甘草は強い甘みが特徴で、砂糖の50倍〜80倍もの甘みがある植物です。
世界各地で古代から薬用として広く用いられてきた甘草が、日本へ伝えられたのは奈良時代のようです。
カロリーが低いので、欧米では自然な添加物といわれていて、お菓子やソフトドリンクに使われています。砂糖の50倍の甘さを持ちますが、低カロリーなのでダイエット系の甘味料にも用いられています。
独特の甘みで、使用対象食品は、しょう油、みそ、漬物、つくだ煮、清涼飲料水、キャンディ、魚肉ねり製品、氷菓、乳製品など、広範囲に使われています。カレー粉の原料に使われることもあります。
この記事では
- 甘草(かんぞう)別名リコリスの健康効果
- 甘草(かんぞう)別名リコリスの副作用について
- 甘草(かんぞう)別名リコリスのおすすめの摂取方法は?
などを解説しました。低カロリーということで、ダイエットに利用しようと考える場合の注意点もありますので、最後までお読みください。
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甘草(かんぞう)別名リコリスの基本情報
名称 | 甘草(かんぞう)/リコリス |
英名 | Glycyrrhiza |
学名 | Glycyrrhiza glabra |
和名 | 甘草(カンゾウ) |
分類 | マメ科カンゾウ属 多年草 |
原産地 | 地中海沿岸や中央アジア |
主要成分 (100g当たり) | グリチルリチン、フラボノイド、コリン、アスパラギンなど |
使用部位 | 根 |
代表的効能 | 抗炎症、抗ウィルス、抗アレルギー、副腎皮質刺激、免疫賦活、鎮咳・去痰・健胃・抗炎症・鎮痙・鎮痛作用 |
利用法 | しょう油、みそ、漬物、つくだ煮、キャンディ、清涼飲料水、魚肉ねり製品、氷菓、乳製品など、広範囲に使われてる |
古くから東洋でも西洋でも薬用植物として、根およびストロンと呼ばれる茎の部分が用いられてきました。
漢方薬である芍薬甘草湯は、「脚がつる」「こむら返り」こうした症状に対し、よく処方されるお薬のひとつです。また、激しい咳や喉の痛みの緩和に効果があるとされています。
芍薬甘草湯に含まれる甘草は、マメ科の植物が原料で、生薬どうしをつなぎ合わせる効果があるため、漢方薬の多くに配合されています。ただ、甘草を過量に摂取すると、不整脈が出現することがあり、場合によっては、意識消失の原因となります。
甘草(かんぞう)は、長期間あるいは大量に摂取することのないように、限度量を越えない様にしましょう。
甘草(かんぞう)/リコリスの効果・効能・作用を解説
効果①:活性酸素を除去する効果
ガンや脳卒中などの生活習慣病の発病には、高い確率で活性酸素が関与しています。活性酸素は、紫外線や喫煙、ストレスなどが原因で体内に発生し、細胞や血管など体の様々なところにダメージを与えます。
また、活性酸素は生活習慣病だけでなく、老化やその他の病気を引き起こす原因だといわれています。甘草に含まれるフラボノイド系の成分には、抗酸化作用という活性酸素を除去する力があります。
効果②:肝機能を高める効果
肝臓には、もともと解毒作用があります。この働きは、薬物などの異物をすばやく排泄するために肝臓でグルコースから生成されたグルクロン酸という物質を異物に結合させ、水に溶けやすくすることにより尿中に排泄しやすくすることによるものです。
甘草の主成分のグリチルリチンが肝臓でグルクロン酸に代謝されるため、グルコースからグルクロン酸を作る手間が省けます。このため、甘草は肝臓の解毒作用を強化するといわれています。
効果③:アレルギーを抑制する効果
甘草のグリチルリチンは、抗アレルギー作用のあるコルチゾンに似た成分です。
強い抗ヒスタミン・抗アレルギー作用があるので、炎症を抑え、かゆみなどをとり除きます。接触性皮膚炎、じんま疹、薬物疹、花粉症などの症状に有効です。
その他の効果・作用
その他、甘草(かんぞう)の効果は幅広くあります。
- ストレスをやわらげる効果
- 免疫力を高める効果
- ホルモンバランスを整える効果
甘草・リコリス(Glycyrrhiza glabra)は、アーユルヴェーダや中医学でも活用され、伝統的に古くから、消化不良、胃・十二指腸潰瘍、咳、および婦人科系疾患に対して利用されてきているメディカルハーブです。内服だけでなく、外用でも、皮膚炎、やけど、口内炎、およびニキビなどに広く利用されています。
甘草(かんぞう)/リコリスの副作用や注意事項、禁忌など
カンゾウ根は、一般的に食物成分として摂取する場合は安全であると考えられていますが、長期間あるいは大量に摂取した場合は、血圧上昇やカリウム濃度低下などの重篤な副作用がみられる場合があります。
妊娠中・授乳中の人や高血圧の人、心臓や肝臓、腎臓、甲状腺に問題を抱えている人は使用を避けてください。
