ローズヒップはバラ科バラ属の落葉低木で、バラの花が咲いた後にできる果実の総称です。日本原産のローズヒップにはハマナスという品種が使われています。
英名にあるHipsは、古英語の「hiopa(野ばらの果実)」が語源です。和名のドッグローズについては、かつて狂犬病の治療に使われていたことに由来しています。
今回の記事では、
- ローズヒップの効能を知りたい
- 副作用など注意点はある?
- ローズヒップのおすすめの摂取方法を知りたい
など、ローズヒップについての基本情報からお楽しみまでをわかりやすく解説しています。
また、ローズヒップのハーブティーの淹れ方や、手作りジャムの作り方などの美味しい情報も紹介してますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を参考にしてみてください。
ローズヒップの基本情報
名称 | ローズヒップ |
英名 | Rose Hips |
学名 | Rosa canina |
和名 | ドッグローズ |
分類 | バラ科バラ属 |
原産地 | 南米(チリ・アルゼンチン)、ヨーロッパ |
成分 | ビタミンC、ティリロサイド、リコピン、ペクチン、ビタミン、ナトリウム、カロテノイド など |
使用部位 | 果実 |
代表的な作用 | 抗酸化作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、体脂肪の低減作用、緩下作用、利尿作用、鎮静作用、消化促進作用、強壮作用 など |
禁忌、注意事項 | 過剰摂取に注意しましょう。 |
利用法 | ハーブティー、スキンケア、アロマ など |
ローズヒップは南米のチリやアルゼンチン、ヨーロッパを原産とするハーブです。現在では、世界生産量の6割ほどをチリ産が占めるといわれています。
ビタミンCが豊富に含まれるローズヒップは、「ビタミンの爆弾」と呼ばれています。ビタミンCの含有量は、なんとレモンの20倍以上ともいわれています。
ローズヒップの高い成分が注目されたきっかけは、第二次世界大戦でした。戦争による食糧不足の中、イギリスにおける壊血病(ビタミンCの欠乏による病気)の流行を防いだのが、このビタミンCが豊富なローズヒップだったといわれています。
ローズヒップの効果・効能・作用を解説
ローズヒップには、抗酸化作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、体脂肪の低減作用などのたくさんの効能があります。
- 抗酸化作用
- 抗菌・抗ウイルス作用
- 体脂肪の低減作用
ここではローズヒップの代表的な効能について説明します。
効果①:抗酸化作用
はじめに紹介する効能は抗酸化作用です。
ローズヒップには、ビタミンCが豊富に含まれるため美肌効果があります。皮膚に含まれるヒアルロン酸やコラーゲンが酸化するのを抑制する働きにより、肌を保湿しハリのある弾力性を保ちます。
また、メラニン色素の生成を抑える働きがあるため、シミの予防や美白効果にもつながります。
効果②:抗菌・抗ウイルス作用
次に紹介する効能は、抗菌作用と抗ウイルス作用です。
効果①でもお伝えしたビタミンCには、体内に侵入したウイルスを除去する働きがあります。これにより体内の免疫力を高め、風邪などの感染症の予防にも効果的です。
効果③:体脂肪の低減作用
さいごに紹介する効能は、体脂肪の低減作用です。
成分として含まれているティリロサイドという栄養分には、脂肪の代謝を促す作用があります。体内に蓄積された脂肪を燃焼させることで、気になる体脂肪を減らす効果が期待できます。
その他の効果・作用
ローズヒップには、代表的な3つの効果以外にもたくさんの効能や作用があります。ほかにも緩下作用、利尿作用、鎮静作用、消化促進作用、強壮作用などの作用も期待できます。
ローズヒップの副作用や注意事項、禁忌など
ローズヒップには緩下作用があり、過剰摂取をするとお腹を下すことがあるため摂取量に注意しましょう。
ローズヒップのハーブとしての使い方
ローズヒップは、ご自宅でも手軽に摂取できるハーブです。ここでは自宅でも簡単なハーブティーの楽しみ方や、手作りジャムの作り方について紹介します。
1 ハーブティー
ローズヒップのハーブティーは、甘さの中にほんのりと酸味のある味わいです。
【ローズヒップ ハーブティーの淹れ方】
沸騰したお湯(カップ一杯分)に、ドライローズヒップ(ティースプーン一杯分)を入れて5分ほど蒸らしてからいただきます。
ローズヒップのハーブティーはブレンドもおすすめです。ローズヒップとのブレンドの定番で知られるハイビスカスのほか、ダイエット効果や美肌効果のあるオレンジピールともぴったりの相性ですよ。
オレンジピールについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
>>オレンジピールの効果や副作用は?ハーブティーの作り方なども解説!
