チコリは、キク科の野菜でヨーロッパに自生するタンポポ族の仲間です。別名、キクニガナやシコレ、アンディーブなど、さまざまな呼び方があります。
高さ120~150センチの細い茎と角ばった枝を持ち、初夏から秋にかけて鮮やかなブルーの花を咲かせます。直径3~4センチでギザギザとした形の花で、朝早く開花して、お昼ごろにはしぼんでしまうような繊細さがあります。
多くの人が一度は目にしたことがある思いますが、フランス料理では若い芽がよく利用されます。利尿作用や便秘解消効果によって体内の余分なものを排泄し、むくみの解消や内臓機能の向上に対して有効といえます。
また、お茶やコーヒーとして手軽に生活の中にとりいれることもできるので、体内のデトックスにオススメの食材ですよ。
今回の記事では、
- チコリの効能を知りたい
- 副作用や注意点はある?
- チコリのオススメの摂取方法が知りたい
など、チコリについての基本情報からお楽しみまで、わかりやすく解説していきます。
ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を参考にしてみてください。
また、チコリのハーブティーやオススメレシピなどのお役立ち情報も紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
チコリの基本情報
名称 | チコリ |
英名 | Chicory |
学名 | Cichorium intybus |
和名 | キクニガナ |
分類 | キク科キクニガナ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
成分 | イヌリン、苦味質、タンニン、糖類、ペクチン、アルカロイド |
使用部位 | 全草 |
代表的効能 | 利尿作用、緩下作用、強肝作用、駆風作用、消毒作用 |
禁忌、注意事項 | ・胃潰瘍や腸潰瘍のある方は使用できません ・静脈瘤のある人や血管疾患、痔核のかたは厳しい禁忌が適用されます。 ・慢性の咳、気管支炎、喘息のある方には禁忌です。 ・妊娠中の方や子供は使用に注意が必要です。 ・キク科のアレルギーの方は使用を控えましょう。 |
利用法 | ・ハーブティーとして飲む ・サラダや炒め物などの料理に |
チコリはヨーロッパや北アフリカ原産で、日本には明治時代初期に伝えられたそうです。ベルギーやフランスでは、古くから食用として利用されてきましたが、特殊な苦味があるため、渡来当初日本では利用されませんでした。
最近では、軟白栽培された若芽が食材として一般的に利用されるようになっています。
紀元前4世紀のエジプトのパピルス文書には、魔力を持ったハーブとして記載されています。それはチコリを持ち歩くことで、障害や困難を取り除いてくれると言われていたり、過去の恋愛の清算や、望まない恋愛を遠ざけるものに効果があるとされていたそうですよ。
チコリの効果・効能・作用を解説
チコリには、利尿作用や、便秘改善、抗酸化や肝機能強化など、たくさんの効能があります。
- 利尿作用
- 便秘改善
- 抗酸化や肝機能強化
ここではチコリの代表的な効能について説明します。
効果①:利尿作用
チコリには強い利尿作用があります。余分な水分、尿酸、老廃物を体外に排出を促し、むくみの予防や改善に働きます。
効果②:便秘改善
チコリに豊富に含まれる水溶性食物繊維のイヌリンは、腸内細菌との関係性が非常に注目されています。イヌリンには、でんぷんを分解する酵素が働かないので、分解されずに大腸に到達。それが、腸内微生物によって発酵されることで、腸内環境の改善と便秘解消に効果があるのです。
効果③:抗酸化や肝機能強化
チコリにはポリフェノールの一種であるチコリ酸が豊富に含まれています。活性酸素を無毒化するという研究結果があり、抗酸化作用による老化や、がん、高血圧などの予防に役立つと考えられています。
そして、チコリ酸は肝機能の向上や解毒作用の促進が期待できます。また、胃酸を減らし肝臓を刺激することで、脾臓や胆のう、腎臓などの内臓を浄化する働きもあります。
その他の効果・作用
- 糖尿病の予防
- 消化不良の改善
- 肌を引き締める効果
チコリの副作用や注意事項、禁忌など
- 胃潰瘍や腸潰瘍のある方は使用できません
- 静脈瘤のある人や血管疾患、痔核のかたは厳しい禁忌が適用されます。
- 慢性の咳、気管支炎、喘息のある方には禁忌です。
- 妊娠中の方や子供は使用に注意が必要です。
- キク科のアレルギーの方は使用を控えましょう。
チコリのハーブとしての使い方
チコリは、主にハーブティとして楽しんだり、お料理では生野菜としてはもちろん、炒め野菜としても美味しくいただくことができます。
