アンジェリカは和名をセイヨウトウキといい、主にヨーロッパで広く栽培されています。古くから胃腸の働きを改善するハーブとして親しまれてきました。
今回はアンジェリカについて
- 効果
- 副作用・禁忌
- 摂り方
上記3つのポイントについて、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアがまとめました。
ほかにもアンジェリカの育て方やハーブティーのブレンドについても紹介します。ぜひ最後までチェックしてください!
アンジェリカの基本情報
名称 | アンジェリカ |
英名 | angelica |
学名 | Angelica archangelica |
和名 | セイヨウトウキ、ヨーロッパトウキ |
分類 | セリ科シシウド属 |
原産地 | ヨーロッパ北部、中央ロシア |
主要成分 | 精油(モノテルペン類・フラノクマリン類)、フィトステロール、ショ糖、アンゲリカ酸、苦味質など |
使用部位 | 葉、茎、根、種子 |
代表的効能 | 消化促進作用、発汗作用、利尿作用、鎮静作用、鎮咳作用、鎮痙作用など |
禁忌、注意事項 | ・妊娠中の人は使用しない ・根を飲用した後は、長時間の直射日光は避ける |
利用法 | ・ハーブティーとして飲む ・お菓子作りやリキュールの香りづけなど料理に使う |
アンジェリカは、大天使ミカエルの日に花を咲かせるといわれ、「天使のハーブ」とも呼ばれています。草丈は2m近くまで成長し、艶のある緑色の葉をつけ、初夏になると黄緑がかった散形花序の花を咲かせます。
アンジェリカは葉・茎・根・種子のそれぞれが古くからさまざまな用途で使われていますが、特に根は万能薬としてヨーロッパでは大切にされていた歴史があります。伝統的に通経作用があるといわれているため、妊娠中の人は使用を避けるとされています。
アンジェリカはフレッシュハーブでもドライハーブでもどちらでも利用できます。フレッシュな茎を砂糖漬けにしたものは、ケーキや菓子パンの飾り付けとして有名です。
アンジェリカの効果・効能・作用を解説
アンジェリカの代表的な効果は以下の3点です。
- 消化機能や食欲の改善
- 冷え性・むくみの予防効果
- イライラ・抑うつの緩和
ポイントごとに詳しく見ていきましょう。ほかにも期待されている効果についても解説します。
効果①:消化機能や食欲の改善
アンジェリカに含まれている苦味質に唾液や消化液の分泌を促す働きがあり、消化機能を高めることが期待されています。また精油成分のリモネンは、唾液の分泌を促す作用があるため、消化吸収力が改善し食欲の改善が見込まれています。
効果②:冷え性・むくみの予防
含有成分のひとつでクマリン類のアンゲリシンには、血液やリンパ液の循環を改善し体を温めるため、冷え性の予防効果が期待されています。血液やリンパ液をサラサラにする働きも持ち、体内の老廃物が排出されやすくなるため、むくみの改善も見込まれています。
効果③:イライラ・抑うつの緩和
アンジェリカに含まれるアンゲリカ酸には精神安定作用、精油成分のα-ピネンにはリラックス作用があるといわれています。そのため、ストレスによるイライラや気分の落ち込みを和らげる効果が期待されています。
その他の効果・作用
そのほかアンジェリカに含まれている成分で、アンゲリカ酸は鎮痙作用、精油成分のδ-3-カレンは去痰作用、フィトステロールはホルモン調整作用を持つとされています。
アンゲリカ酸の精神安定作用と鎮痙作用、フィトステロールのホルモン調整作用により、月経困難症(PMS)や更年期障害など女性の不調の緩和も期待されています。
アンジェリカの副作用や注意事項、禁忌など
アンジェリカに含まれるフラノクマリン類には光感作性があるため、飲用後は長時間の直射日光に当たるのを避けるようにしましょう。
AHPA(米国ハーブ製品協会)において、アンジェリカは安全性クラス2bに設定され、妊娠中は医療従事者監督下以外での使用禁止とされています。伝統的にアンジェリカは女性ホルモンの働きに影響を与えるといわれているため、妊娠中の使用は控えるようにしてください。
