コーンシルクは、とうもろこしの実から伸びている細い糸のような部位を使用したハーブです。語源はその英名「Corn Silk」の通り、細くてサラサラの絹糸のようなことに由来しています。
コーンシルクの歴史は古く、アメリカでは紀元前5000年前より、先住民がハーブティーを生薬として摂取していたといわれています。日本では「とうもろこしのヒゲ」で知られ、たいていは皮と一緒に捨てられてしまいますが、実はこのヒゲにはハーブとしてのさまざまな成分が含まれているのです。
今回の記事では、
- コーンシルクの効能を知りたい
- 知っておくべき副作用などはある?
- コーンシルクの摂取方法を知りたい
など、コーンシルクについての基本情報からお楽しみまでをわかりやすく解説しています。
また、コーンシルクのハーブティーの淹れ方や美味しい摂取方法なども紹介してますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を参考にしてみてください。
コーンシルクの基本情報
名称 | コーンシルク |
英名 | corn silk |
学名 | Zea mays |
和名 | とうもろこし |
分類 | イネ科トウモロコシ属 |
原産地 | メキシコ、グアテマラ 、アメリカ大陸 |
成分 | カリウム、フラボノイド、食物繊維、タンパク質、ビタミンB1、B2、C、K、カルシウム、鉄分、ナトリウム など |
使用部位 | 雌しべ |
代表的な作用 | 利尿作用、抗酸化作用、排便効果 など |
禁忌、注意事項 | 授乳中の方や小さいお子様の利用は控えましょう。 イネ科のアレルギーがある方も摂取を避けましょう。 |
利用法 | ハーブティー、料理の食材として など |
コーンシルクは、とうもろこしのヒゲの部分です。正式には「絹糸(けんし)」とよばれ、豊富な栄養価が含まれています。成分としてカリウムやフラボノイド、食物繊維など多くの栄養素が含まれ、まだ若い「とうもろこしのヒゲ」は柔らかくて食べやすいことが特徴です。
漢方の世界では「南蛮毛」や「玉米鬚膳」といわれ、薬膳茶や薬膳料理の食材としても利用されています。
この記事では、ただ捨ててしまうのはもったいないハーブとしての「とうもろこしのヒゲ」について詳しくお伝えします。
コーンシルクの効果・効能・作用を解説
コーンシルクには、利尿作用やアンチエイジング、腸内環境の改善などのたくさんの効能があります。
- 利尿作用
- アンチエイジング
- 腸内環境の改善
ここではコーンシルクの代表的な効能について説明します。
効果①:利尿作用
初めに紹介する効能は利尿作用です。
コーンシルクにはカリウムが含まれ、体内の水分や塩分を調整する働きがあります。身体の水分と塩分のバランスを調整することで、むくみの解消や高血圧の予防にも効果があります。
効果②:アンチエイジング
次に紹介する効能はアンチエイジングです。
成分に含まれるフラボノイドは抗酸化作用に優れています。老化の原因とされる活性酸素を抑えることで、血流の改善を促して血管の老化を防いだり、細胞を老化から守ります。
血管の老化を防ぐことで動脈硬化を防ぎ、また抗酸化作用はシミやシワなどの年齢を重ねるにつれて増える肌トラブルにも効果的に働きかけます。
効果③:腸内環境の改善
三つめに紹介する効能は腸内環境の改善です。
コーンシルクには不溶性食物繊維のセルロースが含まれ、排便を促すことで腸内環境を整えます。そのため、便秘の解消や大腸がんの予防、さらにはダイエット効果にもつながります。
コーンシルクの副作用や注意事項、禁忌など
授乳中の方や小さいお子様の利用は控えましょう。また、イネ科のアレルギーがある方も摂取を避けましょう。
コーンシルクのハーブとしての使い方
コーンシルクはハーブティーとして楽しめるほか、料理の食材として利用することで効果的に成分を摂取できます。
そのまま捨てるにはもったいない「とうもろこしのヒゲ」は、手軽に飲んで食べて楽しみながら栄養価を摂取できるおすすめのハーブです。
1 ハーブティー