1. ハーブティー
チコリのハーブティーに利用されるのは根の部分。ローストした根はほろ苦い風味を持っており、その香ばしい香りや色がコーヒーと似ている為、「チコリコーヒー」と呼ばれています。
チコリコーヒーはハーブティであり、ノンカフェインのため、夜寝る前でも安心してのむことができます。
1.大さじ1/2杯~1杯程度のチコリをマグカップのフィルターの中に入れます。
2.その後、沸かした熱湯を注ぎ、蓋をして、6分~8分ほど浸出し、好みの濃さになるまで待ちます。
※レモンやハチミツ、オリゴ糖などを入れると飲みやすくなりますよ。
2.チコリのサラダボート
材料
・クリームチーズ 大さじ3
・ハチミツ 小さじ1/2~1
・ブラックペッパー 少々
・トマト 1/2個
・きゅうり 1/3本
・生ハム お好きな分
・チコリ 1個
・オリーブオイル 少々
・チャービル 適量
①チコリの中心以外を剥き、水洗いしたらキッチンペーパーなどで水けを切っておきます。
②チコリ以外の野菜は洗って小さ目な角切りにしたら、同じようにキッチンペーパーで水気を切っておきます。
③クリームチーズとハチミツ、ブラックペッパーをよく混ぜます。
④ ②に小さくちぎった生ハムと、オリーブオイルとブラックペッパーを混ぜ合わせておきます。
⑤チコリの中心部分はお皿の真ん中に置いて、混ぜたクリームチーズをチコリの内側に塗り、野菜とチャービルをのせたら完成です!
チコリのよくある質問
はい。近年国内での生産も増えていて、岐阜、埼玉、千葉などから出荷されています。中でも岐阜県中津川市は特産地として知られています。
チコリはドイツ語でウェグワートと言い、「道端で待ちわびる人」の意味です。チコリは、戦場に行った恋人の帰りを待ちわびる少女の涙から生まれたとの伝説が由来です。
葉の部分は、軟白栽培と呼ばれる光を当てない方法で育てる為、栄養価は落ちますがその分苦味が少なく、甘みのあるチコリがたのしめます。どちらかというと、根の部分のほうが栄養価は多く含まれており、チコリコーヒーとして手軽に飲むことができます。
まとめと研究情報
今回はチコリについて解説しました。
チコリには利尿作用や便秘改善、抗酸化や肝機能強化などの身体に良い多くの効能があることがわかりました。そして、自宅で手軽にできるチコリのハーブティの淹れ方や、簡単でおしゃれなレシピについても紹介しました。
チコリについて興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
おさらい
【効果】
- 利尿作用
- 便秘改善
- 抗酸化や肝機能強化
【注意点・副作用・禁忌】
- 胃潰瘍や腸潰瘍のある方は使用できません
- 静脈瘤のある人や血管疾患、痔核のかたは厳しい禁忌が適用されます。
- 慢性の咳、気管支炎、喘息のある方には禁忌です。
- 妊娠中の方や子供は使用に注意が必要です。
- キク科のアレルギーの方は使用を控えましょう。
【摂り方】
- ハーブティー
- 料理の材料として
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
Cichorium intybus bio-カルス合成銀ナノ粒子:有望な抗酸化、抗菌、抗癌化合物
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35917872/
この研究では、チコリウム・インティバスから抽出した物質を使用して銀ナノ粒子(Ci-AgNPs)を合成し、その性質を評価しました。Ci-AgNPsは抗菌性、抗酸化性、抗増殖活性を示し、特に乳がん細胞に対する抗がん活性が注目されました。この研究は、Ci-AgNPsの生合成における新たな方法を提案し、がん治療への応用の可能性を示唆しています。
シコリウム・インタイバス根エキス:肌のバリア機能を改善する「ビタミンD様」の有効成分
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27161285/
この研究は、Cichorium intybus根抽出物が皮膚バリア機能に対して有益であることを示しています。UVフィルターの有無に関わらず、この成分を含む化粧品が45歳から60歳の女性の皮膚に良い影響を与えました。特に、皮膚の水分損失を減少させ、皮膚マイクロレリーフを改善しました。結論として、Cichorium intybus根抽出物は、皮膚の保護と再構築に役立ち、皮膚バリア機能を向上させる有望な成分として注目されています。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。