ハッカは数千年の歴史を持ち、生薬として利用されていた歴史上最も古い栽培植物のひとつです。日本でも馴染みが深いハッカは、シソ科ハッカ属の植物です。
オホーツク海にほど近い北海道の滝上町は日本一のハッカの生産地であり、全国の和ハッカの9割を生産していました。ハッカはメントール成分を多く含み、ミントの一種で、生活に根付いているハーブと言えるでしょう。
「ハッカとミントとは何が違うの?」という疑問がわきますが、日常でなじみの深いハーブの一つであるミントは、シソ科ハッカ属の総称です。ミント全般をさして「薄荷(ハッカ)」ということもありますが、厳密にいうと「薄荷(ハッカ)」はミントの品種のひとつで、日本で自生している和種のものです。
今回の記事では
- ハッカの効果・副作用について知りたい
- ハッカの種類について知りたい
- ハッカの使い方について知りたい
このような3点でハッカについて効果効能を解説していきますので、参考にしてください。
ハーブについてさらに詳しく知りたい方はこの記事は。ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアの記事をご覧ください。
ハッカの基本情報
名称 | ハッカ (薄荷) |
英名 | Mentha Herb |
学名 | Mentha × piperita |
和名 | 和ハッカ |
分類 | シソ科 ハッカ属 |
原産地 | ヨーロッパ、 アメリカ、インド |
主要成分 (100g当たり) | L-カルボン L-メントール、メントフラン L-メントール |
使用部位 | 葉 |
代表的効能 | カクテル、ハーブティー ガム、ハーブティー、歯磨き粉、虫よけ ガム、ハーブティー、歯磨き粉、虫よけ |
利用法 | ・3歳未満の乳幼児、妊婦、授乳中の産婦、神経系の弱い方や老人、てんかんの方は使用を避ける。 |
ハッカは世界中で古くから利用されてきたハーブのひとつである「ミント」の和名で、シソ科ハッカ属の多年生植物です。
ハッカの栽培は古代ギリシャに始まり、その後、世界各国に広まったといわれています。古代ギリシャの医学者で「医学の父」といわれるヒポクラテスの医学書に健胃薬や気付け薬としてミントが登場しています。
世界中で品種改良が行われていますが、自然雑種も多く存在します。品種として認められているものだけでも100種類以上存在し、それ以外の雑種も含めると数百種類になるといわれています。
古くから食用や薬用として利用されているほか、香りを楽しむためにも使われ人々に親しまれてきました。
主な利用部位は葉で、葉から抽出した精油をアロマオイルやエッセンシャルオイルとして利用するほか、乾燥させた葉はハーブティーなどに使われます。
ハッカの効果・効能・作用を解説
ハッカは古くから食用や薬用として利用されているほか、香りを楽しむためにも使われ人々に親しまれてきました。
ハッカの健康効果を次のように説明していきます。
- 胃腸の機能を高める効果
- リラックス効果
- 殺菌・消毒効果
効果①:胃腸の機能を高める効果
ハッカに含まれるメントールには胃の働きを活発にする働きがあり、消化不良の改善に効果があり、腸内ガスの排出を促す作用があります。
スペアミントの主成分であるカルボンにも、消化液の分泌を促して胃を健康に保つ効果があります。胃の健康を保ちたい方や腸内環境を整えたい方には最適です。
効果②:リラックス効果
不安を感じたときやイライラしているときなどにハッカのハーブティーを飲むと気持ちを穏やかにする鎮静作用があります。
気分を鎮める働きから不眠の改善にも効果があり、また、頭をすっきりさせて気分をリフレッシュさせる効果があります。
心を落ち着かせたい方、リフレッシュしたい方はハッカを活用してください。
効果③:殺菌・消毒効果
ハッカは古くから石鹸やシャンプー、歯磨きにも使われてきましたが、ハッカには殺菌作用があり、皮膚炎や虫さされのかゆみに効果があります。
ハッカには殺菌作用があり、皮膚炎や虫さされのかゆみに効果があります。古くから石鹸やシャンプー、歯磨きにも使われてきましたが、これらはハッカの持つ抗菌作用を利用したものです。
その他の効果・作用
ハッカには痛みを緩和する作用があり、ハッカ油を肌にぬると打ち身や肩こりなどの改善に効果を発揮します。他にも乗り物酔いを軽減させる働きがあります。
ハッカ油は粘膜への刺激が強いため、肌にぬる際は注意が必要です。ハッカには殺菌作用があり、皮膚炎や虫さされのかゆみに効果があり、かゆみを抑えたい方に効果があります。
ハッカの副作用や注意事項、禁忌など
