レモングラスとは、インド原産のイネ科の多年草で、中南米、アジアの熱帯から亜熱帯にかけて自生しています。レモンとは形は違いますが、レモンと同じ香りの成分(シトラール)が含まれて、レモンのような強い香りを放つハーブのためレモングラスと名付けられました。
レモングラスは、インドで数千年前から人々から好まれ、栽培されてきました。インドの伝統医学アーユルヴェーダで使用されてきた歴史があります。レモングラスは、精神の調和をとり、消化促進に役立つアジアの薬草です。
現在はタイ料理のトムヤンクンなどに使われるエスニック料理に欠かせない香り豊かなハーブです。
- レモングラスの効果・効能を知りたい
- レモングラスの美味しい食べ方を知りたい
- レモングラスは副作用があるか知りたい
このような疑問を中心に解説していきます。
ハーブについてさらに詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファンスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事をどうぞ!
>>最強のハーブファスティングとは?
レモングラスの基本情報
名称 | レモングラス |
英名 | lemongrass |
学名 | Cymbopogon citratus |
和名 | レモンガヤ、コウスイガヤ、レモンソウ |
分類 | イネ科オガルカヤ属 多年草 |
原産地 | インド原産 |
主要成分 (100g当たり) | シトラール、ゲラニオールなど |
使用部位 | 葉、茎、根 |
代表的効能 | 食欲不振、消化不良、風邪、腹痛、下痢、発熱、インフルエンザの症状、胃もたれ 腹部膨満 |
利用法 | タイ料理のトムヤムクンなど ハーブティー |
レモングラスは体を温める作用があり、発汗を促す効果もあるので風邪やインフルエンザなどの症状緩和にも良いと言われております。また腹痛や下痢にも効果があるので胃腸を整える為に飲むのもお勧めです。
レモングラスの香りは虫が嫌う匂いで、虫除けスプレーなどにも使われています。レモングラスの葉をクローゼットに入れておくと虫がつかないともいわれます。
また、このハーブが放つレモンのようなすっきりとした香りは、私たちの眠気を覚まし、気持ちをリフレッシュ、うつ気味な気分も和らげてくれる効果を期待できます。
レモングラスの効果・効能・作用を解説
- リフレッシュ効果
- 胃の健康を保つ効果
- 血流を改善する効果
そのほか、筋肉痛を予防する効果、美肌効果などあります。
効果①:リフレッシュ効果
レモングラスは副交感神経の働きを助け、精神の調和を促します。また、アドレナリンの分泌を促す働きがあるといわれており、生気を回復させて、疲れた心にやる気を与えます。やるべきことがあるのに手につかないようなとき、集中力を取り戻すのに役にたちます。
適度に落ち着きをもたらす働きもあるため、車の運転などに向くところから、「ドライバーの精油」とも呼ばれています。
効果②:胃の健康を保つ効果
レモングラスには胃の働きを助けて消化を促進し、脂肪の分解を促す作用もあるといわれています。食べ過ぎて胃もたれしたときや胸やけのするときなど、レモングラスのハーブティーがおすすめです。
効果③:血流を改善する効果
レモングラスには、血流を促進する効果もあるので、冷え性やむくみ、肩こりにも効果を発揮します。
その他の効果・作用
レモングラスには、筋肉痛を予防する効果、美肌効果、鎮痛作用や抗炎症作用もあり、筋肉痛などの痛みをやわらげるのにも有効です。
レモングラスの副作用や注意事項、禁忌など
レモングラスは妊娠中の人は使用を避けてください。作用が強力なことから、子宮出血を誘発する場合がありますので妊婦、授乳中の方は多量の飲用は控える必要があります。
レモングラスのハーブとしての使い方
レモングラスには様々な効能があります。実際にハーブとして摂取する場合の具体的な方法を紹介します。
食品として(摂取方法1)
タイ料理のトムヤムクンにはレモングラスの茎を輪切りにしたものが使用されるなど、東南アジア料理で肉や魚の臭みを消したり、カレーの香りづけにも用いられます。
東南アジアでは根元の部分も料理に使いますが、日本で栽培されるものは根元が固いため、葉のみを使用するのが一般的です。葉は細かく刻んだり、たたいてから使用すると、より強い香りが引き出せます。
【レシピ】ベトナム料理 豚肉のレモングラス炒め
材料2人分
生レモングラス 1/3本
豚バラ肉 200g
ニンニク 2カケ
唐辛子 1/2本
グラニュー糖 小さじ2
ニョクマム 小さじ2
胡椒少々
サラダ油小さじ1
作り方
・タレが焦げやすいので豚肉を一度茹でてから炒めると良いです。
・生レモングラスは茎の下1/3くらいの太くて柔らかい部分を使用。
・みじん切りにする。ニンニクもみじん切りにする。
・唐辛子は2〜3cmほどの大きさに切る。
1.豚バラ肉をお湯で10分ほど茹で、5mmほどの厚さに切る。
2.ボウルに切った豚バラ肉とグラニュー糖小さじ2、ニョクマム小さじ2、胡椒少々、みじん切りにしたレモングラス、ニンニク、唐辛子を入れよく混ぜ5分ほど置く。
3.フライパンにサラダ油を引き、ボウルの材料を全て入れ中火の弱で3分ほど炒める。
