リンデンは、ヨーロッパが原産の高木で、街路樹として親しまれ、6~7月になると白い花が咲き、甘い香りを漂わせます。
リンデンのハーブティーは甘いフローラルな香りとクセのない味で飲みやすいと言われており、世界中で愛されています。
今回は、そんなリンデンの気になる
- 効果
- 副作用
- おすすめの楽しみ方
について、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアがまとめてみました。
さらに、リンデンの栽培方法や入手方法までご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
リンデンの基本情報
名称 | リンデン |
英名 | linden |
学名 | Tilia europaea |
和名 | セイヨウボダイジュ(西洋菩提樹)、セイヨウシナノキ(西洋科の木) |
分類 | アオイ科 |
原産国 | ヨーロッパ |
成分 | フラボノイド配糖体(ルチン、ヒペロシド、ティリロシド)、粘液質(アラビノガラクタン)、タンニン、フェノール酸(カフェ酸、クロロゲン酸)、サポニン、精油(ファルネソール)など |
使用部位 | 花、苞、木 |
代表的な作用 | リンデンフラワー:神経緊張緩和作用、利尿作用、発汗作用、収斂作用、鎮静作用、鎮痙作用、保湿作用
リンデンウッド:利尿作用、浄化作用、収斂作用、肝臓の働きを高める作用 |
禁忌・注意事項 | 妊娠中・授乳中の場合は、問題は確認されていないものの、最終的な安全性は確立されていない。アレルギー反応が起こる可能性あり。 |
利用方法 |
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リンデンは、ヨーロッパ原産の高木で、別名ライムとも呼ばれます。
副作用が少なく、作用が穏やかなため、子供から大人まで安心して使用できるハーブと言われています。
また、リンデンの花と苞の部分を使用したものをリンデンフラワーといい、木の部分を使用したものをリンデンウッドといい、2種類あります。
リンデンフラワーとリンデンウッドでは、作用が少々異なるため、使用目的によって使い分けることをおすすめします。
リンデンは、甘くてフローラルな香りがすると言われていますが、味はあまりありません。
そのため、他のハーブとの相性もよく、ブレンドハーブティーとして楽しむこともできます。
リンデンの効果・効能・作用を解説
リンデンは、花や苞を使用したリンデンフラワーと、木を使用したリンデンウッドで作用が異なります。
リンデンフラワーは神経的な緊張を緩和して、イライラを解消してくれると言われ、リンデンウッドは利尿作用からむくみの軽減を図ると言われています。
他にも、リンデンフラワーの作用は保湿作用や鎮痙作用があると言われ、リンデンウッドには肝臓の機能を高める効果があると言われています。
<リンデンフラワーの効果・効能・作用>
- 鎮静作用
- 利尿作用
- 発汗作用
- 収斂作用
<リンデンウッドの効果・効能・作用>
- 利尿作用
- 浄化作用
- 収斂作用
リンデンフラワーの効果・効能・作用
効果①:鎮静作用
リンデンフラワーの甘い香りに含まれるファルネソールなどの成分は、自律神経を調整し、不安や緊張を和らげると言われています。
すぐにイライラしてしまう場合や、とてつもない不安に襲われる時など、精神的なストレスを緩和してくれる他、精神的なストレスからくる頭痛を緩和する効果や、動悸を抑えてくれる効果があると言われています。
ヨーロッパでは、癇癪をよく起こす子供にリンデンフラワーのハーブティーを飲ませるという習慣が残っている地域もあるようで、精神的に昂ってしまう時に、用いるとリラックス効果を得られるようです。
効果②:利尿作用
リンデンフラワーには、尿を排出しやすくする利尿作用があります。
さらに、フラボノイドという抗酸化作用のある成分も含まれているため、活性化酸素によって進行する動脈硬化も防ぎ、尿を排出することで体内の水分量を減少させるため、高血圧に効果があると言われています。
効果③:発汗作用
リンデンフラワーに含まれるフラボノイドとフェノールという成分によって、発汗作用があると言われています。
