ディルは紀元前4000年代にシュメール人によって栽培されており、とても歴史が深いハーブです。紀元前1550年には古代エジプトの医学書に頭痛を和らげる作用が記載されていたり、後に膵臓を強化する働きや、鼻水を抑える働きがある事が発見されています。
今では色々な料理やティーで活躍するディルですが、今回は
- ディルの効能は?
- 副作用はある?
- おススメの飲み方は?
の3点を中心にまとめてみました。成分もかなり含まれていて美容にもいいという情報もあります。興味がある方は是非最後までご覧ください。
ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を参考にしてみてください。
ディルの基本情報
名称 | ディル |
英名 | Dill |
学名 | Anethum graveolens |
和名 | enoldo |
分類 | セリ科イノンド属 |
原産地 | 西南~中央アジア |
主要成分 (100g当たり) | ナトリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、ビタミンD、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、葉酸等 |
使用部位 | 花、葉、茎、種 |
代表的効能 | 食欲不振、嘔吐、下痢、腹痛、睡眠効果、リラックス効果 |
利用法 | ・ハーブティー ・ピクルスやカルパッチョ等の様々な料理 |
ディルの花は黄色で小さく飾りつけにも使われています。
実は食べる、飲むだけではなく押し花としても活躍しているんですね。またハーブの概念を超え、ドライフラワーとして楽しむ方もいます。
ハーブ=ハーブティーや食べるというイメージが強かった筆者にとって、一つの花としても楽しめるという情報に非常に驚きました。
ハーブの楽しみ方は徐々に変わってきているのかもしれませんね。
ディルの効果・効能・作用を解説
ディルの効果を大きくわけて3つです。詳しく解説していきます。
効果①:整腸作用
ディルには精油成分のカルボン、リモネン等が含まれており整腸作用があります。お腹のガスが溜まり、それに伴い腹痛を和らげる効果、下痢や便秘にも有効ですよ。
そしてカルボンには消化液の分泌を促す効果もあり、消化促進効果も期待できます。
効果②:ストレス緩和・鎮静作用
ディルの香気成分に2種類のd-カルボン、リモネンが含まれておりハーブの中でも含有量が多いとされています。双方とも気持ちを穏やかにする効能を持ち合わせており、ストレス緩和に役立つとされています。
また幸福感をより感じやすくするセロトニンやドーパミンの等の生産を促す働きもあり、抗鬱作用にも効果がある事がわかりました。
効果③:口臭予防
ディルの香りは非常にスッキリとしている為、食後のティーとして飲むか、種子を食べる事により口臭を抑える効果があります。
最近では、歯磨き粉にハーブが入った商品が販売されているのをご存じですか?口臭予防でハーブを使うのは当たり前になっており、需要が高くなっています。商品の成分表にディルを含め、タイムやミント等のハーブ名が記載されている商品がありますので、是非試してみてください。
ディルの副作用や注意事項、禁忌など
ディルは基本的に安全なハーブとされています。しかし精油や葉の成分より肌荒れをする可能性がある為、肌が弱い方は注意が必要です。
人参のアレルギーをお持ちの方も稀に同様のアレルギー反応が出る場合がある為、医師に確認してください。
通経作用もある為、妊娠中、授乳中の方は医師に相談しましょう。
ディルのハーブとしての使い方
実際にどんな方法で使用すればいいか、詳しく説明していきます。
ハーブティー
水1リットルに対し小匙1杯〜2杯入れ、約5分ほど蒸らします。ディルシードを使用される方はつぶしてから使用しましょう。レモンを加えると爽やか感がアップし飲みやすくなりますよ。
食べる
ディルの葉やつぼみは、どんな料理でも合うとされていますが、特に魚料理が相性がいいとされています。魚の臭みを消し、さわやかな香りがで料理を引き立ててくれる為多くの方が使用されています。特に魚料理はスモークサーモンとの相性がバッチリだそうで、レシピも増えていますよ。
他にはドレッシングとして使用されたり、サラダや卵料理のトッピングにも活かされており幅広い料理に活躍できます。
ネイル
ディルの成分にケラチノモイストが含まれています。これは爪の水分量を維持するインボルクリンという成分の働きを促進させる効果があり、爪の保湿に期待できます。実際に実験にてささくれや、くすみ、亀裂まで抑制する結果も出ているので是非試してみてください。
ディルのよくある質問
大体100円~200円前後で購入できます。
ディルは種子と葉を使うハーブ、ディルウィードは葉のみを指します。
約1週間が目安です。しっかりとした保存袋にいれ濡れたキッチンペーパーも一緒に密封しましょう。
まとめと研究情報
いかがでしたでしょうか?今回はハーブのディルについてまとめてみました。ディルを使用されている方の目的を調べると多くの方が、ストレス緩和・リラックス効果を求められている印象でした。
他には整腸作用や口臭予防、爪の保湿・改善まで出来てしまう素晴らしいハーブでしたね。どの作用もストレスが原因で起こってしまう可能性もある為、くれぐれも適宜ストレスを解消しゆっくりとした時間を過ごしていただきたいと思います。
幅の広いハーブなので今後も新しい情報が出る可能性があります。適宜ご自分に合ったハーブの摂り方が見つかりますよう祈っています。
おさらい
【効果】
- 整腸作用
- ストレス緩和、鎮静作用
- 口臭予防
【注意点・副作用・禁忌事項】
- 肌が弱い方
- 人参アレルギーをお持ちの方
【おススメの摂取方法】
- ハーブティー
- 料理
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
カンジダ・アルビカンスに対するアネタム・グラベオレンス種子からの精油の抗真菌機構
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23657528/
ディルシードエッセンシャルオイル(DSEO)はカンジダアルビカンスに対する抗真菌作用のメカニズムが研究されました。DSEO処理により原形質膜が損傷し、エルゴステロール量が減少、ミトコンドリア機能不全と活性酸素種(ROS)の産生も増加する結果となりました。抗酸化剤CysがROS産生を防止し、DSEOの抗真菌作用に関与。細胞質膜とミトコンドリアがDSEOの主要な抗カンジダ標的と示唆されました。
マウスの実験的胃刺激モデルに対するAnethum graveolens L.種子抽出物の効果
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12493079/
ディル種子抽出物がマウスの胃粘膜保護と抗分泌効果を示唆する結果が得られました。マウスでの研究で、ディル抽出物が胃潰瘍を防ぐ効果と急性毒性を調査しました。その結果、抽出物の水性とエタノール抽出物のLD50値はそれぞれ3.04 g/kgおよび6.98 g/kgで、高用量抽出物はスクラルファートと同様の効果が得られました。抽出物投与により胃酸性度と総酸含量が減少することが示されました。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。