4.器に盛り、仕上げに胡椒を好みでかける。
さわやかなレモン風味のハーブティー(摂取方法2)
レモングラスの葉の部分を使用して、ハーブティーにします。レモンの香りとクセのない味わいで、ハーブティーにあまりなじみがない方にもおすすめです。
レモングラスでハーブティーを作るときは、レモングラスのみを使うだけではなく、レモンバームやレモンバーベナといった似たような香りをもつハーブと組み合わせてブレンドすると、より奥深い味わいになります。ミントや緑茶ともよく合います。
【ハーブティーレシピ】
生レモングラス
1.レモングラス4本分に対して、だいたい1リットルほどのお水を沸かします。
2.レモングラスは根元の部分を切り落として使います。
3.沸騰したら火を止めて、中火で5分煮出せば出来上がり♪
他のハーブと一緒に煮出すとよりおいしくなるのがレモングラスティー!ミントやバジルなどお気に入りのものと組み合わせてみましょう♪
乾燥レモングラス
1.生だと日持ちさせづらいレモングラスは乾燥レモングラスで水出しでもおいしく入れることができます。乾燥レモングラスは長く楽しめる方法です。お店での購入もしやすいので、おすすめの茶葉タイプです。
2.乾燥葉はひとり分3gほど、ティーポットの中でお湯が葉っぱにかぶさるほどのお湯が必要です。
3.ティーポットは事前に温めておくと葉を蒸らしやすく、開きやすくなるのでおすすめです。蓋をして5分ほど蒸らしたらできあがり♪
レモングラス特有の黄色い色が出てきたら飲みごろです!水出しで抽出する場合には、2時間くらいを目安にお水につけておくとおいしくなります。
レモングラスのよくある質問
その香りは人工のレモンフレーバーの材料に使用されるほど、レモンよりもレモンらしいといわれています。アロマテラピーや、ハーブティー、料理、化粧品などに多く使用されています。ストレス解消や食欲増進、消化不良、胃腸炎に有益に働くほか、強力な抗菌作用を持ち、感染症予防に効果的とされています。
東南アジア、スリランカ、インドなどの蒸し暑い地域で虫除けとして使用されるイネ科のレモングラスはレモン風味の香りで刺激が強いハーブとなっています。虫が嫌う木として知られているレモンユーカリも、レモンの香りで虫を寄せ付けない効果があります。
レモングラスの効能は、鎮痛作用、抗炎症作用、抗菌作用・抗真菌作用・抗ウィルス作用、収れん作用、抗うつ作用・鎮静作用、解熱作用、駆風作用(胃腸に溜まったガスを出す作用)、利尿作用、催乳作用(母乳の出を良くする)、抗癌作用、殺虫作用があると言われています。
まとめと研究情報
レモングラスの健康効果は、消化促進、駆風、抗菌、殺菌、収れん、虫除けなど多数あり、身近に使えそうなハーブですが、注意点として、作用が強力なため、子宮出血を誘発する場合がありますので妊婦、授乳中の方は多量の飲用は控えてください。
おさらい
【効果】
- リフレッシュ効果
- 胃の健康を保つ効果
- 血流を改善する効果
- 筋肉痛を予防する効果
- 美肌効果
【注意点・副作用・禁忌】
- 妊娠中の方、授乳中の方は多量の飲用は控える。
【摂り方】
- 料理、ハーブティー
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
強力な抗炎症薬および抗真菌薬としてのレモングラス(シンボポゴンシトラタス)エッセンシャルオイル
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25242268/
この研究では、レモングラスエッセンシャルオイル(LGEO)の成分がゲラニアールとネラールであることが明らかにされ、LGEOが抗真菌活性を持つことが示されました。LGEOは異なる病原性酵母および糸状菌に対して有望な抗真菌効果を示し、その効果は石油量の増加と関連して増加しました。LGEOはまた、経口および局所適用において抗炎症効果を示し、特に局所適用では強力な皮膚炎症反応の抑制が観察されました。この研究は、LGEOが真菌感染症および皮膚炎症の治療薬の可能性を示唆しています。
シンボポゴンシトラタス(レモングラス)とゲラニオールのエッセンシャルオイルは、シトラールではなく、マウスの胃の治癒活動を促進します
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29248831/
この研究では、レモングラスから抽出したエッセンシャルオイル(EOCC)およびその主要成分であるシトラールとゲラニオールの胃保護および胃の治癒効果が評価されました。急性エタノール誘発性および慢性酢酸誘発性胃潰瘍モデルで、EOCC、シトラール、およびゲラニオールの経口投与が潰瘍領域を減少させ、胃の治癒プロセスを促進しました。組焦込学的評価では、ムチン染色の増強が確認されました。また、EOCCとシトラールはH/K-ATPase活性を抑制しましたが、ゲラニオールは影響を与えませんでした。これらの結果は、レモングラスのエッセンシャルオイルとその成分が胃の保護と潰瘍治療に対する潜在的な効果を示唆し、特にゲラニオールが治癒に寄与する可能性を示唆しています。
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