エキナセアは北アメリカ原産の多年草で、種子頭部がハリネズミのように見えることから、ギリシャ語の「エキノス(ハリネズミの意)」が語源となっています。
400年前からネイティブ・アメリカンによって、免疫力を高め感染症を治療するハーブとして利用されており、欧米では今でもサプリメントや自然療法薬として重宝されています。
この記事では、そんなエキナセアの
- 効果
- 副作用
- おすすめの楽しみ方
について、わかりやすく説明します。
エキナセアの育て方や歴についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
エキナセアの基本情報
名称 | エキナセア、パープルコーンフラワー |
英名 | Echinacea |
学名 | Echinacea angustifolia,purpurea,pallida |
和名 | ムラサキバレンギク(紫馬簾菊) |
分類 | キク科ムラサキバレンギク属 |
原産地 | 北アメリカ |
成分 | イヌリン、フラボノイド、ビタミンC、ヘテロキシラン |
使用部位 | 葉、茎、花、根(特に根) |
代表的な作用 | 風邪などの感染症の予防・治療効果 抗癌作用 美肌効果 |
使用方法 |
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7~10月頃には紫の花が咲くエキネセアは、花の中央が盛り上がっていてハリネズミ棘のように見えることから、ギリシャ語でハリネズミを意味する「エキノス」と名付けられました。
日本では「ムラサキバレンギク(紫馬簾菊)」と名付けられており、キク科に分類されています。
アメリカ先住民が400年前から病気の治療として使用しており、現在でも欧米を中心に医薬品やサプリメントとして利用されています。
エキナセアの効果・効能・作用を解説
エキナセアには、風邪などの感染症の予防や治療、抗ガン作用、美肌効果と、現代人にとって、とても役に立つ効果があるとされています。
- 風邪などの感染症の予防・治療効果
- 抗癌作用
- 美肌効果
効果①:風邪などの感染症の予防・治療効果
エキナセアには、糖たんぱくや揮発油フラボノイド類など、免疫を活性化させる物質が含まれています。
コネチカット大学のクレイグ・コールマン博士の論文によれば、エキナセアを服用すると風邪を引くリスクが58%低下し、風邪を引いたとしても、期間が1.4日短縮するという論文を発表しています。
また、医学誌Hindawiでは、エキナセアがウイルス性の風邪を防止する効果がある可能性が報告されています。
そのため、エキナセアを摂取することにより、風邪、または泌尿器系やヘルペスなどの感染症に効果があると言われています。
効果②:抗がん作用
エキナセアには、がん細胞を攻撃するNK細胞を活性化される物質が含まれていると言われています。
カナダでの研究では、マウスに1週間エキネセアを投下したところ、体内のNK細胞が2.5倍に増加したと報告されています。
また、ドイツのミュンヘン大学における研究でも、エキナセアを摂取し続けると、NK細胞が増加したことが報告されおり、エキナセアには抗がん作用があるとされています。
効果③:美肌効果
エキナセアには、皮膚の機能を良好にし、美肌効果を促進させる成分が含まれています。
2017年の日本皮膚科学学会の発表によると、エキナセアの抗炎症作用は、アトピー性皮膚炎の症状を緩和させる働きを持つと報告されています。
さらに、湿疹患者628人にエキネセア含有軟膏を塗ったところ、517人が7日以内に完治した例もあり、エキナセアには皮膚疾患の症状を緩和させ美肌に導く作用があるようです。
エキナセアの副作用や注意事項、禁忌など
エキナセアには免疫系に作用する物質が含まれているため、ドイツでは、結核、白血病、HIVなど進行性の全身性疾患の方の服用は禁じられています。
また、EMEA(欧州医薬品審査庁)では1歳未満の幼児の服用を禁止しており、ドイツでは、6歳以上の子供に対して、成人使用量の半分から3分の2の量を服用するよう勧めています。
イギリスでも、アレルギー反応や喘息などの副作用の可能性があるとして、12歳以下の子供の服用は避けるべきとされています。
大人でも、キク科の植物にアレルギー反応がある方や、喘息・アトピーを持つ方は、アレルギー反応を起こす可能性があるため、使用は避けた方がいいでしょう。
妊娠中や授乳中の使用についての悪影響は報告されていませんが、服用に際してはあらかじめ医師に相談することをおすすめします。
エキナセアのハーブとしての使い方
エキナセアはサプリメントやハーブティーとして、利用されています。
サプリメント
免疫力を高める効果があるとされ、ネット通販などでエキナセアのサプリメントが販売されています。