日常で摂取する機会が多いものだけに副作用を知っておくことが大切です。服用中のお薬とサプリメント・食品との併用など、気になることがあれば薬局でご相談ください。
甘草(かんぞう)別名リコリスのハーブとしての使い方
甘草(リコリス)は、砂糖の50倍〜80倍もの甘みがあるため単独で使うより、他のハーブとブレンドするなど、脇役として生きます。
脇役といっても甘草は漢方でも用いられる生薬ですから豊富な薬効を持っています。
ハーブティー(摂取方法1)
ハーブティーに使用するのは、根の部分です。甘みが強いため、単独では飲みづらいので、と他のハーブとのブレンドにもおすすめです。他のハーブの渋味や苦味を抑え、飲みやすくまとめるのがても得意です。
リコリスはかなり甘みが強いので、ブレンドに少量を加えるだけでもかなり甘くなります。
リコリス菓子(摂取方法2)
リコリス菓子を用いたお菓子に、リコリス菓子というものがあります。ヨーロッパやアメリカでは古くから親しまれていますが、その独特の味は日本人の味覚には合わないようです。
その他、しょう油、みそ、漬物、つくだ煮、清涼飲料水、キャンディ、魚肉ねり製品、氷菓、乳製品など、広範囲に使われている。
甘草(かんぞう)/リコリスのよくある質問
カンゾウ根は、一般的に食物成分として摂取する場合は安全であると考えられていますが、長期間あるいは大量に摂取した場合は、血圧上昇やカリウム濃度低下などの重篤な副作用がみられる場合があります。
トビシマカンゾウは、佐渡のほか、山形県酒田市の飛島と酒田海岸にしか生息しないユリ科の多年草で、平成17年に佐渡市の花に選定されました。
適切な対応がされれば、予後は良好です。 限度量を超えたら必ず副作用が起こるわけではありませんが、甘草の 1 日限度量は 7.5g(グリチルリ チンとして 300mg)と言われています。 通常であれば、限度量に達することは無いでしょう
まとめと研究情報
今回は、甘草(かんぞう)別名リコリスについてまとめました。衝撃的だったのは甘さが砂糖の50倍~80倍だということです。
ダイエットしたい人や糖尿病改善を悩んでいる人に注目されるでしょう。かつて甘いものはとびきりのご馳走でした。現代では甘いものが簡単に手に入りますが、糖質制限している人は、甘いものを控えるのは辛いですよね。
そこで、天然甘味料の代表格、甘草なら安心ではないかと考えますが、大量の甘草の摂取によって副作用が発生することもありますので、医師に相談するなど気を付けたいと思います。
おさらい
【効果】
- 活性酸素を除去する効果
- 肝機能を高める効果
- アレルギーを抑制する効果
- ストレスをやわらげる効果
- 免疫力を高める効果
- ホルモンバランスを整える効果
- ダイエット効果
【注意点・副作用・禁忌】
次の人は使用を避けてください。
- 妊娠中・授乳中の人
- 高血圧の人
- 心臓や肝臓、腎臓、甲状腺に問題を抱えている人
【摂り方】
- ブレンドハーブティー
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
グリチルリザグラブラLのアテローム保護効果
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35897875/
甘草はアテローム性動脈硬化症の予防と治療に有望な天然物です。甘草とその生理活性化合物は、抗炎症、抗サイトカイン、抗酸化、抗動脈硬化、抗血小板の作用を持ち、アテローム性動脈硬化の主要な段階に影響を与えます。研究により、甘草は血清中のコレステロール蓄積を減少させることが示され、心血管リスク因子の改善に寄与することが示されました。この情報は、甘草がアテローム性動脈硬化の予防と治療において有望な選択肢であることを示唆し、心血管疾患の重要な側面である早期介入に対する期待を高めています。
グリチルリザ・グラブラL由来のグラブリジンの殺菌活性と作用機序
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34681623/
この研究では、甘草から抽出されたグラブリジンというフラボノイドが、植物病原性真菌に対して有望な殺菌活性を持つことが明らかにされました。グラブリジンは10種類の真菌に対して殺菌活性を示し、特にEC50値が6.78 μg/mLであることが確認されました。さらに、実験ではグラブリジンが真菌の制御に効果的であることも示されました。メカニズム研究により、グラブリジンはホスファチジルセリン脱炭酸酵素の発現を影響し、活性酸素種の蓄積、ミトコンドリア膜電位の低下、細胞膜の破壊を誘導することが示されました。これらの結果は、グラブリジンが植物病原性真菌に対して顕著な殺菌活性を持つことを示し、将来の殺菌剤の候補として有望であることを示唆しています。
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