ブラックコホシュはＰＭＳに効果的？副作用やおすすめの摂取方法も解説！

ブラックコホシュは、北アメリカが原産のキンポウゲ科サラシナショウマ属の多年草です。夏に白く美しい花を咲かせます。根茎が黒っぽいことから、ブラックコホシュという名がついたと言われています。

ブラックコホシュは、もともとは北アメリカで、鎮痛剤や月経トラブルなどに利用されており、「女性の根」と言われていました。現在でも、女性特有の症状を改善するために、世界中で利用されているハーブの一つです。

学名のCimicifugaは、「cimex：虫」と「fugere：逃げる」という意味に由来します。ブラックコホシュは強いにおいが虫避けになることからこの学名がつきました。

今回の記事では、

ブラックコホシュの効果
ブラックコホシュの副作用や摂取する際の注意点
ブラックコホシュのおすすめの摂取方法

の3点を中心に、ブラックコホシュについての基本情報からお楽しみまでを分かりやすく解説しています。

また、ブラックコホシュの美味しいハーブティーの淹れ方や、手軽な摂取方法についても紹介しています。ぜひ、参考にしてくださいね。

ハーブについてさらに詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファンスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を、参考にしてみてください。

>>最強のハーブファスティングとは？

ブラックコホシュの基本情報

名称	ブラックコホシュ
英名	Black cohosh
学名	Cimicifuga racemosa
和名	アメリカショウマ
分類	キンポウゲ科サラシナショウマ属
原産地	北アメリカ
成分	トリテルペン配糖体、イソフラボン、タンニンなど
使用部位	根部、根茎部
代表的な作用	収ホルモン分泌調整、鎮静作用、抗酸化作用
禁忌、注意事項	腸閉塞の人は摂取を避ける妊娠中、授乳中の人は摂取を避ける肝障害がある人は、摂取を控えるキンポウゲにアレルギーがある人は摂取を避ける
利用法	ハーブティー、サプリメント、ハーブチンキ

ブラックコホシュは、もともと北アメリカの先住民が、鎮痛剤や月経トラブルなどの緩和に使っていた薬草です。また、腎臓の不調にも利用されていました。

近年の研究では、ホルモンバランスを調整する作用があることが分かり、ホットフラッシュや動悸、めまいなどの自律神経の失調、不眠など精神神経症状の改善にも使用されるようになりました。

ブラックコホシュは、約150 cmくらいの高さに育ちます。夏には、細くて香りのよい白い花が瓶洗いのブラシのような形に咲き、秋には実が成ります。実が成った後、根と根茎を収穫し、乾燥させて利用します。

ブラックコホシュの効果・効能・作用を解説

ブラックコホシュには、月経前症候群 (PMS)の症状を緩和する効果、更年期障害の症状を改善する効果、骨粗しょう症を予防する効果があります。

月経前症候群 (PMS)の症状を緩和する効果
更年期障害の症状を改善する効果
骨粗しょう症を予防する効果

これらについて順に説明していきます。

効果①：月経前症候群 (PMS)の症状を緩和する効果

まず、ブラックコホシュの月経前症候群 (PMS)の症状を緩和する効果についてです。

ブラックコホシュは、女性ホルモンのエストロゲンに似た作用を持っています。そのため、ホルモンバランスが崩れる月経前に用いることで、ホルモンバランスを整え、月経前の不調を改善してくれるのです。

さらに、生理周期に起こる、ニキビや吹き出物のような皮膚トラブルにも効果的です。

効果②：更年期障害の症状を改善する効果

次に、ブラックコホシュの更年期障害の症状を改善する効果についてです。

更年期障害とは、エストロゲンの分泌が減少することで起こる自律神経の乱れが原因です。頭痛、腰痛、肩こり、ほてり、イライラ、うつ状態などの様々な症状が起こります。

ブラックコホシュはエストロゲンと似た作用を持つので、これらの更年期障害の症状を緩和することができます。

効果③：骨粗しょう症を予防する効果

最後に、ブラックコホシュの骨粗しょう症を予防する効果についてです。

高齢の女性に多い骨粗しょう症は、閉経後、骨芽細胞を活発にするエストロゲンが激減することが原因です。

ブラックコホシュはエストロゲンと似た作用を持つので、骨粗しょう症を予防する効果が期待できます。

その他の効果・作用

ブラックコホシュはさらに、女性らしいボディライン作りや、バストアップ、美肌にも効果があります。

ブラックコホシュは、女性ホルモンのエストロゲンと似た作用を持つので、女性らしく美しい体作りを助けてくれます。また、ブラックコホシュに含まれるタンニンは、強い抗酸化作用を持っているため、アンチエイジング効果も期待できます。