エキナセアのサプリメントを摂取する際は、2週間続けた後に1週間休むサイクルを続けると効果的と言われています。
なお、8週間以上連続で摂取するのは、効果が薄れるためご注意ください。
ハーブティー
エキナセアのハーブティーはクセがなく飲みやすいと言われています。
<ホットの場合>
- ティースプーン1杯のエキナセアをポットに入れる。
- 180~200ccのお湯をポットに注ぎ、3~5分蒸らす。
- ハーブを濾してカップへ注ぐ
<水出しの場合>
エキナセア7gを、ミネラルウォーター500ccの中に入れ、4~10時間、常温で抽出。
ホットでもほとんど渋みはありませんが、水出しだと、さらにさっぱりとした味わいを楽しむことができます。
クセがないため、ハチミツやレモンを加えて飲んだり、他のハーブティーとブレンドして楽しんだりするのもおすすめです。
エキナセアのよくある質問
エキナセアのよくある質問について調べてまとめてみました。
エキナセアを育てるときは、水はけの良い土を選び、日当たりと風通しのいい場所で育てましょう。
多年草で大きくなるため、株と株の間には十分なスペースを確保しておくのがおすすめです。
鉢植えの場合はたっぷりとした水を与え、庭に地植えする場合は水やりはほどんど要りません。
エキナセアは、400年も昔から、ネイティブ・アメリカンによって伝染病に罹ったときや毒蛇に噛まれたときの治療薬として重宝されていました。
また、歯の痛み、風邪や伝染病の薬としても用いられ、その頃からハーブティーとしても嗜まれて来たと言われています。
1870年にはアメリカの町医者H.C.Fマイヤーが、ネイティブ・アメリカンから使用法を学び、治療に活用したことで、一躍有名なハーブとなりました。
その後戦後ドイツで科学的研究が進み、免疫力を高めるハーブとして、欧米植物療法において確固たる地位を占めるようになりました。
日本には昭和初期に伝わり、各地で栽培が開始されました。現在では主に埼玉県や千葉県で栽培されており、特に埼玉の「寄居エキナセア」は有名です。
エキナセアはサプリメントやハーブティーとして利用されています。
サプリメントはネット通販やドラッグストアで、ハーブティーもネット通販、またはハーブティー専門店で購入することができます。
サプリメント、ハーブティーも初めての使用で副作用など不安がある場合は、ドラッグストアや専門店などでスタッフに相談して購入することをおすすめします。
まとめと研究情報
エキナセアは、風邪などの感染症の予防・治療効果や、抗がん作用、美肌効果など、私たちの体に良い影響を与えてくれる作用がたくさんあります。
ただ、キク科のアレルギーや喘息・アトピーがある方には副作用が出る可能性があり、注意も必要です。
この記事をしっかり読んで、正しい使用方法で安全に、かつ効果的にエキナセアを日常生活に取り入れてみてくださいね。
おさらい
<効果・効能・作用>
- 風邪などの感染症の予防・治療効果
- 抗癌作用
- 美肌効果
など
<副作用・禁忌・注意点>
- キク科の植物にアレルギー反応がある方や、喘息・アトピーを持つ方は、アレルギー反応を起こす可能性あり
- 妊娠中や授乳中の使用は医師に相談すること
<使用方法>
- サプリメント
- ハーブティー
研究情報
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22229040?dopt=Abstract
このエキナセアの研究では、長距離フライトに伴う呼吸器症状の発症を予防する効果があることが示されました。
オーストラリアからアメリカ、ヨーロッパ、アフリカにエコノミークラスで1〜5週間滞在した175人に対して、エキナセア根抽出物 (アルキルアミド4.4 mg) を1日に1~2粒を2回摂取させたところ、帰国の際の呼吸器症状が抑制されていることがわかりました。
つまり、エキナセアは呼吸器症状の発症を予防する効果があるという研究データです。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21062330
このエキナセアの研究では、エキナセアおよびセレン、亜鉛、アスコルビン酸を摂取することでCOPDの症状悪化を抑制することが示されています。
108人の平均65.8歳のCOPD患者の男性に対し、14日間プラセボ群とエキナセア(セレン、亜鉛、アスコルビン酸)群で投与したところ、プラセボ群よりもエキナセア群の方がCOPDの症状悪化が抑えられていることがわかりました。
つまり、エキナセアはCOPDの症状悪化を抑制する効果があるという研究データです。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。