マレインはヨーロッパ、アジアの原産で、ゴマノハグサ科モウズイカ属のハーブです。背丈は高いもので2mほどにも成長する高草で、夏になると黄色い小さな花々を咲かせる多年草です。
マレインの語源はラテン語の「mollis(柔らかい)」で、これはマレイン全体が柔らかい毛に覆われていることに由来しています。和名のビロードモウズイカはポルトガル語の「veludo」が語源とされ、こちらもビロードという細かい羽毛で覆われた柔らかな織物に由来しています。
今回の記事では、
- マレインの効果を知りたい
- ハーブとしてマレインを摂取する際の注意点は?
- マレインのおすすめの摂取方法を知りたい
など、マレインについての基本情報からお楽しみまでをわかりやすく解説しています。
また、マレインのハーブティーの淹れ方や、うがい薬としての効果的な使い方などのお役立ち情報や、煙草との関連性などの気になる情報も紹介してますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を参考にしてみてください。
マレインの基本情報
名称 | マレイン |
英名 | Mullein |
学名 | Verbascum thapsus |
和名 | ビロードモウズイカ |
分類 | ゴマノハグサ科モウズイカ属 |
原産地 | 地中海沿岸、アジア |
成分 | サポニン、アピゲニン(フラボノイド)、粘液質、アウクビン(配糖体)、粘液質、リグナン、ベスコサポニン など |
使用部位 | 葉、花 |
代表的な作用 | 去痰作用、抗酸化作用、抗炎症作用、鎮静作用、鎮痛作用、鎮咳作用、粘膜刺激緩和作用、抗菌作用 など |
禁忌、注意事項 |
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利用法 | ハーブティー、うがい薬として |
マレインの薬草としての歴史は古く、古代ギリシャ時代やローマ時代から呼吸器系の症状に用いられてきました。日本ではニワタバコの別名があり、これはかつてマレインの葉でタバコを作り、呼吸器系症状の改善に使われていたことに由来するといわれています。
日本にマレインは明治時代に伝わり、観賞用植物として栽培されたのが始まりです。現在ではその繁殖力の高さから野草化しており、日本各地の野山や街中で多く見かけることのあるハーブです。
マレインの効果・効能・作用を解説
マレインには、去痰作用や抗酸化作用、抗炎症作用など、たくさんの呼吸器系の症状を改善する効果があります。
- 去痰作用
- 抗酸化作用
- 抗炎症作用
ここでは、マレインの呼吸器系の症状への効能を中心に説明します。
効果①:去痰作用
はじめに紹介する効能は去痰作用です。
成分として含まれるサポニンは、気管や肺などのウイルスや菌を体外に排出させる働きがあります。痰となる分泌液の量を増やすことで、呼吸器官をきれいに保つ効果があります。呼吸器官が浄化されることで、咳や痰などといった呼吸器系の症状が改善され、呼吸も楽になります。
効果②:抗酸化作用
次に紹介する効能は抗酸化作用です。
フラボノイド系のポリフェノールアピゲニンは、身体や血管の老化を防ぐ抗酸化作用に優れています。酸化によって衰えた細胞を活発化させることで、ウイルスなどに対抗できる免疫力の向上につながります。
効果③:抗炎症作用
さいごに紹介する効果は抗炎症作用です。
成分として含まれるイリノイド配糖体のアウクビンは、咳やウイルスによる喉の炎症を抑える働きがあります。これにより喉の痛みや腫れといった症状の緩和につながります。
その他の効果・作用
マレインには、代表的な3つの効果以外にもたくさんの効能や作用があります。ほかにも、鎮咳作用、鎮静作用、鎮痛作用、粘膜刺激緩和作用、抗菌作用などの作用が期待できます。
マレインの副作用や注意事項、禁忌など
妊娠中・授乳中の方や、お子様は摂取を控えましょう。また、種子には有毒な成分が含まれているため使用しないでください。
マレインのハーブとしての使い方
マレインの効能は抽出液を使用することで、その効能を効果的に摂取できます。ここでは、マレインのハーブティーの淹れ方や、うがい薬としての使い方について紹介します。
1 ハーブティー
マレインのハーブティーは、香ばしさがあり飲みやすく、やさしい甘みのある風味です。
【マレインハーブティーの淹れ方】
- 沸騰したお湯(カップ一杯分)に、マレイン(大さじ一杯分)を入れて、お好みにより3分から5分ほど蒸らします。
- 葉の柔毛を取り除くため、浸出液をペーパーフィルターで数回漉してからいただきます。
※ マレインは葉の細かな柔毛があるため、なるべく細かいフィルターを使ってろ過することをおすすめします。
マレインのハーブティーはブレンドもおすすめです。咳の症状のある時には喉の痛みを緩和してくれるハーブ「マーシュマロウ」とのブレンドティーはいかがでしょうか。
マーシュマロウについて気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
>>マーシュマロウの効果や副作用は?ハーブティーなどの楽しみ方もご紹介!