3歳未満の乳幼児、妊婦、授乳中の産婦、神経系の弱い方や老人、てんかんの方は使用を避けてください。
また、3歳以上の乳幼児、高血圧症の方は長期間、継続的、広範囲に多量の使用を避けることが必要です。
ハッカのハーブとしての使い方
ハッカは、主にハーブティーや料理の香り付けや飾り付けとして摂取します。以下詳しく解説します。
ハーブティー(摂取方法1)
乾燥させた葉はハーブティーなどに使われます。
ハーブティーとして楽しむ場合は「新鮮な葉」もしくは「乾燥させた葉」どちらも利用可能です。
新鮮な葉を利用する場合
ミントの葉を一掴み程度(10g)とワンカップのお湯を(180~200ml)をポットに入れて1~2分間蒸らします。
蒸らす間はポット蓋をきちんと閉めておかないと香り(揮発性分)が抜けて美味しくなくなるので注意して下さい。
蒸らし終わったらポットのハーブティーをカップに移します。その際、お好みで蜂蜜やレモン等を加えるのもいいでしょう。
乾燥させた葉を利用する場合
上記の手順で葉の量を1g程度にします。
ニホンハッカの葉は、メントール特有の爽やかで清涼感ある香りが特徴のため「ハーブティー」にして飲用されます。
料理の香りづけに(摂取方法2)
「ケーキ」や「ゼリー」等に香り付けや飾り付けに使います。
ハッカのよくある質問
和ハッカは、昔から日本で栽培されている品種。ペパーミントやスペアミントは、江戸時代以降に輸入されたとされるハッカ です。
ニホンハッカは和種ハッカとも呼ばれているハーブで、育て方はとても易しく、乾燥や寒さに強い植物です。清涼感のある香りが特徴で食用にもなります。
生命力がとても強いので、地植えにすると増えすぎて雑草化するほどです。乾燥に強い多年草で、5~8月頃に白やピンクの花を咲かせます。小さな花が茎を囲むようにたくさん咲き、草丈は50cm程度です
ニホンハッカは、ハーブティーや料理の香りづけ、ドライハーブやポプリなど様々な用途に利用できます。
まとめと研究情報
ハッカの効果・副作用についてまとめました。ニホンハッカは、数あるミント類の中でも最もメントールの含有量が多く、清涼感のある爽やかな香りがします。
古くから食用や薬用として利用されているほか、香りを楽しむためにも使われ人々に親しまれてきました。
ハッカの健康効果は、胃腸の機能を高める効果、リラックス効果、殺菌・消毒効果などあり、とても親しみやすく生活の中で使われているハーブです。
おさらい
【効果】
- 胃腸の機能を高める効果
- リラックス効果
- 殺菌・消毒効果
【注意点・副作用・禁忌】
- 3歳未満乳幼児、妊婦、授乳中の産婦、神経系の弱い方は使用を避ける
- 3歳以上の乳幼児、高血圧症の方は広範囲に多量の使用を避ける
【おすすめの摂取方法】
- ハーブティー
- ポプリ
- 料理の香りづけ
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
動物モデルにおけるアニサキス症に対するペパーミント(ハッカピペリタ)およびアルベンダゾール
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25330410/
実験では、ペパーミントEOとその主成分がアニサキス幼虫に対してアルベンダゾールよりも効果的であることが示されました。ラット実験では、ペパーミントEOで治療されたラットには胃腸病変が検出されず、アルベンダゾールで治療されたラットには46.7%で病変が見られました。この研究は、アニサキス症治療においてペパーミントEOの有望性を示唆しています。
揮発性テルペンと脳機能:中枢神経系機能に関連するin vitro特性を有するハッカ×ピペリタL.エッセンシャルオイルの認知および気分効果の調査
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30087294/
この研究では、ハッカスピカタ(スペアミント)とハッカピペリタ(ペパーミント)のエッセンシャルオイルのヒトの認知と気分への影響を評価しました。エッセンシャルオイルは神経伝達物質受容体結合とアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害の特性を持っていました。24人の参加者に単回投与し、高用量のエッセンシャルオイルは認知課題のパフォーマンスを改善し、疲労を軽減しました。この研究は、ペパーミントエッセンシャルオイルが認知課題の遂行能力を向上させ、精神的疲労を軽減する可能性があることを示唆しています。
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