発汗を促すことで、熱を下げるため、ヨーロッパでは昔から植物療法として風邪やインフルエンザの際にリンデンフラワーが使用されていました。
現在でも、ドイツでは小児科で風邪の引き始めにリンデンフラワーを使用したハーブティーが処方されています。
効果④:収斂作用
リンデンフラワーに含まれるタンニンという成分によって、タンパク質を変性させて、引き締める効果があります。
そのため、開いてしまった毛穴を引き締めるなど、美肌効果もあるようです。
リンデンウッドの効果・効能・作用
効果①:利尿作用
リンデンフラワーよりも、さらに利尿作用が優れていると言われています。
そのため、体内の余分な水分を排出してくれて、浮腫や水分太り予防を目的として使用されることが多いと言われています。
効果②:浄化作用
リンデンに含まれるサポニンは、腸でブドウ糖と脂肪酸が合体するのを防ぎ、脂肪を分解すると言われています。
そのため、デトックス効果が高いとされ、ダイエット効果があると言われています。
効果③:収斂作用
リンデンフラワーと同様、皮膚を引き締める効果があると言われています。
そのため、リンデンウッドの抽出液を使用して洗顔をしたり、手作りの化粧水として使用されています。
リンデンの副作用や注意事項、禁忌など
リンデンは、作用が穏やかで、特に重篤な副作用などはないとされており、通常の範囲であれば、安全に使用することができると言われています。
妊娠中や授乳中の使用については問題はないと言われていますが、研究によるはっきりとした安全性の保証はされておらず、アレルギー反応が起こる可能性もあります。
妊娠中や授乳中で使用に不安を感じる場合は、医師に相談の上、使用しましょう。
リンデンのハーブとしての使い方
特にリンデンフラワーは甘くてフローラルな香りがしてリラックス効果が得られると言われていますが、リンデンフラワーとリンデンウッド共に、味はあまりないと言われていて、クセがないためハーブティーとして好まれています。
その他にもハーブバスや、アロマを使用した芳香浴としても楽しまれています。
ハーブティー
リンデンフラワーとリンデンウッドはクセが少なく飲みやすいと言われており、ハーブティーを楽しむ人が多いです。
リンデンフラワーの場合は、甘くてフローラルな香りが特徴的ですが、リンデンウッドの場合は香りが弱く淡い木の香りを感じると言われています。
ドライハーブを使用する際は、かさが大きいので、ミルで挽くか、手で細かく千切って使用します。
<リンデンフラワーの場合>
大さじ1をポットに入れて、お湯を注ぎ、5分蒸らす
<リンデンウッドの場合>
小さじ1をポットに入れて、お湯を注ぎ、5分蒸らす
リンデンフラワーとリンデンウッドは、それぞれ作用が異なるので、
<リンデンフラワー>
- イライラする時
- 眠れない時
- 精神的なストレスで頭痛がある時
<リンデンウッド>
- 浮腫を感じる時
- ダイエット中
- デトックスしたい時
このような目的に合わせて、選ぶのもいいでしょう。
また、クセが少ないため他のハーブティーや紅茶とも相性が良く、ブレンドティーとして楽しむのもおすすめです。
他のハーブティーとブレンドする際は、用途に合わせて、ブレンドするハーブティーを選ぶのもおすすめです。
例えば、鎮静作用を持つカモミールジャーマンとリンデンフラワーのハーブティーをブレンドすることで、安眠効果が期待できるなど、用途に合わせてブレンドを考えるのも、一つの楽しみではないでしょうか。
ハーブバス
ハーブバスとは、ハーブを使用した入浴剤を入れて入浴する方法です。
ハーブを使用した入浴剤は簡単に作ることができるので、自宅でも楽しむことができます。
ハーブバスでは、ハーブ入浴剤か又はハーブソルトを使用します。
ハーブ入浴剤の作り方
<材料>
- ドライハーブ(オーガニックがおすすめ)3~5g程度
※フレッシュハーブを使用する場合は、量はお好みで - お湯
<作り方>
ドライハーブの場合は、2通り方法があります。
- ポットにドライハーブを入れて、熱湯を注ぎ10~20分ほど置き、ハーブを濾してできた抽出液を入浴剤として使用します。
