ガーリックはユリ科ネギ属の多年草で、中央アジアを原産とするハーブです。古くから古代エジプトなどで栽培されており、現在では世界中で栽培され、主に香辛料として使われています。
和名「にんにく」の語源は仏教用語の「忍辱(にんにく)」に由来するといわれ、僧侶たちが修行のために体力を養おうと食べたという一説があります。
今回の記事では、
- ハーブとしてのガーリックの効果や効能は?
- ガーリックの美味しい摂取方法は?
- ガーリックを摂取するのに注意点はある?
など、ガーリックについての基本情報からお楽しみまでをわかりやすく解説しています。
また、ガーリック特有の臭い対策や一日あたりの摂取量の目安などのお役立ち情報も紹介してますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を参考にしてみてください。
ガーリックの基本情報
名称 | ガーリック |
英名 | garlic |
学名 | Allium sativum |
和名 | にんにく |
分類 | ユリ科ネギ属 |
原産地 | 中央アジア |
成分 | アリシン(アリイン、スコルジニン)、タンパク質、ビタミンB1、B2、B6、カリウム など |
使用部位 | 球根、葉、茎、芽 |
代表的な作用 | 疲労回復、動脈硬化の予防、新陳代謝の向上、抗菌作用、殺菌作用、抗酸化作用、コレステロール低下 など |
禁忌、注意事項 | 摂取し過ぎに注意しましょう。 授乳中の方は母乳に配慮して摂取するようにしましょう。 |
利用法 | 料理、香辛料、ハーブティー など |
ガーリックは多くの品種があり、国内だけでも50品種近くもの種類があります。世界中で栽培されているガーリックですが、日本では青森県がにんにくの産地として有名で、7割近くものシェアを占めています。
ヨーロッパなどでは古くから魔よけのハーブとして信じられ、人々は悪い邪気を取り払ってくれるお守りとして身に付けていたといわれています。また、人々を病から守り、天災などの災害を防ぐとも信じられてきました。
現代においてもガーリックは普段の食事に取り入れやすく、多くの効能があることから世界中で多くの人に親しまれています。
ガーリックの効果・効能・作用を解説
ガーリックには、生活習慣病や感染症の予防、美肌効果などのたくさんの効能があります。
- 疲労回復の効果
- 動脈硬化の予防
- 新陳代謝の向上
ここではガーリックの代表的な効能について説明します。
効果①:疲労回復の効果
ガーリックには疲労回復の効果があります。
成分として含まれるアリシンは、にんにく特有の香りを放つ成分です。もともとアリインという成分ですが、ガーリックを切ったり刻んだり調理することで変化してできます。
アリシンは、身体の活力源となるビタミンB1と結合することで、ビタミンB1の効果を持続させる働きをします。ガーリックを摂取することで、体内の活力を維持でき疲労を回復させられます。
効果②:動脈硬化の予防
ガーリックには動脈硬化の予防に効果があります。
効果①で紹介した成分アリシンは、コレステロール値の上昇を抑えて血液をサラサラにし、善玉コレステロールを増やす働きがあります。その結果、血液の凝固や血栓を予防ができ、動脈効果の予防につながります。
動脈硬化を防ぐことで、心筋梗塞や脳梗塞の予防につながります。
効果③:新陳代謝の活性化
ガーリックには新陳代謝を活性化させる効果があります。
ここまで紹介してきた成分アリシンは、加熱することでスコルジニンという成分に変化します。スコルジニンは、体内の細胞を活性化させることで新陳代謝を活発にします。
その結果、血行促進や冷え性の改善にも効果が期待できます。
ガーリックの副作用や注意事項、禁忌など
ガーリックは、体に刺激のある成分によって胃腸の不調につながることがあるため、摂取のし過ぎに注意しましょう。
また、授乳中の方も摂取量や授乳時間などの配慮が必要です。にんにくの独特な香りによって、お母さんの体や母乳の臭いが変化してしまうため、赤ちゃんが授乳を嫌がることがあるようです。
ガーリックのハーブとしての使い方
ガーリックは、お料理に使える香辛料として手軽に摂取できます。ここでは作り置きに便利なガーリックバターやにんにく酢の作り方を紹介します。
1 ガーリックバター
定番ご自宅で簡単にできるガーリックバターのレシピを紹介します。冷蔵庫に常備しておけば、忙しい朝にもいただけるガーリックトーストから、パスタや蒸し物などのメインディッシュまで、ワンランク上の手料理を手軽にアレンジできますよ!
