ホップはヨーロッパやアジア西部を原産とするクワ科カラハナソウ属のハーブです。多年草のつる性植物で、長いものでは10mほどにまで成長します。
学名にある「Humulus」は大地を意味するラテン語「Humus」が語源で、ホップが地面につるを伸ばして成長していくことに由来しています。
今回の記事では、
- ホップの効能を知りたい
- 知っておくべき副作用などはある?
- ホップの摂取方法を知りたい
など、ホップについての基本情報からお楽しみまでをわかりやすく解説しています。
また、ホップのビールにおける役割や、ハーブティーの淹れ方などについても紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を参考にしてみてください。
ホップの基本情報
名称 | ホップ |
英名 | Hop |
学名 | Humulus lupulus |
和名 | セイヨウカラハナソウ(西洋唐花草) |
分類 | クワ科カラハナソウ属 |
原産地 | ヨーロッパ・アジア西部 |
成分 | フムロン、イソフムロン類、フィストロゲン、キサントフモール(フラボノイド)アミノ酸、エストロゲン物質、精油、苦味質 など |
使用部位 | 毬花(きゅうか)、花 |
代表的な作用 | 鎮静作用、抗酸化作用、抗がん作用、利尿作用、鎮痙作用、健胃作用、抗菌作用、抗炎症作用 など |
禁忌、注意事項 |
|
利用法 | ビール、ハーブティー、精油 など |
ホップはビールの原料として広く知られています。ホップは12世紀頃よりヨーロッパにて、ビールの原料として栽培され始めました。現在では日本でも栽培されており、北海道や東北地方などの寒冷地域で生産されています。
ホップは雄株と雌株が別々にある植物です。そのうちの雌株がビールの原料やハーブとして栽培されています。ビールの醸造やハーブに使用されているのは、毬花(きゅうか)と呼ばれる部位です。毬花に含まれるルプリンという樹脂成分は、ビール特有の苦味や風味の元となり、またハーブの効能をもたらします。
ホップの効果・効能・作用を解説
ビールで有名なホップですが、鎮静作用をはじめとする様々なハーブの効能があります。
- 鎮静作用
- ダイエット効果
- 婦人科系症状の緩和
ここではホップの代表的な効能について説明します。
効果①:鎮静作用
はじめに紹介する効能は鎮静作用です。
ホップの毬花に含まれるフムロンは、イライラや不安などの緊張感、不眠症状などを抑える効果があります。ホップは緩やかに神経に働きかけ、気持ちをゆったりと落ち着かせてくれます。
効果②:ダイエット効果
次に紹介する効能はダイエット効果です。
ホップの成分として含まれるイソフムロン類には、善玉コレステロールを増やす働きがあり、過剰なコレステロールを減らす作用もあります。また中性脂肪を減少させることから、ダイエットに効果的です。
効果③:婦人科系症状の緩和
3つ目に紹介する効能は、女性特有の症状を緩和する作用です。
ホップには、女性ホルモンと似た働きをするフィストロゲンが含まれています。フィストロゲンの摂取によって、生理痛や気分の落ち込みなどの月経前症候群や、更年期障害などの女性ならではの辛い症状を緩和させます。
その他の効果・作用
ホップには、代表的な3つの効果以外にも多くの効能や作用があります。
抗がん作用による前立腺がんや乳がんなどの癌の予防のほか、抗酸化作用、利尿作用、鎮痙作用、健胃作用、抗菌作用、抗炎症作用などの効果も期待できます。
ホップの副作用や注意事項、禁忌など
妊娠中・授乳中の方は摂取を控えましょう。また、ホップには強い鎮静作用があることから、うつ症状のある方は多量摂取に注意しましょう。
ホップのハーブとしての使い方
ホップは、ビールやハーブティーを楽しむことで手軽に成分を摂取できます。
ビール
ホップといえばビールです!暑い夏には冷えたビールがぴったりです。お仕事帰りやお風呂あがり、アウトドアに、しっかりと冷えた一杯をいただくのは格別なものです。
ホップの成分として含まれるキサントフモールには、抗がん作用があります。冷えたビールをいただきながら、しっかりとホップの成分を摂取できますよ。
ビールはワインや日本酒と同じ醸造酒です。そのため飲みすぎには注意しましょう。
ハーブティー
ホップはハーブティーとしてもおすすめです。独特な苦味があるため、苦手な方はハチミツなどを加えてアレンジすることで飲みやすくなります。
【ホップティーの淹れ方】
沸騰したお湯に乾燥させたホップの花を6~8個を入れ、2分から3分ほど蒸らしてからいただきます。
ホップティーにはリラックス効果があります。気分の落ち込みを感じるときや、眠れない夜などには、ゆったりとホップティーでひと息ついてみてはいかがでしょうか。
ホップのよくある質問
まず、ホップはビール特有の苦味や香りづけに用いられています。また、ホップの抗酸化作用によってビールの鮮度を保ちます。他にも、ルブロンという樹脂成分によって、ビールの泡立ちを良くする役割もあります。
ホップは精油としても利用できます。オンラインで購入できますので、気になる方は見てみてください。
ホップの生産地として有名な都道府県は岩手県です。とりわけ岩手県遠野市は、ホップの産地として知られています。
まとめと研究情報
今回はホップについて解説しました。
ホップには鎮静作用やダイエット効果、婦人科系症状の緩和をはじめとし、身体によい多くの効能があることがわかりました。そして、自宅で簡単にできるホップの摂取方法として、ビールを楽しむほか、ハーブティーの淹れ方についても紹介しました。
ホップについて興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
おさらい
【効果】
- 鎮静作用
- ダイエット効果
- 婦人科系症状の緩和
【注意点・副作用・禁忌】
- 妊娠中・授乳中の方は摂取を控えましょう。
- うつ症状のある方は多量摂取に注意しましょう。
【おすすめの取り方】
- ビール
- ハーブティー
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
不眠症を治療するためのバレリアンホップの組み合わせとジフェンヒドラミン:無作為化プラセボ対照臨床試験
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16335333/
この研究では、バレリアンホップとジフェンヒドラミンの軽度の不眠症治療効果と安全性を評価しました。結果は、バレリアンホップとジフェンヒドラミンがプラセボと比べてわずかな睡眠改善をもたらすことを示しました。バレリアンホップは睡眠潜時にわずかな影響を示し、ジフェンヒドラミンは睡眠効率を改善しました。どちらの治療も安全で、中止後のリバウンド不眠症は見られませんでした。バレリアンホップは生活の質を改善する傾向があり、これらの補助剤が軽度の不眠症治療に有用である可能性を示唆しています。
更年期の不快感を軽減するための標準化されたホップ抽出物の使用に関する最初の前向き無作為化二重盲検プラセボ対照試験
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16321485/
この研究では、更年期の女性に対して8-プレニルナリンゲニン(8-PN)を含むホップ抽出物を評価しました。結果からは、ホップ抽出物の摂取が血管運動症状や他の更年期の不快感を改善する可能性が示唆されました。特に、100マイクログラムの治療が最も顕著な効果を示しました。この研究は、植物エストロゲンである8-PNが更年期の不快感の緩和に有望であり、代替治療の選択肢として検討されるべきであることを示唆しています。
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