ジンセンとは朝鮮人参とも言われます。栽培が難しいため、古くから高値で取引されていました。また、身体的、精神的な健康に効果を持ち、「漢方の王様」とも言われています。
今回の記事では、
- ハーブとしてのジンセンの効果や副作用を知りたい
- ジンセンの美味しい摂り方を知りたい
- 効果のエビデンスや実例などを知りたい
これらについて、まとめています。
また、ジンセンについて、他の人が持った疑問や回答なども解説しているので、是非読んでみてください。
なお、ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、下記のサイトも、是非参照してみて下さい。
ジンセンは酒に漬けたり、煎じてお茶にしたり、根っこを天ぷらにするなど様々な摂取方法があります。また、滋養強壮に良いとされる韓国料理に「参鶏湯(サムゲタン)」がありますが、ジンセンが使われているため「食べる漢方薬」ともいわれています。ぜひ一度お試しください。
ジンセンの基本情報
名称 | ジンセン |
英名 | ginseng |
学名 | Panax ginseng |
和名 | 朝鮮人参 |
分類 | ウコギ科トチバニンジン属 |
原産地 | 中国から朝鮮半島にかけて |
主要成分 (100g当たり) | 文部科学省の七訂食品標準成分表には記載が無く、各栄養成分の含有量は分かりません。 |
使用部位 | 根 |
代表的効能 | 低血圧を予防する効果 動脈硬化を予防する効果 脳の機能を改善する効果 |
利用法 | ジンセン茶 ジンセン酒 |
ジンセンは、中国ではその高い薬効から秦の始皇帝が愛飲したといわれ、今日に至るまで数千年に渡って飲用されてきました。
日本では、天平11年に渤海文王の使いが、聖武天皇にジンセン30斤を奉呈したという記録が残されています。
江戸時代に幕府がジンセンの栽培を奨励し、各藩に種子が分譲されたことで、オタネニンジン(御種人参)とも呼ばれています。
韓国では5月8日を両親を敬う父母の日として、日頃の感謝を伝える日とされていますが、この日にジンセンを贈ることで、両親へ日頃の感謝や健康を願う気持ちを伝えています。
ジンセンの効果・効能を解説
ここでは、ジンセンの代表的な効果について説明していきます。
ジンセンの効果・効能としては、①低血圧を予防する効果、②動脈硬化を予防する効果、③脳の機能を改善する効果、などが挙げられます。以下、順に解説していきます。
効果①:低血圧を予防する効果
ジンセンに含まれるサポニンには、自律神経を調整する働きがあるため、副交感神経の緊張を鎮め、低血圧を予防する効果があります。
効果②:動脈硬化を予防する効果
ジンセンは中性脂肪の値を下げ、コレステロールの分解・排出を促進するため、動脈硬化を予防する効果があります。
効果③:脳の機能を改善する効果
ジンセンに含まれるサポニンの一種ジンノセサイドが、外界や体内の刺激を受け取る脳内受容体を刺激し、加齢による認知機能の低下を防ぐ効果が期待されています。
その他の効果・作用
ジンセンには、ジンノセサイドという成分が含まれ、これが自律神経を整えることで、心身症や全身の倦怠感、イライラといった症状をやわらげる効果があります。
また、ジンセンには、風邪やインフルエンザなどの感染症を予防する効果があります。
さらに、ジンセンには血管を広げることで血液の流れを良くし、全身に血液を循環させることで、冷え性を改善する効果があります。
ジンセンの注意事項や副作用など
不眠症(睡眠障害)はジンセンで最も多くみられる副作用です。
また、ジンセンが血糖値に影響することを示唆するエビデンスが得られています。糖尿病の人は、医師に相談しましょう。
ジンセンの使い方
ジンセンは、自宅で手軽に摂取できます。ここでは簡単にできるジンセン茶の淹れ方や、ジンセン酒の作り方について紹介します。
ジンセン茶として飲む
ジンセンを弱火で煮て作るお茶です。独特の苦味と匂いで非常にクセのある味がしますが、 韓国では万能薬として愛飲され、滋養強壮、貧血に効果があると言われています。
ジンセン酒として飲む
ジンセンの香りがほんのり漂う漬け込み酒です。薬草のような味がするので慣れてない人は苦手に感じるかもしれません。飲みにくい時は、梅酒やレモン酒とブレンドし、カクテルにするとよいでしょう。
ジンセンのよくある質問
主に根っこを使用する点は共通しますが、いびつさがある朝鮮人参に対し、普通の人参はオレンジ色で比較的なめらかな円錐型となります。 また、見た目だけでなく、植物の種類としても異なり、朝鮮人参はウコギ科、普通の人参はセリ科の植物です。
ジンセンの摂取量に明確な基準はありませんが、ジンセンを煎じて飲む場合は、1.5~5gが1日あたりの目安になります。 健康な方であれば、高麗人参を飲んでも副作用はほとんどありません。
ジンセンは低血圧症にも優れた効果を発揮します。 緊張状態の副交感神経を和らげ、自律神経のバランスを正常にすることで血圧値を上昇させます。
まとめと研究情報
今回はジンセンについて解説しました。
ジンセンは、低血圧を予防する効果、動脈硬化を予防する効果、脳の機能を改善する効果など、たくさんの効能のあるハーブです。
この記事では、自宅でも簡単にできるジンセン茶の淹れ方や、ジンセン酒の作り方についても紹介しました。
興味のある方はぜひ記事を参考にしてみてください。
おさらい
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
メタボリックシンドロームの男性における末梢血ミトコンドリアDNAコピー数とホルモンに対する高麗人参の影響:無作為化臨床およびパイロット研究
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26860800/
高麗人参の研究では、ミトコンドリア機能の向上、テストステロンとIGF-1の増加、血圧とコルチゾールの低下がみられました。研究は、62人のメタボリックシンドローム男性に対し、3.0g/日のRGまたはプラセボを4週間投与して観察しました。この結果、RGがメタボリックシンドロームの男性のミトコンドリア機能とホルモンに良い影響をもたらす可能性が示唆された。
高麗人参ベリー抽出物は、血管内皮細胞の一酸化窒素レベルを増加させ、筋肉細胞のcGMP発現と血液循環を改善する
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30343553/
研究では高麗人参ベリー抽出物が、ヒト細胞で一酸化窒素とcGMPレベルを正常化し、血液循環を改善することがin vitroで示されました。健康な参加者への投与後も、血管スクリーニングで改善が確認され、炎症関連分子の過剰発現も低下する結果となりました。高麗人参ベリーは血行障害の人に有益で、足首上腕圧指数も増加しました。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。