2 手作りジャム
とても簡単にできるローズヒップ ジャムの作り方を紹介します。
先の「1 ハーブティー」で使用したローズヒップをそのまま再利用するため、とても手軽な方法です。お試し感覚で作れますので、気になる方はぜひ作ってみてくださいね。
【ローズヒップ ジャムの作り方】
〈材料〉
- ハーブティーに使用したローズヒップ
- ハチミツ 適量
〈作り方〉
ローズヒップティーを淹れたあとの実に、お好みでハチミツを加えて混ぜれば出来上がりです!
朝食のパンやヨーグルトとあわせていただくのはもちろんのこと、ティータイムのクラッカーに添えてみたりと、手軽に美味しくローズヒップを楽しめますよ。
ローズヒップのよくある質問
ローズとローズヒップは生物学上同じ植物です。ローズはバラの花びらで、ローズヒップはバラの花が咲いたあとにできる果実を指します。どちらもハーブとしてのうれしい効能がたくさんありますよ。
ローズヒップの精油には、美肌効果や肌のアンチエイジング効果などがあります。
ローズヒップは10月から11月の秋の季節に収穫できます。
まとめと研究情報
今回はローズヒップについて解説しました。
ローズヒップには抗酸化作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、体脂肪の低減作用など、たくさんの身体に良い効能があることがわかりました。そして、自宅で簡単にできるローズヒップの摂取方法として、ハーブティーの楽しみ方や、簡単な手作りジャムの作り方についても紹介しました。
ローズヒップについて興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
おさらい
【効果】
- 抗酸化作用
- 抗菌・抗ウイルス作用
- 体脂肪の低減作用
【注意点・副作用・禁忌】
- 過剰摂取に注意しましょう。
【おすすめの摂取方法】
- ハーブティー
- 手作りジャム
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
ローズヒップ(Rosa canina L.)がマウスメラノーマ細胞のメラニン形成および褐色モルモットの色素沈着に及ぼす阻害効果
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21389613/
ローズヒップの水性抽出物(RE)から分離されたプロアントシアニジンが、B16マウスメラノーマ細胞においてメラニン生成を抑制することが発見されました。これは50%エタノール溶出液に主に含まれ、チロシナーゼ活性の低下やタンパク質混合物として得られるチロシナーゼへの直接的な阻害効果も示されました。さらに、褐色モルモットの皮膚での試験では、REの経口投与が皮膚のチロシナーゼ活性と色素沈着を抑制する効果が見られました。これらの結果から、RE由来のプロアントシアニジンは美白剤としての潜在的な有用性が示唆されました。
ローズヒップ、ジンジャーブレッドの特性を改善するための抗酸化物質の貴重な供給源
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33271766/
この研究では、ローズヒップパルプ粉末(RHP)が高いポリフェノール、フラボノイド、ケイ皮酸、カロテノイド含有量と抗酸化活性を持つことが明らかになりました。さらに、食品への添加時の相互作用を調査し、ローズヒップパウダーの追加が抗酸化活性と微生物学的安定性を向上させることが示唆されました。特に、ジンジャーブレッドに4%のRHPを添加することが効果的であることが強調されました。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。