平安時代や縄文時代に日本に伝わり、日本人の食卓に欠かせない根菜である、ゴボウ。
実はゴボウを食べる文化があるのは日本文化だけで、世界的にはゴボウは英名バードックの名で、ハーブとして親しまれているのです。
ゴボウにはイヌリンなどの食物繊維が豊富に含まれていて、身体の中の老廃物や毒素を排出して、身体を綺麗にする効果があることから、デトックスハーブと言われています。
この記事では、そんなゴボウの
- 効果
- 副作用
- おすすめの楽しみ方
について、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアがまとめてみました。
ほかにも歴史や育て方についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
ゴボウの基本情報
名称 | ゴボウ |
英名 | burdock(バードック) |
学名 | Arctium lappa L. |
和名 | ゴボウ |
分類 | キク科ゴボウ属ゴボウ |
原産地 | アジア・ヨーロッパ |
主要成分 | イヌリン・サポニン・クロロゲン酸 |
使用部位 | 根・果実・葉 |
代表的作用 | 老廃物・毒素排出効果(デトックス効果)、 抗酸化作用、抗炎症作用、免疫力向上 |
利用方法 |
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日本では煮物や炒め物で馴染みがあるゴボウですが、西洋や中国ではハーブティーとして利用されることが多く、漢方としても利用されています。
日本で食べられているゴボウは根の部分に当たりますが、果実や葉もハーブティーや漢方として利用することができ、私たちにとってとても役にたつ植物です。
良いゴボウの見分け方は、握った時にずっしりとしており弾力があるものかを確認します。
大きすぎたり、軽かったりすると、鮮度が落ちてしまい、中身が詰まっておらずスカスカになっている可能性が高いです。
また、土付きでヒゲ根っこがあまりついていない方が、鮮度が高く、風味が良くて日持ちしやすいと言われています。
ゴボウの効果・効能・作用を解説
ゴボウは、利尿効果を高め、身体の中に溜まっている老廃物や毒素を排出し、代謝機能を高めるデトックスハーブとして知られています。
その他にも、ゴボウにはサポニンや、クロロゲン酸などのポリフェノール類の働きによる、抗酸化作用や免疫力向上効果があります。
この記事では、ゴボウの持つデトックス効果と、抗酸化作用・免疫力向上効果の2点について解説します。
効果①:デトックス効果
ゴボウには、イヌリンという成分が含まれています。
この食物繊維であるイヌリンは、腎臓の機能を向上させる働きを持っています。
腎臓の機能が向上すると、腎臓は尿をたくさん作り、尿と一緒に身体の中の老廃物や毒素が放出され、それによって身体のむくみや、代謝機能が改善されます。
代謝機能が改善されることにより、脂肪が落ちやすくやるため、ダイエット効果も期待できると言われています。
効果②:抗酸化作用
ごぼうに含まれるサポニンやポリフェノール類は共に抗酸化作用を発揮し、活性酸素の働きを抑えると言われています。
活性酸素を抑制することで、血液中の脂肪やコレステロールが悪玉コレステロールとなるのを防ぎ、動脈硬化や脳梗塞を予防してくれます。
効果③:免疫力向上
ゴボウに含まれるサポニンには、免疫機能をを持つナチュラルキラー細胞を活性化する働きがあります。
これにより、身体の免疫力が向上します。
さらにサポニンは、血液中に血栓が出来にくくしたり、毛細血管の働きを改善する効果も持っているため、血流が良くなり、冷え性が改善します。
ゴボウの副作用や注意事項、禁忌など
ゴボウはキク科の食物ですので、キク科アレルギーの人は摂取を避けましょう。
また、食物繊維は、適切な摂取量であれば大腸ガンを予防する効果があると言われていますが、過剰摂取を続けると、大腸ガンにかかるリスクを上げると言われています。
さらに過剰な摂取は胃に負担を与える可能性があり、胃腸が弱い方には負担になる可能性があるため、過剰摂取は避けましょう。
また、ゴボウには炭水化物が多く含まれているため、糖質制限をしている方は、摂取量に注意しましょう。
ゴボウはチョウセンアサガオと根が非常に似ていますが、チョウセンアサガオは毒性が強い食物のため、間違えてチョウセンアサガオと混同しないようご注意ください。
ゴボウ茶にはカフェインが含まれていないため、妊婦さんや授乳中の方、カフェインに弱い方でも安心して飲んでいただくことができますが、気になる方は医師に相談しましょう。
ゴボウのハーブとしての使い方
ゴボウを料理に使用することは多いと思いますが、実は他にもハーブティーや漢方薬としても利用されています。
ハーブティー
ゴボウのハーブティーは、すでにリーフとなって販売されているものもありますが、食材として販売されているゴボウを使用してハーブティーを作ることもできます。
<リーフを使用する場合>
- ティースプーン2杯分を急須に入れ、熱湯を注いだ後、約3分間蒸らす。
- 蒸らした後、リーフを濾してカップへ注ぐ
<生のゴボウを使用する場合>
- ゴボウをたわしなどで擦り、汚れを落とす。
- ピーラーなどでゴボウをささがき(笹の形のように切る)にした後、ザルなどに載せ、日当たりと風通しの良い場所で天日干しにする。
- ゴボウが乾燥し、水分が抜けたら、ほぐした後、熱したフライパンに入れ、焦がさないように注意しながら10分ほど煎る。
- ゴボウがパリパリしたら、小さな鍋に水300mlを入れた後、ティースプーン2杯分のゴボウを水の中に入れ、沸騰させる。
- 十分な色が付くまで弱火で煮出したら、茶殻を濾して完成。
市販のゴボウのハーブティーを使用すればお手軽に飲むことができますが、自分で一からハーブティーを作るのも楽しいと思うので、ぜひ試してみてください。
漢方
