ワイルドストロベリーは、バラ科オランダイチゴ属の多年草で、ヨーロッパを原産とするハーブです。春から初夏にかけて白い花を咲かせ、秋になると小さな赤い実をつけます。
英名の「wild(野生の)+ strawberry(いちご)」という名前の通り、ワイルドストロベリーは野イチゴの一種です。学名のFragariaはラテン語「fraga(野いちご)」が語源とされ、ワイルドストロベリーの香りに由来する「fragre(香る)」から派生しています。
今回の記事では、
- ワイルドストロベリーの効果を知りたい
- ハーブとしてワイルドストロベリーを摂取する際の注意点は?
- ワイルドストロベリーのおすすめの摂取方法を知りたい
など、ワイルドストロベリーについての基本情報からお楽しみまでをわかりやすく解説しています。
また、ワイルドストロベリーのハーブティーの淹れ方や、おすすめの果実の使い方などの美味しい情報も紹介してますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を参考にしてみてください。
ワイルドストロベリーの基本情報
名称 | ワイルドストロベリー |
英名 | Wild strawberry |
学名 | Fragaria vesca |
和名 | エゾヘビイチゴ(蝦夷蛇苺) |
分類 | バラ科オランダイチゴ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
成分 | ビタミンC、ペクチン、フラボノイド、タンニン、サリチル酸、クエン酸、ミネラル、精油 など |
使用部位 | 葉、根、果実 |
代表的な作用 | 抗酸化作用、整腸作用、抗炎症作用、健胃作用、収れん作用、利尿作用 など |
禁忌、注意事項 |
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利用法 | ハーブティー、料理の材料、スキンケア など |
ワイルドストロベリーは、16世紀ごろからヨーロッパで栽培され始めました。北半球の温帯に自生し、日本では北海道に帰化して野生種として自生しています。
和名は「エゾヘビイチゴ(蝦夷蛇苺)」ですが、実際の生物学上の分類ではキジムシロ属のヘビイチゴとは異なります。このワイルドストロベリーは、オランダイチゴ属に分類される植物です。
ワイルドストロベリーの摂取方法は幅広く、葉はハーブティーに、果実はフレッシュのまま食べたり、ジャムや果実酒などの加工品としても楽しまれています。
ワイルドストロベリーの効果・効能・作用を解説
ワイルドストロベリーには、抗酸化作用、整腸作用、抗炎症作用など、たくさんの心身に良い効能があります。
- 抗酸化作用
- 整腸作用
- 抗炎症作用
ここではワイルドストロベリーの代表的な効能について説明します。
効果①:抗酸化作用
はじめに紹介する効能は抗酸化作用です。
ワイルドストロベリーにはビタミンCが豊富に含まれ、活性酸素を抑える効果があります。老化の原因とされる活性酸素を抑えることでアンチエイジングのほか、生活習慣病の予防にもつながります。
もう一つ紹介したい嬉しい効能は、抗酸化作用による美肌効果です。肌の老化の原因とされる皮膚のヒアルロン酸やコラーゲンの酸化を抑制することで、肌の保湿を高めてハリのある弾力性をひきだしてくれます。
効果②:整腸作用
次に紹介する作用は整腸作用です。
成分として含まれるペクチンには、腸内環境を整える働きがあります。ペクチンは水溶性食物繊維のため、便秘のときには排便を促し、お腹が緩いときには腸壁を守って下痢の症状を抑えてくれます。
効果③:抗炎症作用
さいごに紹介する作用は抗炎症作用です。
成分として含まれるフラボノイドには身体の炎症を緩和する働きがあります。腫れや痛みの症状に効果的に働きかけるため、リウマチや関節炎、神経痛などの改善に効果的です。
その他の効果・作用
ワイルドストロベリーには、代表的な3つの効果以外にもたくさんの効能や作用があります。ほかには、健胃作用、収れん作用、利尿作用などの効果も期待できます。
ワイルドストロベリーの副作用や注意事項、禁忌など
イチゴにアレルギーのある方は摂取を控えましょう。また、成分上胃腸への刺激が強めなため過剰に摂取することは避けましょう。
ワイルドストロベリーの葉は、萎れる過程で毒を生じます。そのため、フレッシュの葉からハーブティーを作る際は、しっかりと乾燥させてから使いましょう。
ワイルドストロベリーのハーブとしての使い方
ワイルドストロベリーは、葉・果実ともに効能のたくさんあるハーブです。葉の部位はハーブティーとして、果実の部位はフルーツとして利用すれば、手軽に美味しく成分を摂取できます。
1 ハーブティー
ワイルドストロベリーのハーブティーは、草木の香る番茶のような味わいです。
【ワイルドストロベリー ハーブティーの淹れ方】
沸騰したお湯(カップ一杯分)に、ワイルドストロベリーの茶葉(大さじ一杯分)を入れて、お好みの濃さにより3~5分ほど蒸らしてからいただきます。
シングルでも飲みやすいハーブティーですが、ブレンドしても美味しくいただけます。たとえば、身体の痛みや発熱の症状のあるときには、抗炎症作用・消炎作用のあるメドウスイートとのブレンドがおすすめです。
メドウスイートについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。>>メドウスイートの効果と副作用は?効能やアスピリンとの関係性も解説!