ブラックコホシュの副作用や注意事項、禁忌など

腸閉塞の人は、摂取を避けましょう。

ブラックコホシュを摂取したことで、肝障害が起こった事例があるので、肝障害を持っている人は摂取を避けましょう。

妊娠中、授乳中の人は、副作用等のデータが少ないため、摂取を控えましょう。

キンポウゲ科の植物なので、キンポウゲのアレルギーがある人は摂取を避けましょう。

ブラックコホシュのハーブとしての使い方

ハーブティー

ブラックコホシュのハーブティーは、土のような独特の香りがし、やや苦味があります。そのため、単体で飲むよりはブレンドした方が飲みやすいですよ。

＜ドライハーブを使う場合＞
１　ポットにティースプーン1杯のブラックコホシュの茶葉を入れ、熱湯を注ぐ。
２　5分程蒸らせば完成です。

＜栽培したハーブを使う場合＞
１　秋に実がなったあと根と根茎を採取します。
２　適当な大きさにカットし、重ならないようざるなどに並べて天日干しします。
３　カラカラに乾燥させてから清潔な瓶などに保存します。
４　ハーブティーの淹れ方は、ドライハーブと同じです。

サプリメント

生理不順や生理痛などの生理トラブル改善、更年期障害の予防など、女性特有のトラブルのためのサプリメントが市販されています。若い世代から中高年まで、幅広い世代の女性の味方ですね。

サプリメントは気軽に摂取できますが、過剰摂取すると胃腸の不調といった副作用があるので、摂取量に気を付けましょう。

ハーブチンキ

ブラックコホシュのハーブチンキも市販されています。水やお湯に数滴たらしてうがいをしたり、コーヒーやお茶に入れて飲めますよ。

いつもの紅茶やコーヒーにハーブチンキを数滴入れるだけで、独特の苦みをあまり感じず美味しくいただけるので、手軽でおすすめです。

ブラックコホシュのよくある質問

副作用はあるの？

副作用はあまり起こりません。胃のむかつき、胃けいれん、頭痛、発疹、体が重い、膣からの出血、体重増加などの軽い副作用が起こることがあります。過剰摂取した場合、めまい、大量発汗、神経系の症状、低血圧が起こることもあります

子どもは摂取しても大丈夫？

ブラックコホシュは、子どもにとって安全かどうかまだ分かっていません。そのため、子どもは摂取を避けましょう。

サプリメントはどこで買える？

ブラックコホシュのサプリメントは、ほとんどの薬局やオンラインで入手可能です。

まとめと研究情報

今回は、ブラックコホシュについて解説しました。

ブラックコホシュは、古くから女性のための薬として活躍しており、月経前症候群 (PMS)の症状を緩和する効果、更年期障害の症状を改善する効果、骨粗しょう症を予防する効果、さらに、女性らしいボディライン作りや、バストアップ、美肌にも効果があることが分かりました。

摂取方法としては、ハーブティー、サプリメント、ハーブチンキについて紹介しました。比較的手に入りやすいハーブなので、気軽に試すことができますね。

ブラックコホシュに興味がある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。

おさらい

【効果】

月経前症候群 (PMS)の症状を緩和する効果
更年期障害の症状を改善する効果
骨粗しょう症を予防する効果
女性らしいボディライン作りや、バストアップ、美肌効果

【注意点・副作用・禁忌】

腸閉塞の人は摂取を避けましょう。
妊娠中、授乳中の人は摂取を避けましょう。
肝障害がある人は、摂取を控えましょう。
キンポウゲにアレルギーがある人は摂取を避けましょう。

【摂り方】

ハーブティー
サプリメント
ハーブチンキ

研究情報（エビデンス）

下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。

閉経の初期症状の治療におけるブラックコホッシュ(Cimicifuga racemosa L.)の有効性:ランダム化臨床試験

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24499633/

要約

この研究では、ブラックコホッシュの早期更年期症状への効果を調査しました。84人の閉経後早期参加者を対象にした無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験で、ブラックコホッシュ治療群はプラセボ群と比べて4週目と8週目で有意に症状を改善しました。副作用は報告されず、ブラックコホッシュが早期更年期症状の管理に有用である可能性が示唆されました。

Actaea racemosa(ブラックコホッシュ)のエタノール抽出物は、MC3T3-E1前骨芽細胞における骨結節形成を増強する

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18555764/

要約

ブラックコホッシュのエタノール抽出物が、骨芽細胞の骨結節形成を促進し、骨量減少を予防できる可能性があることが研究で示されました。ARは骨芽細胞の増殖を抑制しつつ、骨結節形成を増強し、runx2およびオステオカルシン遺伝子の発現を増加させました。また、エストロゲン受容体拮抗薬との同時治療により、ARの効果が廃止されました。これは、ARが骨量減少の予防に有用であり、エストロゲン受容体を介した作用を示唆する初の分子レベルの証拠です。