ヒソップはハッカのようなスーッとした香りがすることから日本では「ヤナギハッカ」という別名があるハーブです。
様々な効果や豊かな香り、可愛らしい見た目から、医療や調理、観賞用として様々な方法で古くから親しまれてきました。
今回は、そんなヒソップの気になる、
- 効果
- 副作用
- おすすめの楽しみ方
について、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアがまとめてみました。
さらに、ヒソップの育て方や、ハーブティーや芳香浴(アロマ)など、様々な楽しみ方についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
ヒソップの基本情報
名称 | ヒソップ |
英名 | Hyssop |
学名 | Hyssopus officinalis |
和名 | ヤナギハッカ(柳薄荷) |
分類 | シソ科ヤナギハッカ属 |
原産地 | ヨーロッパ南部〜西アジア |
成分 | ケトン類のカンファー、モノテルペン炭化水素類のピネン、酸化物類の1,8シネオールなど |
使用部分 | 葉、花 |
代表的な作用 | 抗炎症作用、抗菌・抗ウイルス作用、去痰作用、駆風作用、発汗作用、収れん作用など |
禁忌・注意事項 |
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使用方法 |
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ヒソップは、南ヨーロッパから西アジアを原産とする多年草で、昔から調理や医療、儀式などに使用されてきました。
聖書にもその名が書かれており、人間が最初に使用し出したハーブの一つとも言われています。
花や葉からは、甘さとスパイシーさのある香りがすることもあり、リキュールの香り漬けとしても使われていました。
夏になると可愛らしい小さな青紫色の花が咲き、品種によって白色やピンク色など様々な色の花が咲くため、観賞用としても親しまれています。
様々な方法で楽しまれるヒソップですが、刺激が強く、妊娠中や高血圧の人などが使用すると危険な可能性があるので、注意が必要です。
ヒソップの効果・効能・作用を解説
ヒソップは、優れた抗炎症作用や抗菌・抗ウイルス作用があるため、免疫力を高め、風邪の際の喉の痛みを抑え、痰や鼻詰まりを解消してくれる効果があると言われています。
さらに発汗作用もあるため、風邪の引き始めで熱が出ている際に、温かいヒソップのハーブティーを飲むといいと言われています。
- 抗炎症作用
- 抗菌・抗ウイルス作用
- 去痰作用
- 駆風作用
- 発汗作用
- 収れん作用
効果①:抗炎症作用
ヒソップに含まれるモノテルペン炭化水素類のピネンには、疼痛を緩和させ、炎症を抑える作用があります。
皮膚に擦り傷や切り傷ができた際に使用したり、また、打撲や痛み、火傷がある場合は、ヒソップの抽出液や抽出油をつけると炎症を抑えて症状を緩和させたりと、炎症が起きている際に使用することができます。
効果②:抗菌・抗ウイルス作用
ヒソップに含まれる1.8シネオールは強い感染力を持つインフルエンザに対しても免疫力を向上させることができます。
そのためインフルエンザ予防としても使用することができ、さらに鼻咽腔と扁桃炎の連鎖球バクテリアや細菌に対しても効果を発揮すると言われています。
また、ヘルペスができた時は、ヒソップの抽出液か抽出油を清潔なコットンに染み込ませたものを湿布すると効果的と言われています。
効果③:去痰作用
ヒソップに含まれるケトン類のカンファーには、粘液を溶かして痰を排出する作用があり、さらにヒソップの苦味の元となっているマルビインと言われる成分にも痰を切る作用があると言われています。
そのため、風邪や気管支炎など呼吸器系の感染症にかかり、咳や痰が絡んでいる時に使用すると症状を緩和してくれます。
効果④:その他
