サフランは、地中海沿岸や西南アジアを原産としたアヤメ科クロッカス属の多年草です。秋になると咲かせる紫色の花は美しく、日本でも栽培されている球根植物です。
サフランの語源はアラビア語の「zafran(黄色)」で、その鮮やかな黄色い色味に由来しています。歴史は古く、ハーブとしてだけでなく、その特有の香りや色を活かした香料や染料としても利用されてきました。
少し余談になりますが、サフランはあのクレオパトラも愛用してのだとか。大切な方と会う前にはサフランのアロマバスに浸かったり、サフラン入りの化粧水でお肌を整えていたそうですよ。
今回の記事では、
- サフランの効能を知りたい
- 副作用など注意点はある?
- サフランのおすすめの摂取方法を知りたい
など、サフランについての基本情報からお楽しみまでをわかりやすく解説しています。
また、サフランのハーブティーの淹れ方や簡単なサフランライスのレシピなどのお役立ち情報も紹介してますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を参考にしてみてください。
サフランの基本情報
名称 | サフラン |
英名 | Saffron crocus |
学名 | Crocus sativus |
和名 | サフラン |
分類 | アヤメ科クロッカス属 |
産地 | 地中海沿岸、西南アジア |
主成分 | サフラナール、クロシン、クロセチン、ピクロクロシン |
使用部位 | 雌しべ |
代表的な作用 | 抗酸化作用、血行促進、動脈硬化の予防、心筋梗塞の予防、脳梗塞の予防、スキンケア、認知症の予防、コレステロールの抑制、中性脂肪の抑制、子宮収縮作用、通経作用 など |
禁忌、注意事項 | 妊娠中・授乳中の方は摂取を控えましょう。 |
利用法 | ハーブティー、料理、スキンケア など |
サフランは地中海料理にかかせないハーブとして知られています。サフランが使われている料理で有名なのはパエリアで、スパイスの効いた黄色いライスが印象的なスペイン料理です。
サフランは世界一高価なスパイスとして知られています。それは、原料となるのはサフランの花の雌しべのみで、一つの花から採れる本数はわずか3本だからです。たとえば1g分を採取するにも、100個以上もの花が必要になるといわれています。
サフランは日本の気候でも育てやすいく、趣味としてのガーデニングにもおすすめです。秋には薄い紫色のとても美しい花を咲かせますよ。
サフランの効果・効能・作用を解説
サフランには抗酸化作用や、認知症・記憶障害の予防と改善、コレステロールや中性脂肪の抑制などのたくさんの効能があります。
- 抗酸化作用
- 認知症・記憶障害の予防と改善
- コレステロールや中性脂肪の抑制
ここではサフランの代表的な効能について説明します。
効果①:抗酸化作用
はじめに紹介する作用は抗酸化作用です。
サフランに含まれるサフラナールは、精油成分の70%ほどを占める香り成分です。サフラン特有の香りを放つほか、老化の原因となる活性酸素から身体を守ってくれます。
血管の老化を防ぐことで血行を促進し、動脈硬化を防ぎます。また、皮膚細胞も老化から守られることで、シミやシワなどの年齢を重ねるにつれて増える肌トラブルにも効果的です。
効果②:認知症・記憶障害の予防と改善
次に紹介する効能は、認知症・記憶障害の予防と改善です。
サフランの黄色い天然色素であるクロシンと苦み成分のピクロクロシンは、脳の神経細胞に働きかける作用があります。これにより、認知症の予防や記憶障害の改善に効果的です。
実際に漢方の世界では、サフランは認知症などの治療に使用されています。
効果③:コレステロール・中性脂肪の抑制
3つめ紹介する効能は、コレステロール・中性脂肪を抑制する効果です。
効果②でお伝えしたサフランの黄色い色素成分のクロシンは、血管内の脂質であるコレステロール値の上昇を抑え、また中性脂肪を下げる効果があります。これにより、心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化などの予防につながります。
その他の効果・作用
サフランには、代表的な3つの効果以外にも様々な効能や作用があります。
子宮収縮作用や通経作用、血行の促進、大腸がんの予防、そして抗うつ作用や睡眠導入作用など多くの効能や作用も期待できます。
サフランの副作用や注意事項、禁忌など
サフランには子宮収縮作用や通経作用があるため、妊娠中の方は摂取を避けましょう。また、授乳中の方も摂取を控えましょう。