ゴボウはその果実や葉、根全てが漢方として利用されています。
果実:解毒、消炎、鎮咳作用
根:食欲増進、胆汁分泌促進、発汗、利尿作用
葉:関節痛や腫れ物、麻疹など
それぞれ部位によって使用する目的が異なっており、根や葉は生の汁や乾燥させたものを使用すると言われています。
料理
ゴボウは日本に馴染み深い食材で、煮物や炒め物など多くの料理に使用されてきました。
ゴボウを美味しく食べるポイントとしては、
- ゴボウの種類で水にさらす時間を変える(太いゴボウは10分以上、新ゴボウはさっと水で流す程度)
- 皮は剥かずタワシや包丁の部分で泥をこそぎ落とすだけにする
- 白く綺麗な見た目にしたいなら、酢水につける
太いゴボウはアクが強いため10分ほど水につけてアクを抜く必要がありますが、アクが少ない新ゴボウは長時間水に晒してしまうとゴボウの香りや風味が流れてしまうので注意が必要です。
また皮には旨みが含まれているので、完全に剥くのではなく泥をこそぎ落とすくらいがちょうど良いです。
サラダやゴボウ叩きに利用する場合は、酢水につけると白くて綺麗な状態を保つことができますが、あまりつけすぎると風味が損なわれるので、つけるのは15分以内にしましょう。
ゴボウについてよくある質問
ゴボウについてよくある質問について調べてまとめてみました。
ゴボウには長根種と短根種がありますが、長根種は収穫に手間がかかるため、家庭菜園での栽培には短根種が適しています。
短根種といっても根は地中深くに伸びるため、30cm~50cmの深さで耕しておきましょう。
ゴボウは、過去4~5年にゴボウを栽培したところで栽培すると、生産量が減少する連絡障害を持つ作物なので、過去4~5年間、ゴボウを栽培していないところで栽培しましょう。
ゴボウは過湿にとても弱いので、水はけのよい環境を選び、種まきは3~4月に行います。
種まきの3週間前にたい肥を、2週間前に石灰を入れて耕し、ゴボウは酸性土壌を嫌うので、できれば土壌のp Hは5.5~6.5に調整することをおすすめします。
種まきの際は株間10cm、1か所に4~5粒ずつ点蒔きし、本葉が1枚の頃、良い株を2本残して間引き、さらに本葉が3枚の頃に、もう一度間引いて1本立ちにしましょう。
収穫は、10月下旬ころから行います。葉を鎌で切り落とし、根を傷つけないように注意しながら周囲を掘り下げて収穫しましょう。
なお、収穫時期の前に、直径1cmくらいになった根を、若ゴボウとして収穫できます。若ゴボウは、柔らかくて香りがいいのが特徴です。
ゴボウの日本との関わりは古く、元々平安時代に薬草として伝わったと考えられて来ましたが、縄文時代の遺跡からゴボウの種が発見されているため、縄文時代に伝わったとも考えられるようになりました。
日本人がゴボウを食べるようになったのは、平安時代から明治自体にかけてで、根や葉を食料としています。
ゴボウを食用とするのは元々日本文化だけであるため、第二次世界大戦中の捕虜収容所に於いてゴボウを捕虜に食べさせたところ、木の根を食べさせた捕虜虐待として、収容所職員が有罪となった悲劇が発生しています。
中国ではゴボウは漢方薬、西洋ではハーブとして親しまれており、ゴボウ独特の香りやえぐみにより食用としては敬遠されていましたが、近年、フランス料理などの西洋料理の具材として、ゴボウが用いられ始めています。
ゴボウのハーブティーは、ネット通販やハーブティー専門店で販売されています。
「ゴボウ茶」という名前で販売されていることも多く、お湯を入れて抽出するだけで飲むことができるので、便利です。
初めて購入する際に、副作用について不安という場合は、ハーブティー専門店でスタッフに相談することをおすすめします。
まとめと研究情報
日本では煮物や炒め物の材料として重宝されてきたゴボウですが、西洋ではハーブティーとして利用され、デトックス効果や抗酸化作用、免疫力向上など、私たちの体に良い影響を与えてくれています。
ただ、過剰摂取で副作用が出たり、キク科アレルギーの方はアレルギー反応が出る可能性があったりと注意点もあります。
この記事をよく読んで、安全にかつ効果的に日常生活にゴボウを取り入れて役立てていきましょう!
おさらい
<効果・効能・作用>
- デトックス効果
- 抗酸化作用
- 免疫力向上
<副作用・禁忌・注意点>
- キク科アレルギーの人は摂取を避ける。
- 過剰摂取は大腸ガンのリスクを高める可能性や、胃腸に負担がかかる可能性あり。
- 糖質制限中の過剰摂取は注意。
<使用方法>
- ハーブティー
- 漢方
- 料理
研究情報
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
ゴボウの抗腫瘍作用
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22350142
ハーブ薬から毒性のない抗がん剤を見つけるために、364種類のハーブ植物エキスの細胞毒性の分析結果を、さまざまながん細胞株と正常細胞株を用いて評価しました。その結果、ごぼうに含まれるアクチゲニンが正常な細胞には毒性を示すことなく、肺がん(A549)、肝がん(HepG2)および胃がん(KATO III) の細胞の増殖を抑制することがわかりました。これにより、ゴボウには抗腫瘍作用があると示唆されました。
ゴボウの認知症予防効果
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21308615
ゴボウに関する研究では、ゴボウは記憶障害を改善すると示されました。記憶障害のあるラットに対して、ごぼうに含まれるアクチゲニンという成分を30、60mg/kg 、経口投与すると、記憶障害に関連がある酵素アセチルコリンエステラーゼの働きが抑えられ、記憶障害が改善されました。
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