アンジェリカのハーブとしての使い方
ハーブとしてのアンジェリカの主な使い方はハーブティーと料理です。おいしい摂り方などを詳しくご紹介します。
ハーブティー
アンジェリカの根を乾燥させたものはハーブティーとして親しまれています。
ティースプーン2杯のハーブをポットに入れて、熱湯180mLを注ぎ、4~5分ほど蒸らせば完成です。
風味はピリッとしたスパイシーな香りで少し苦味があるため、単独よりもほかのハーブとブレンドした方が飲みやすくなります。同じ胃腸を助けるハーブのアーティチョーク、ダンデライオン、フェンネル、ペパーミントなどとブレンドすると相乗効果もあるためおすすめです。
料理
アンジェリカの茎を砂糖漬けにした緑色のクリスタル・アンゼリカは、製菓材料として日本でもよく使われています。シュトーレンやクッキーに混ぜて焼くと色鮮やかになり、見た目にも楽しめます。
またヨーロッパではアンジェリカの葉を魚料理の風味づけに用いたり、種子をリキュールの香りづけに用いたりしています。
アンジェリカのよくある質問
アンジェリカの種は発芽しにくいため、苗から育てる方が良いです。
耐寒性で涼しい場所を好むため、半日陰で夏場の西日が当たらない場所を選びましょう。水はけが良く保水力があり、肥沃な土に植えるようにします。
春に苗を植え付けると、茎は真夏の前に、葉は花が咲く前に、根は1年目の秋から収穫できます。
アンジェリカ根の精油が販売されています。ハーバル調でスパイシーな香りがあり、鎮静・去痰・抗炎症・抗菌効果があるといわれています。フラノクマリン類が含まれていて光毒性があるため、肌に使用した後は直射日光に当たらないようにしましょう。
アンジェリカ根のハーブティーはハーブ専門店で購入できます。またアンジェリカの茎を砂糖漬けにしたものは製菓材料の取扱店で購入できます。
まとめ
アンジェリカはヨーロッパ北部から中央ロシアが原産で、葉・茎・根・種子が食用として使われているハーブです。消化機能の改善・冷え性の予防・イライラや抑うつの緩和が期待されています。女性ホルモンの働きに影響を与えるため、妊娠中の使用は控えましょう。
おさらい
〈効果〉
- 消化促進作用
- 冷え性・むくみの予防
- イライラや抑うつの緩和
- 鎮痙作用
- 去痰作用
- ホルモン調整作用
〈注意点・副作用・禁忌〉
- 妊娠中の使用は避ける
- 光感作性があるため、飲用後は長時間直射日光に当たるのを避ける
〈摂り方〉
- 料理
- ハーブティー
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
虚血性脳卒中に対するアンジェリカ・シネンシスの治療可能性の概要
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34362631/
アンジェリカの研究では、抗炎症、抗酸化ストレス、血管新生、神経新生、抗血小板凝集、抗アテローム性動脈硬化症、血管の保護の有意な効果を有し、虚血性脳卒中の神経機能の改善に寄与することが示されています。中国産のアンジェリカの漢方薬の効果を実験した結果です。
高血圧および合併症に対するアンジェリカとその配合処方の治療効果:エビデンスマッピング
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31100657/
アンジェリカの研究では、アンジェリカがMAPと標的臓器保護の低下に効果的であり、副作用率が低いことが明らかになっています。スクリーニング後に49件のRCTを選択し、34件のRCTにおける結果部分の有効性の一般的なアウトカム指標(69.4%)があり、アンジェリカ介入群の臨床有効率は全て対照群よりも有意に高かった。28件のRCTの結果部分のMAPの減少のアウトカム指標があり、27件のRCT(96.4%)は、アンジェリカ介入群が対照群よりも有意に改善したことを示しています。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。