンジャーと言うことがあります。ジンジャーリリー(和名 ハナシュクシャ)は、ショウガ科ヘディキウム属の植物で、生姜とは別のもので、食用にはなりません。
ジンジャーは食べ過ぎはよくないですが、適度な量を摂取することにより、 高めの血圧やコレステロール値を下げ、胃腸の働きもよくしてくれます。
ジンジャーは効能が高い食べ物であるだけに、体への刺激は強くなります。 過剰なジンジャーの摂取は健康に害を与えます。 分量としては、1日5〜10グラムが適量で、スライスなら6枚、すりおろしたものなら小さじ1杯程度が適量となります。
まとめと研究情報
今回はジンジャーについて解説しました。
ジンジャーは、冷え性を改善する効果、殺菌効果、吐き気を抑える効果など、たくさんの効能のあるハーブです。
この記事では、自宅でも簡単にできるジンジャーエールの作り方や、ジンジャージャムの作り方についても紹介しました。
興味のある方はぜひ記事を参考にしてみてください。
おさらい
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
ショウガ(ショウガ)の血管保護作用とその根底にある分子メカニズム
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33592084/
ショウガの研究では、酸化ストレス緩和、炎症抑制、血管細胞制御、脂質改善などが示されました。豊富な化学成分を含み、血管系に良い影響を及ぼす可能性があることが実証され、高血圧や血管疾患の治療に有望であることが示唆されています。
炎症性疾患に対するショウガの効果
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36364048/
この研究では、ショウガは抗酸化と抗炎症作用を持ち、潰瘍性大腸炎や関節リウマチなどの炎症性疾患の症状緩和に有望であることが示されています。6-ショアゴール、ジンゲロン、8-ショアゴールなどの化合物は関節炎などの疾患の軽減に効果を示したため、ショウガは乾癬にも良く、癌治療や化学療法の副作用軽減にも利用可能であることが示唆されています。
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