マジョラムはシソ科ハナハッカ属に分類され、ヨーロッパの地中海地域を原産とするハーブです。甘くちょっぴりスパイシーな香りが特徴で、初夏には白やピンクの小さな花を咲かる多年草です。
マジョラムはイタリア料理にぴったりのハーブとして知られています。香りや葉の形がとてもよく似たワイルドマジョラム(オレガノ)と区別し、こちらのマジョラムは「スイートマジョラム」とも呼ばれています。
今回の記事では、
- マジョラムの効能を知りたい
- 副作用など注意点はある?
- マジョラムのおすすめの摂取方法を知りたい
など、マジョラムについての基本情報からお楽しみまでをわかりやすく解説しています。
また、ご自宅でできるハーブティーの楽しみ方や、アロマオイルの取り入れ方についても紹介してますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を参考にしてみてください。
マジョラムの基本情報
名称 | マジョラム、スイートマジョラム |
英名 | marjoram |
学名 | origanum majorana |
和名 | マヨラナ |
分類 | シソ科ハナハッカ属 |
原産地 | 地中海沿岸 |
成分 | テルピネン-4-オール、γ-テルピネン、β-カリオフィレン、サビネン、リナロール など |
使用部位 | 葉、花、茎 |
代表的な作用 | 鎮静作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、抗うつ作用、催眠作用、鎮痙作用、消化促進作用、利尿作用、強壮作用 など |
禁忌、注意事項 | 妊娠中や生理中、低血圧の方は摂取を控えましょう。 車の運転前の使用は避けましょう。 |
利用法 | ハーブティー、エッセンシャルオイル、スパイス など |
マジョラムには長い歴史があり、古代ギリシャの時代にはすでに栽培されていたといわれています。マジョラムは古くから薬草や香水、料理のスパイスとして広く使われてきました。
マジョラムはラテン語の「amaracum(major: より大きい)」が語源とされています。これはマジョラムの薬草としての効能により、人々の健康を維持し寿命を伸ばしてくれることに由来しています。
マジョラムの効果・効能・作用を解説
マジョラムには鎮静作用、抗菌・抗ウイルス・抗炎症作用、抗うつ作用などさまざまな効能があります。
- 鎮静作用
- 抗菌・抗ウイルス・抗炎症作用
- 抗うつ作用
ここでは、マジョラムの代表的な効能について説明します。
効果①:鎮静作用
はじめに紹介する効能は鎮静作用です。
マジョラムに含まれる精油成分テルピネン-4-オールには、頭痛や関節痛、生理痛などの痛みを和らげる働きがあります。また、副交感神経にも作用するためリラックス効果も期待できます。
効果②:抗菌・抗ウイルス・抗炎症作用
次に紹介する効能は、抗菌作用・抗炎症作用です。
効果①で紹介したテルピネン-4-オールと、γ-テルピネンという成分は、抗菌作用や抗炎症作用、抗ウイルス作用などがあります。これにより、風邪や気管支炎などの呼吸器系の感染症を防ぐ効果があります。
効果③:抗うつ作用
さいごに紹介する効能は抗うつ作用です。
精油成分として含まれるβ-カリオフィレンには、月経前症候群や更年期障害などの女性特有の不調を緩和する効果があります。また、妊娠中や出産後の抗うつ症状(マタニティーブルー)にも効果的に働きかけます。
その他の効果・作用
マジョラムには、代表的な3つの効果以外にも効能や作用があります。鎮痙作用、消化促進作用、利尿作用、強壮作用などの効果や作用も期待できます。
マジョラムの副作用や注意事項、禁忌など
妊娠中や生理中の方、低血圧の方は摂取を控えましょう。また、マジョラムには催眠作用があるため、車を運転する際などにも使用を避けましょう。
マジョラムのハーブとしての使い方
マジョラムは、ご自宅でハーブティーやアロマオイルを利用することで手軽に摂取できます。ここでは自宅で簡単にできるハーブティーの楽しみ方やアロマオイルの使い方について紹介します。
ハーブティー
マジョラムのハーブティーは、ほのかな甘さの中にスパイシーなほろ苦さがあります。しっかりとした風味がお好みでしたら、あらかじめドライハーブを少し揉んでおくことでマジョラムの香りが引き立ちます。
【マジョラムティーの淹れ方】
沸騰したお湯(カップ一杯分)に、マジョラムのドライハーブ(ティースプーン1杯程度)を入れて3分ほど蒸らしてからいただきます。
ブレンドするならペパーミントがおすすめです。爽やかなスッキリとした味わいで飲みやすくなりますよ。
エッセンシャルオイル
マジョラムはエッセンシャルオイルを利用することで、精油成分を手軽に摂取できます。
お部屋のフレグランスとして使えば、マジョラムの甘い香りがお部屋いっぱいに広がります。またベッドルームにディフューザーを用意すれば、リラックス効果によって心地よい眠りにつけるでしょう。
それからバスタイムにもおすすめです。湯船にエッセンシャルオイルを一滴たらすことで、バスルームに豊かな香りが広がりますよ。
マジョラムのよくある質問
マジョラムとオレガノは同属異種で葉の形や香りがとても良く似ていますが、マジョラムの方がオレガノよりも穏やかな香りです。
マジョラムは初心者にも育てやすいハーブといわれています。ただ、冬に霜に当たるとダメージを受けてしまうため、地域によっては注意が必要です。
マジョラムのスパイスは、国内大手加工食品メーカーから販売されています。
まとめと研究情報
今回はマジョラムーについて解説しました。
マジョラムには鎮静作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、抗うつ作用など、身体によい多くの効能があることがわかりました。そして、自宅で簡単にできるマジョラムの摂取方法として、ハーブティーの淹れ方や、おすすめのエッセンシャルオイルの利用方法についても紹介しました。
マジョラムについて興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
おさらい
【効果】
- 鎮静作用
- 抗菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用
- 抗うつ作用
【注意点・副作用・禁忌】
- 妊娠中や生理中、低血圧の方は摂取を控えましょう。
- 車の運転前の使用は避けましょう。
【おすすめの摂取方法】
- ハーブティー
- エッセンシャルオイル
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
アルビノラットのカドミウム誘発肝毒性および腎毒性に対するオリガナムマヨラナL.の効果
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21858388/
この研究では、オリガノムマヨラナ(OM)の効果を評価し、カドミウム(Cd)による肝臓および腎臓の毒性に対する影響を調査しました。結果から、OMの投与がCdによる肝臓および腎臓の損傷を軽減し、抗酸化作用を示すことが示されました。OMはCd誘発の肝臓および腎臓の損傷から保護し、治癒を促進することが示唆されました。
オリガナム・マヨラナLによる終末糖化産物形成の阻害インビトロおよびストレプトゾトシン誘発糖尿病ラット
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23008741/
この研究では、オオラマジャラの葉から抽出されたメタノール抽出物(OM)がAGEs(糖化最終生成物)の形成に対する影響を調査しました。実験結果は、OMがAGEsの形成を有意に阻害し、抗糖化活性を示すことを示しました。さらに、OMは抗酸化活性だけでなく、反応性カルボニル種のトラップ能力にも関連していました。糖尿病マウスモデルでの実験でも、OMの投与が血糖値やAGEs形成を改善し、糖尿病に伴う代謝異常を軽減する効果が示されました。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。