レッドクローバーは、和名でムラサキツメクサやアカツメクサとも呼ばれる、ヨーロッパ、西アジア及び北西アフリカを原産とするハーブです。
近年、レッドクローバーに含まれるイソフラボンが、女性ホルモンと同じような働きをし、更年期障害を緩和すると共に、美しい肌や身体を保つと注目されています。
この記事では、そんなレッドクローバーの
- 効果
- 副作用
- おすすめの楽しみ方
について、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアがまとめてみました。
さらにレッドクローバーの育て方や、ハーブティーを美味しく飲むためのポイントについてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
レッドクローバーの基本情報
名称 | レッドクローバー |
英名 | Red clover |
学名 | Trifolium pratense |
和名 | ムラサキツメクサ・アカツメクサ |
分類 | マメ科シャジクソウ属レッドクローバー |
原産地 | ヨーロッパ、西アジア及び北西アフリカ |
主要成分 | イソフラボン、フェノール類、クマリン、サリチル酸塩 |
使用部位 | 花、全草 |
代表的な作用 | 抗酸化作用、更年期障害の症状改善、骨粗鬆症予防、美肌効果、生活習慣病予防・改善効果、呼吸器改善効果、 |
使用方法 |
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レッドクローバーは、茎の高さが約30~60cmで、その先端に約30~100個もの小さな濃い赤紫色をした花を咲かせませす。
その小さな濃い赤紫色の花から、「レッドクローバー」と名付けられたと言われています。
昔から牧草や、ハーブティーとして利用されてきたと言われており、人々の暮らしに関わってきました。
レッドクローバーの葉は3片に分かれており、中世のイギリスでは、この3片の葉を、「神」「キリスト」「精霊」の三位一体と関連付けて考えられていたそうです。
レッドクローバーの効果・効能・作用を解説
レッドクローバーには様々な良い効果をを持つ成分が含まれていますが、有名なのは女性の美しさを保つと言われている、ポリフェノールの一種であるイソフラボン類です。
レッドクローバーのエキスには、同じくイソフラボン類を含むことで有名な大豆に比べ、同じ量で比較した場合、10~20倍のイソフラボンが含まれていると言われています。
このレッドクローバーに含まれるイソフラボンによって、様々な効果を得ることができますが、今回は代表的な主な3つの効果についてご紹介します。
効果①:更年期障害
更年期になると、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌量が減少し、ホルモンバランスの乱れが自律神経に影響を与えることで、更年期障害と呼ばれる、ほてりや発汗、冷えやイライラなどの症状が現れます。
レッドクローバーに含まれるイソフラボンは、そのエストロゲンの代わりとなる働きを務め、ホルモンバランスの乱れや、それに伴う更年期障害を緩和してくれることが確認されています。
効果②:骨粗鬆症予防
カルシウムは、骨だけではなく血液中や脳、歯や筋肉にも含まれており、血液中のカルシウムが不足すると骨からカルシウムを取り出して補っています。
女性ホルモンであるエストロゲンが減少すると、カルシウムを骨に蓄えておく機能が低下すると言われており、特に閉経後など更年期に骨粗鬆症になりやすいと言われています。
レッドクローバーに含まれるイソフラボンは、エストロゲンの分泌を促すことで骨の中のカルシウムを蓄えさせ、同時に骨量を増やすと言われているため、骨粗鬆症予防に効果的とされています。
効果③:生活習慣病予防
生活習慣病が起こる原因の一つとして、コレステロールの増加が挙げられます。
動物性タンパク質の摂取の増加や、加齢によるエネルギー代謝の低下により、悪玉コレステロールが増えると、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞といった病気を引き起こしやすいと言われています。
レッドクローバーに含まれるイソフラボンは、その血中に増えた悪玉コレステロールを下げる効果があると言われており、生活習慣病を予防することができるとされています。
効果④:その他
レッドクローバーに含まれるイソフラボンが同じ働きをするエストロゲンには、皮下脂肪を増やしたり、肌の新陳代謝を促進したり、バストアップをする働きも備わっていると言われており、美容目的としてもいい効果が得られると言われており、さらに、月経不順や月経痛を緩和すると言われています。
また、レッドクローバーには抗炎症作用があるため、風邪や気管支炎などの呼吸器の感染症を予防する効果もあるとされています。
レッドクローバーの副作用や注意事項、禁忌など
レッドクローバーには女性ホルモンと同じような作用をするイソフラボンが含まれ、妊娠中や授乳中の方、または乳がんを患っている方は、ホルモンバランスを崩す恐れがあるため、摂取を控えましょう。
経口摂取の場合、発疹、筋肉痛、頭痛、吐き気、膣出血が副作用として発生することがあります。
また、エストロゲン様サプリメントと併用する場合、異常が認められたら医師に相談することをおすすめします。
また、レッドクローバーは抗血液凝固作用のあるクマリン誘導体を含んでいますので、ワルファリンを含む血栓症治療薬と併用しないようにして下さい。
その他医薬品との相互作用を起こす可能性がありますので、疾患をお持ちの方や、医薬品を服用中の方は、摂取に際し医師に相談しましょう。
レッドクローバーのハーブとしての使い方
レッドクローバーは、ハーブティーやハーブチンキとして利用することができます。
ハーブティー
レッドクローバーのハーブティーは、お湯を注いで簡単に飲めるような形で販売されているものもありますが、自分で作ることもできます。
植物の状態のnレッドクローバーをハーブティーとして味わう場合、花をメインにし、全草を使用します。
<ハーブティーの作り方>