他にも、腸の中に溜まってしまったガスを排出してくれる駆風作用や、熱が出ている時に効果的な発汗作用、肌に使用すると肌を引き締める効果もあると言われています。
ヒソップの副作用や注意事項、禁忌など
ヒソップは様々な効果があると言われ、古くから治療に用いられてきました。
ただ、ヒソップの精油(アロマ)には、わずかですが末梢神経や中枢神経に影響を及ぼす可能性がある、神経毒性があると言われています。
そのため、高血圧の人やてんかん発作が生じる人の使用は避けた方がいいと言われています。
さらに、月経を促し流産を誘発させる可能性があると言われているので、妊娠中の使用も避けた方がいいでしょう。
ヒソップのハーブとしての使い方
ヒソップは、香りが強いと言われており、ハッカのような甘さとスーッとした香りがするハーブです。
芳香浴(アロマ)や沐浴など香りを楽しむ方法だけでなく、料理やハーブティーといった楽しみ方もできます。
芳香浴(アロマ)
芳香浴とは、精油(アロマ)の香りを空間に漂わせて楽しむ方法です。
アロマオイルと言われるものには、人工的な香料を使用しているものもありますが、芳香浴として使用する場合は、体への影響を考慮して、100%天然の精油を使用することをおすすめします。
芳香浴を行う際は、以下の状況に合わせて、使用するものを検討してみてください。
<パソコン作業中や勉強の間にそっと香らせたい時、狭い空間で使用する場合>
- アロマストーン(ストーンに精油を数的垂らす)
- マグカップ(マグカップにお湯を張り、精油を数的垂らす)
- ハンカチ(ハンカチに精油を数的垂らす)
<部屋全体に香らせたい時、広い空間で使用する場合>
- 超音波式アロマディフューザー(水に精油をたらし超音波で拡散させる)
- アロマポット(キャンドルで加熱)
- アロマランプ(電気を使用しランプで温めて使用)
沐浴
沐浴の際は、ヒソップの精油を使用して楽しむアロマバスと、ヒソップのハーブを使用して楽しむハーバルバスの2種類があります。
アロマバスの場合は、精油を使用しバスソルトやバスオイル、バスボムを作って浴槽に入れます。
<バスソルト>
◯材料(入浴1回分)
天然塩 大さじ2
精油 1-5滴
ドライハーブ (お好みで)
密閉できる容器
天然塩と精油をよく混ぜ合わせ、お好みでドライハーブを足して、密閉容器に入れて保存。使用する際は、浴槽のお湯に入れて混ぜる。
<バスオイル>
◯材料(入浴1回分)
キャリアオイル 小さじ2
精油 1-5滴
容器
ホホバオイルなど、お好みのオイルに精油を混ぜて、浴槽のお湯に混ぜて使用。
オイルはお好みのものを使用し、肌への刺激が気になる場合は精油の量を減らして調整する。
<バスボム>
◯材料(入浴1回分)
重曹 大さじ2
天然塩 大さじ2
クエン酸 大さじ1
精油 5滴
水 適量
霧吹き
ボールラップまたは型
重曹と天然塩、クエン酸と精油を混ぜ合わせ、霧吹きで少しずつ水を吹きかけて混ぜ合わせていく。
混ぜ合わせたら、ラップで包むか型に入れて形を整え、半日から1日寝かせる。
ハーバルバスの場合は、ハーブをそのまま浴槽へ入れる方法と、ハーブ入浴剤を入れる方法、ハーブソルトを入れる方法があります。
ハーブをそのまま浴槽へ入れる場合は、ティーバッグのような不織布や布の袋に入れて浴槽へ入れると掃除も楽なのでおすすめです。
<ハーブ入浴剤>
◯材料(500cc分)
ティーポット
保存容器
ドライハーブ 約10g
熱湯 500cc
ハーブティーを作る時と同様にティーポットにハーブを入れて熱湯を注ぎ抽出する。
抽出液を浴槽へ混ぜて入浴する。
<ハーブソルト>
◯材料
天然塩
ドライハーブ または フレッシュハーブ
密閉できる瓶
天然塩を炒り、ハーブを混ぜて合わせて、浴槽へ入れて入浴する。
ヒソップは呼吸器系の感染症に対し症状を緩和させる効果があると言われているので、風邪の引き始めや咳や痰でお困りの時に、沐浴はおすすめです。
料理
ヒソップは香りが強いハーブなので、古くから料理にも使用されてきました。
葉の部分は脂が多い肉や魚の料理に合うと言われており、若葉はサラダに混ぜて食べられたり、ドライハーブはスパイスとして使用されたりしています。