【ガーリックバターのレシピ】
〈材料〉
- にんにく(すりおろし) 2かけ分
- バター 100g
- パセリ 小さじ1
〈作り方〉
- バターを常温に戻してなめらかになるまで混ぜます。
- すりおろしたにんにくとパセリを加えて混ぜ合わせます。
- お好みの大きさに分けて、冷蔵庫で冷やして出来上がりです!
2 にんにく酢
お酢に漬けておくだけで簡単にできるにんにく酢の作り方を紹介します。
【にんにく酢のレシピ】
〈材料〉
- にんにく 2個
- お酢 200cc
※ 事前の準備として、瓶は煮沸消毒しておきましょう。
〈作り方〉
薄皮をむいて水洗いしたにんにくを瓶に入れ、お酢を入れて冷蔵庫で保管します。2週間から、お好みで一か月くらい漬けることで味がついて食べ頃になります。
お酢は米酢のほか、黒酢やリンゴ酢などお好みにより選べます。また、赤唐辛子を加えてみるとピリ辛風味にも仕上がりますよ!
ガーリックのよくある質問
ガーリックの一日あたりの摂取量について決まりはありませんが、一般的には一日1粒から2粒までが目安とされています。
ガーリックを電子レンジで加熱してから調理することで、成分の変化により臭いを抑えることができます。また、ガーリックを摂取する前にコップ一杯の牛乳を飲んでおくことで、食後の臭い対策になるといわれています。
はい、ガーリックの主要成分であるアリシンは、ガーリックを切ったり刻んだりすることでアリインという成分が変化してできるものです。また、アリシンは加熱することでスコルジニンという成分にも変化します。
まとめと研究情報
今回はハーブのガーリックについて解説しました。
ハーブは疲労回復や動脈硬化の予防、新陳代謝の活性化など、たくさんの効能のあるハーブです。
また、この記事では自宅で簡単にできるガーリックバターやにんにく酢の作り方についても紹介しました。興味のある方はぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
おさらい
【効果・効能】
- 疲労回復の効果
- 動脈硬化の予防
- 新陳代謝の活性化
【注意点・副作用・禁忌】
- 摂取し過ぎに注意しましょう。
- 授乳中の方は母乳に配慮して摂取するようにしましょう。
【おすすめの摂り方】
- ガーリックバター
- にんにく酢
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
低温熟成ニンニクがマウスの運動パフォーマンスと疲労に及ぼす影響
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31339799/
ガーリックの研究では、低温熟成ニンニク(LTAG)がマウスの運動誘発疲労に対して効果的で、持久力運動をサポートする可能性を示唆しています。LTAG給餌したマウスでは走行時間が延長し、血中パラメータにも有意な違いが見られました。また、グリコーゲン蓄積を増加させることで抗疲労活性があると考えられます。LTAGは薬理学的抗疲労剤としての潜在的な価値を持つと結論づけられました。
腸内細菌叢とトリメチルアミン-N-オキシド調節による生ニンニク中のアリシンによるアテローム性動脈硬化症の改善
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35087050/
ガーリックの研究では、生のガーリックジュースのアリシンが腸内細菌叢を調整することでCVDリスクを軽減する効果を確認しました。リシンはTMAOを減少させ、アテローム性動脈硬化に対する効果を示しています。人間の被験者でも、ニンニクジュース摂取がTMAO形成を抑制し、有益な腸内細菌を増加させる結果が得られました。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。