サフランのハーブとしての使い方
サフランはハーブティーを楽しんだり、地中海料理で人気のサフランライスはご自宅でも簡単に炊けるため、手軽に摂取できるハーブです。
高級食材といわれるサフランですが、こちらで紹介するハーブティーやサフランライスは少量のサフランで楽しめるため、ぜひ気になる方はお試しくださいね。
1 ハーブティー
サフランのハーブティーは、独特の香りとほろ苦さが特徴です。クセがないため飲みやすいですが、苦味が気になる方はお砂糖やはちみつを入れると飲みやすくなります。
【サフラン ハーブティーの淹れ方】
沸騰したお湯(カップ一杯分)に、サフランを3本~5本ほどを入れて、好みの濃さにより5分ほど蒸らしてからいただきます。
サフランのハーブティーをブレンドするなら、カモミールがおすすめです。カモミールにも消化促進やリラックス効果などうれしい効能がありますよ。
2 サフランライス
サフランを使った料理の定番「サフランライス」の作り方を紹介します。独特のスパイスの香りやほろ苦さはシーフード料理と相性が抜群です。
【サフランライスの作り方(4人分)】
〈材料〉
- 米と水 それぞれ2合分
- サフラン 10本くらい
- オリーブオイル 小さじ1
- 塩 少々
〈作り方〉
- 通常にお米をといで2合分の水をいれます。
- ①にサフランを入れて色が出てくるまで浸します。(20分くらい)
- オリーブオイルと塩を加えて混ぜ合わせて炊きあげます。
サフランライスは香りも色も華やかなため、ホームパーティーやおもてなし料理にもおすすめの一品です。
サフランのよくある質問
サフランにはほんのりとした苦味があり魚介類と相性が良いため、シーフードを使った料理によく使われています。
ターメリックはウコンを原料としており、サフランとは異なったハーブです。どちらも黄色い色付けに使われますが、サフランの色素成分は水に溶けやすく、ウコンの色素成分は水に溶けにくいという性質の違いもあります。
サフランの原料とされているのは開花したばかりの雌しべのみで、一つの花からは3本の雌しべしか採れないためです。
まとめと研究情報
今回はサフランについて解説しました。
サフランには抗酸化作用や、認知症・記憶障害の予防と改善、コレステロールや中性脂肪の抑制など、身体によい多くの効能があることがわかりました。そして、自宅で簡単にできるサフランの摂取方法として、ハーブティーやサフランライスとして摂取する方法についても紹介しました。
サフランについて興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
おさらい
【効果】
- 抗酸化作用
- 認知症・記憶障害の予防と改善
- コレステロールや中性脂肪の抑制
【注意点・副作用・禁忌】
- 妊娠中・授乳中の方は摂取を控えましょう。
【おすすめの取り方】
- ハーブティー
- サフランライス
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
サフラン(クロッカスサティバスL.)花副産物から得られたジュースの抗酸化活性、細胞傷害活性および代謝プロファイリング
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26775939/
この研究では、サフラン花の副産物からのコールドプレスジュースが、強力な抗酸化と細胞毒性活性を持つ化合物の潜在的な供給源として評価されることが示唆されました。24時間および48時間後の抽出物の抗酸化活性を評価し、24時間の抽出物が高い極性フェノールと抗酸化活性を持つことを示した。これにより、食品と健康製品の開発に利用できる可能性が示唆された。
クロッカス・サティバスL.(サフラン)構成クロシンに関する展望:強力な水溶性抗酸化物質とアルツハイマー病の潜在的な治療法
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28098452/
サフランの主成分であるクロシンは、抗酸化特性を持ち、学習、記憶の改善、脳細胞保護の可能性があり、アルツハイマーに対する影響が研究されています。クロシンは多機能保護活性を示し、ADの予防や治療に有望な薬剤としての可能性が示唆されています。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。