開花前の蕾がついた枝葉は香りがいいので、リキュールやビネガーの香り漬けとしても使用されています。
ハーブティー
ヒソップのハーブティーは、少し苦味がありますが、甘くハッカのような爽やかな香りがして、スッキリとした味わいです。
<ハーブティーの淹れ方>
- ティースプーン1杯のハーブをポットに入れる。
- ポットに熱湯を注ぎ3~5分蒸らす。
- ハーブを濾してティーカップに注ぐ。
ヒソップだけでハーブティーを楽しむのもいいですが、他のハーブティーとブレンドしても楽しむことができます。
ペパーミントやローズマリー、オレガノのハーブティーと相性がいいと言われているので、ぜひ試してみてください。
ヒソップのよくある質問
ヒソップについてよくある質問を調べてまとめてみました。
ヒソップは丈夫なハーブのため、比較的栽培しやすいと言われています。
湿気が苦手で、比較的乾燥しているアルカリ性の土を好むと言われています。
種まきは春か秋に行い、挿し木で増やすことができます。
湿気が苦手なので、地植えの場合は根付いてからは気温が高く土が割れるほど乾燥している時を除いて水やりは不要で、鉢植えの場合は乾燥したらたっぷりと水をやるようにします。
ヒソップをうまく育てるためのポイントとしては、よく日の当たる場所に植えることと、葉が蒸れないよう風通しをよくすることです。
ヒソップの精油は、他の精油とのブレンドでも楽しむことができます。
香りの相性がいいと言われているのは、
- 柑橘系
- クラリセージ
- ローズマリー
- ゼラニウム
- ラベンダー
- ジュニパー、ユーカリ
- ローレル
など、柑橘系やフローラルなもの、樹木系など様々な精油との相性がいいと言われています。
また、
- タイム
- ティーツリー
- ユーカリ
などの精油をヒソップの精油とブレンドすると気管支炎に効果的と言われているので、ぜひ試してみてください。
ヒソップのハーブティーや精油は、それぞれハーブ専門店やアロマ専門店で購入することができます。
わずかに神経毒性があり、高血圧やてんかん発作のある人、妊婦の使用はおすすめできません。
通販サイトでも購入することができますが、初めて使用する際に、使用上の注意点や自身の使用に不安があるようであれば、専門店にてスタッフに相談して購入を検討した方が安心です。
まとめと研究情報
ヒソップは、ハッカのような甘くスーッとした爽やかな香りで、呼吸器の感染症の改善や、皮膚の擦り傷や火傷などの症状の緩和など、生活に役立つハーブです。
高血圧やてんかん発作がある人、妊婦の場合などは、危険性があるため使用を避ける必要があり、使用方法には注意が必要ですが、この記事を参考に、上手に、そして効果的にヒソップを楽しんでみてくださいね!
おさらい
<効果・効能・作用>
- 抗炎症作用
- 抗菌・抗ウイルス作用
- 去痰作用
- 駆風作用
- 発汗作用
- 収れん作用
<副作用・禁忌・注意点>
- 高血圧の人や、てんかん発作がある人は使用を避ける
- 妊婦は使用を避ける
<使用方法>
- 芳香浴(アロマ)
- 沐浴
- 料理
- ハーブティー
研究情報
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21806885
このヒソップについての研究によると、ヒソップを飲用することで、Th1、Th2、Th17といったT細胞の転写レベルを調整することで抗炎症作用を起こすということがわかりました。
肺炎のラットにヒソップを飲用させたところ、白血球の分化や炎症に関係するGATA-3やSTAT-3のmRNAが減少し、リンパ球の一種であるTh1細胞を転写される因子であるT-betが増加していました。
つまり、ヒソップは抗炎症作用を有しており、T細胞の転写レベルを調節することで抗炎症作用を発揮しているということがわかりました。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。