- 花が原型のまま(ホール状)になっている場合、ハサミを入れ、成分を抽出しやすくする。
- 乾燥させた花5個分を目安にティーポットに入れ、カップ1杯分の沸騰した熱湯を注ぐ。
- 3~5分蒸らしてから、茶漉しでハーブを濾してカップに注ぎ、完成。
レッドクローバーのハーブティーは、味も香りも薄く、苦みも渋みもありません。
そのため、クセがないので、他のハーブティーとの相性がいいので、ブレンドするのもおすすめです。
例えばローズやカモミールを加えると、リラックス効果が得られます。
ネトルやバードック(ゴボウ)を加えると、デトックス効果がより一層期待でき、ニキビや肌荒れの改善にも繋がるでしょう。
効果なども考慮しつつ、ご自分の好きなハーブティーをブレンドしてみてください。
ハーブチンキ
ハーブチンキとは、ホワイトリカーやウォッカといった蒸留アルコールにハーブを浸し、ハーブの成分を抽出する方法です。
水やお湯では抽出できない、脂溶性成分まで抽出することができるので、ハーブの効果を最大限に活用することができると言われています。
<ハーブチンキの作り方>
- 保存瓶を煮沸消毒またはアルコールスプレーを使用し消毒する。
- ドライハーブとウォッカなどの蒸留アルコールを混ぜて瓶へ入れる。
- 瓶を密閉したら、2週間ほど冷蔵庫で保管。
- 保管中は、菌が入らないよう蓋を開けず、全体を馴染ませるように1日1回は軽く瓶を振る。
- 2週間後にドライハーブを濾して、保存瓶に移し替えて完成。
作ったハーブチンキは、飲み物に数滴混ぜて楽しんだり、うがい水に数滴垂らして使用したり、また、入浴剤や化粧水に混ぜるという楽しみ方ができます。
ただ、アルコールが入っているので、お子様や妊娠中の方は使用を控えてください。
レッドクローバーのよくある質問
レッドクローバーによくある質問を調べてまとめてみました。
レッドクローバーは繫殖力が強いため、比較的簡単に育てることができます。
ただ、雑草化しやすいので、プランターなどの限られた場所で栽培することをおすすめします。
雑草化してもかまわないという場合は、土壌を肥えさせる効果もあるので、日当たりのいい場所を選んで種を蒔きましょう。
ただし、雑草化した場合、完全に取り除くことは困難なので、ご注意ください。
また、レッドクローバーは多年草ですが、2年目以降は生育が悪くなるので、育て続けたいなら、毎年種を蒔いてください。
種まきは4~5月か、9~10月がおすすめです。
レッドクローバーは、古代ローマ時代から人類に使用されて来ました。
種小名であるpratense(プラテンス)には「牧草の」という意味があり、始めは牧草として用いられて来たと考えられています。
そして、その頃から葉や花を付けたまま乾燥させ、ハーブティーとされ、人々に愛されて来ました。
インドの伝統医療(アーユルヴェーダ)では、鎮静・鎮痙剤や皮膚治療薬として用いられて来ました。
一部のネイティブアメリカンの間では、レッドクローバーの葉や花を食べ、目や火傷の痛み、咳やインフルエンザの治療薬として用いる文化があったとされています。
レッドクローバーをハーブとして使用する文化は西暦1650年ほどにイギリスに広がり、イギリスから入植者と共にアメリカに伝わりました。
日本には明治時代に伝わり、全国に帰化し、ムラサキツメクサ・アカツメクサと言われ、親しまれています。
レッドクローバーのハーブティーは、ネット通販やハーブティー専門店で購入することができます。
ただ、妊娠中や血栓症治療薬を使用している人は悪い影響が出る可能性があるので、飲用を避けてください。
初めてレッドクローバーのハーブティーを購入する際に副作用について不安な場合は、ハーブティー専門店でスタッフに相談してから購入することをおすすめします。
まとめと研究情報
レッドクローバーには、大豆よりも10~20倍のイソフラボンが含まれていると言われており、私たちの体に様々ないい効果をもたらしてくれます。
ただ、妊娠中や授乳中、血栓治療薬を服用している場合に、副作用が出る可能性があり、使用方法には注意が必要な場合があります。
レッドクローバーを、安全に、かつ効果的に生活に取り入れるためにも、この記事をよく読んで参考にしてみてくださいね。
おさらい
<効果・効能・作用>
- 更年期障害予防
- 骨粗鬆症予防
- 生活習慣病予防
<副作用・禁忌・注意点>
- 妊娠中や授乳中、乳がん罹患の場合は、使用を避ける。
- 発疹、筋肉痛、頭痛、吐き気、膣出血の副作用が起こる可能性あり。
- 抗血液凝固作用の成分があるため、血栓症治療薬を服用中は使用を避ける。
<使用方法>
- ハーブティー
- ハーブチンキ
研究情報
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
レッドクローバーの血液中の脂質濃度調整
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20144173
平均56歳の閉経後女性を対象に、20名にレッドクローバ由来のイソフラボンを投与し、18名の非投与群と比較しました。その結果、非投与群と比較して投与群で悪玉コレステロール値が大幅に減少し、善玉コレステロールの値が大幅に増加しました。これにより、レッドクローバーに含まれるイソフラボンは、血液中の脂質をコントロールすることが示唆されました。
レッドクローバーの閉経後女性のうつ症状軽減
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19948385
閉経後の40歳以上の女性を対象に、レッドクローバーのイソフラボン80mgを投与し、非投与群を90日間比較しました。その後、不安や鬱に対する質問調査票であるHADSおよびSDSを行ったところ、投与群ではHADSの減少(不安76%減少、うつ78.3%減少)また、SDSは80.6%の減少が確認されました。このことから、レッドクローバーに含まれるイソフラボンは、閉経後の鬱症状を現状させることが示唆されました。
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