2 うがい薬として
マレインの抽出液はうがい薬としてもおすすめです。風邪の症状や喉の痛みを感じる時などには、マレインのハーブティーを少し濃いめに抽出して、うがい薬として試してみてくださいね。
【おすすめのうがいの仕方】
まずは水で口をすすいで口内を清潔にします。それから、マレインの抽出液を口に含んで喉の奥の方までうがいをします。これを2回繰り返しましょう。
うがいによって喉や口内にある菌やウイルスが洗い流されるため、感染症を防ぐのに効果的です。マレインのハーブティーをうがい薬として利用すれば、さらなる効果が期待できます。
マレインのよくある質問
マレインはかつてはハーブ煙草として、呼吸器系の治療に使用されていたからです。マレインの葉を煙草のように吸うことで、咳や喘息などの症状の改善につながったとされています。
マレインの花には鎮静作用や鎮痛作用があります。また、花からは黄色い染料が採れます。
マレインは丈夫な植物なため育てやすいといわれています。今では繁殖力の強さから野草化していますが、苗も販売されています。
まとめと研究情報
今回はマレインについて解説しました。
マレインには去痰作用や抗酸化作用、抗炎症作用など、とりわけ呼吸器系の症状に効果的な効能があることがわかりました。そして、自宅で簡単にできるハーブティーの淹れ方や、うがい薬としての使い方についても紹介しました。
マレインについて興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
おさらい
【効果】
- 去痰作用
- 抗酸化作用
- 抗炎症作用
【注意点・副作用・禁忌】
- 妊娠中や授乳中の方、お子様は摂取を控えましょう。
- 種子は有毒なので使用しないでください。
【おすすめの取り方】
- ハーブティー
- うがい薬として
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
Verbascum thapsus Lの抗酸化、抗発癌性および抗菌特性
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31456524/
V. Thapsus L.はセスキテルペン、フラボノイド、サポニン、リグニンなど多くの生化学化合物を含む薬用植物で、抗酸化、抗発癌、抗菌活性が認められました。抗酸化能力は高く、エタノール抽出物はDPPHフリーラジカルを効果的に抑制。抗発癌性成分も検出。抗菌活性はグラム陽性および陰性細菌に対して有効で、セレウス菌に特に効果的。V. Thapsus L.は癌や感染症治療に有望な薬草とされる。
障害飛越競技馬におけるボスウェリアコナラ、バーバスカムタプサス、ウコンロンガの栄養補助食品:血清プロテオーム、抗酸化状態、および抗炎症遺伝子発現への影響
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36983904/
プラセボ対照試験で、スポーツ馬にVerbascum thapsusリーフパウダーや他の栄養補助食品を与え、血液サンプルを分析。栄養補助食品は炎症誘発性サイトカインを減少させ、免疫応答を強化する可能性示唆。これはスポーツ馬の炎症を軽減し、有効な補完療法となる可能性があることが分かった。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。