2 フルーツとして
ワイルドストロベリーの果実には、ビタミンや栄養素が豊富に含まれています。一般的に市販されているイチゴよりも、さっぱりとした甘酸っぱさと豊かな香りが特徴です。
果実はフレッシュのままいただいたり、お菓子の材料として、それからジャムや果実酒などにも加工できます。ワイルドストロベリーは、効能を美味しく摂取できるバリエーションが豊富なため、ぜひお好みの方法でお試しださいね。
ワイルドストロベリーのよくある質問
ワイルドストロベリーの葉は萎れる過程で毒を生じます。そのため、フレッシュの葉からハーブティーを作る際には、しっかりと乾燥させてから使うようにしましょう。
ワイルドストロベリーは、一般的に市販されているイチゴと比較して甘酸っぱさが強く、香り豊かなフルーティーな味わいです。
ワイルドストロベリーは耐暑・耐寒性に強いため、日当たりの良い環境であれば栽培できます。ただ、気温の高い夏には半日陰を作るなどの配慮が必要です。
まとめと研究情報
今回はワイルドストロベリーについて解説しました。
ワイルドストロベリーには抗酸化作用、整腸作用、抗炎症作用など、身体によい多くの効能があることがわかりました。そして、ご自宅で簡単にできるハーブティーの作り方や、果実の美味しい摂取方法についても紹介しました。
ワイルドストロベリーについて興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
おさらい
【効果】
- 抗酸化作用
- 整腸作用
- 抗炎症作用
【注意点・副作用・禁忌】
- いちごにアレルギーのある方は摂取を避けましょう。
- 胃腸への刺激があるため、過剰摂取は控えましょう。
- 葉は萎れる過程で毒を生じるため、しっかりと乾燥させてから使用しましょう。
【おすすめの摂取方法】
- ハーブティー
- フルーツとして
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
炎症、プロテアソームおよびオートファジー調節によるフラガリアベスカ葉の生理活性
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25305515/
Fragaria vesca(野いちご)の抽出物は、一酸化窒素の産生を阻害し、炎症誘発性タンパク質の発現を制御することが示されました。さらに、抽出物はプロテアソーム活性を阻害し、ユビキチン化タンパク質の蓄積を引き起こしました。また、オートファジーのマーカーであるLC3-IIの増加も観察されました。この研究は、Fragaria vescaの葉抽出物が抗炎症活性を持ち、伝統的な胃腸障害、心血管疾患、尿路障害の治療に対する潜在的な価値を示唆しています。
フラガリアベスカL.エキス:抗酸化特性を持つ有望な化粧品成分
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32074975/
この研究では、野生のイチゴであるFragaria vesca L.(F. vesca)から抽出された化合物の皮膚への応用に焦点を当てました。F. vescaの葉には防腐性、皮膚軟化、皮膚保護特性を持つ生理活性化合物が含まれています。皮膚への適用性や抗酸化効果を評価するためにインビボ研究とヒト反復侮辱パッチ試験が行われました。結果から、F. vesca抽出物は抗酸化活性を示し、ヒドロゲルは皮膚に適した安定性と抗酸化効果を持ち、局所適用に適していることが示されました。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。