- ティーバッグにドライハーブを入れて、先ほど同様、熱湯で抽出液を作り、その抽出液とともにティーバッグを浴槽へ入れます。
フレッシュハーブの場合は、ドライハーブと同様、抽出した後にハーブをガーゼに包み、抽出して作った入浴剤とともに浴槽へ入れます。
ハーブソルトの作り方
<材料>
- ドライハーブ(オーガニックがおすすめ)5~10g程度
- 天然塩100g
- 密閉できる容器
<作り方>
- ミルサーを使用してドライハーブを粉状にします。
- 密閉できる容器に天然塩とドライハーブを粉状にしたものを入れ、よく混ぜ合わせます。
ハーブ入浴剤を使用する場合は、抽出液のみや、抽出液とティーバッグもしくはガーゼに包んだハーブを一緒に浴槽へ入れて入浴します。
ハーブソルトを使用する場合は、1回に約30gのバスソルトを入れて入浴します。
ほんのりと香るハーブの自然な香りに癒されるので、リラックス効果を得ることができます。
芳香浴(アロマ)
芳香浴とは、アロマオイルを使用して、空間に香りを拡散させて楽しむことです。
芳香浴を行う際は、体への影響などを考慮し、人工的な香料を含まない100%天然の精油を使用することがおすすめです。
リンデンは、比較的香りが強く、持続しやすいと言われているため、アロマストーンに垂らしたり、マグカップにお湯を張って精油を垂らすだけでも、十分香りを楽しむことができます。
広いお部屋全体をリンデンの香りで満たしたいという場合は、アロマディフューザーを使用するなど、目的に合わせて使用するものを変えるといいでしょう。
リンデンのよくある質問
次はリンデンについてよくある質問を調べてまとめてみました。
リンデンは比較的育てやすいと言われています。
ただ、成長するとかなり大きな木になるため、広いお庭があって大きな木を育てる余裕がある方におすすめします。
成長するのに時間がかかるので、種から育てるのではなく苗から育て、根付くまでは水やりをしっかりと行う必要があります。
根付いてからは多少水やりを怠っていても丈夫に育ちやすく、寒さにも強いので冬に対策を取る必要がありません。
大きな木を育てる場所を確保することができ、自分で育てたリンデンを使用して楽しみたいという人は、ぜひ栽培に挑戦してみてください。
リンデンは主にヨーロッパで広く親しまれているハーブティーです。
スーパーなどではあまり見かけず、ヨーロッパからの輸入品が多く、通販サイトやハーブティー専門店にて販売されています。
楽天市場やAmazonなど大手通販サイトでも購入することはできますが、初めてリンデンのハーブティーを購入する際に不安な点がある場合は、ハーブティー専門店を訪れて、スタッフに相談することをおすすめします。
リンデンは、クセが少ないため、様々なハーブティーや紅茶と相性が合うと言われています。
その中でも、よくブレンドして楽しまれているのは、カモミールやペパーミントのハーブティーです。
カモミールはリンデンと同様、リラックス効果があるため、安眠効果を期待できると言われています。
ドイツの小児科では、風邪の引き始めに、リンデン4:ペパーミント1の割合でブレンドしたハーブティーを処方することもあるようで、発汗作用やデトックス効果を持つリンデンとペパーミントはとても相性がいいとされています。
まとめ
リンデンは、リンデンフラワーとリンデンウッドと使用される部位で作用が異なり、リンデンフラワーはリラックス効果が高く、リンデンウッドはデトックス効果が高いと言われています。
比較的安全で、子供から大人まで安心して使用できるハーブなので、今回ご紹介した使用方法を参考に、日々の生活の中にリンデンを活用して楽しんでみてください。
<効果・効能・作用>
〜リンデンフラワー〜
- 鎮静作用
- 利尿作用
- 発汗作用
- 収斂作用
〜リンデンウッド〜
- 利尿作用
- 浄化作用
- 収斂作用
<副作用や注意事項、禁忌>
重篤な副作用はないとされている
妊娠中や授乳中の使用は確実に安全という保証はないため、医師に相談が必要
<使用方法>
- ハーブティー
- ハーブバス
- 芳香浴
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。