コーンシルクティーは、とうもろこしの甘さや香ばしさを感じられる味わいです。きれいに洗って、天日干しにしてからフライパンで乾煎りすれば、ご自宅でも簡単に手作りのハーブティーができます。
【コーンシルク茶の淹れ方】
沸騰したお湯(カップ一杯分)に、コーンシルク(大さじ2杯程度)を入れて、好みの濃さにより5分から8分ほど蒸らしてからいただきます。
コーンシルク茶は少し渋みがあるため、飲みにくさを感じる方はブレンドするのがおすすめです。とうもろこしの実を使ったコーン茶をブレンドすると、さらに甘さやコクが出て飲みやすくなりますよ。
2 料理の食材として
コーンシルクはほんのりした甘さと、シャキッとした食感が特徴です。生のままでも、火を通しても食べられるため、手軽な食材として利用できます。
食材として利用する際は、まだ若い色の薄いサラサラした部分が食べやすくおすすめです。また、あらかじめ食べやすい長さに切ってから使いましょう。
生のままサラダとして、またスープの具としていただくのもおすすめです。かき揚げの材料に混ぜたり、素揚げにしてパリパリとした食感を楽しむのもいいですね。
コーンシルクのよくある質問
とうもろこしのヒゲは、とうもろこしの雌しべです。とうもろこしの実の数だけこのヒゲがあるため、とうもろこし一本につき500本~600本ほどのヒゲがついているといわれています。
とうもろこしのヒゲの正式名称は「絹糸(けんし)」です。
とうもろこしのヒゲは、とうもろこしの成熟を知る目安として知られてます。ヒゲがきれいな状態のとうもろこしは未熟、一方でヒゲが黒っぽく縮れているとうもろこしの方が完熟で食べごろです。
まとめと研究情報
今回はコーンシルクについて解説しました。
コーンシルクには利尿作用やアンチエイジング、腸内環境の改善など、身体によい多くの効能があることがわかりました。そして、自宅で簡単にできるコーンシルクの摂取方法として、ハーブティーの楽しみ方や食材としての利用方法についても紹介しました。
コーンシルクについて興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
おさらい
【効果】
- 利尿作用
- アンチエイジング
- 腸内環境の改善
【注意点・副作用・禁忌】
- 授乳中の方や小さいお子様の利用は控えましょう。
- イネ科のアレルギーがある方も摂取を避けましょう。
【おすすめの取り方】
- ハーブティー
- 料理の食材として
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
レモンバームとコーンシルク抽出物は、マウスの高脂肪食誘発性肥満を軽減する
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34943118/
この研究では、レモンバームとコーンシルク抽出物(M-LB / CS)の混合物が、高脂肪食誘発肥満マウスにおいて肥満を軽減することが実証されています。体重、脂肪量、脂肪細胞サイズが減少し、M-LB / CSの投与比率1:1、1:2、2:1、4:1が効果的であることが示されました。血中コレステロール、トリグリセリド増加を抑制し、脂質生成と分解の遺伝子異常を修復、抗酸化酵素活性を増強し、脂質過酸化を減少することも実証されています。M-LB / CSは肥満予防に有望なハーブ混合物と示唆されました。
ラットのアセトアミノフェン誘発腎毒性に対するコーンシルク抽出物の改善効果
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32856245/
この研究では、アセトアミノフェン(APAP)による腎毒性に対するコーンシルクメタノール抽出物(CSME)の保護効果を検証し、ラット実験でCSMEがAPAP誘発の腎機能障害、酸化ストレス、組織損傷を軽減することが実証されています。CSMEの経口投与により、抗酸化、抗アポトーシス、抗炎症メカニズムが働いてAPAPの腎毒性を抑制し、正常なレベルに回復させました。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。