アロエは「医者いらず」と呼ばれるアフリカ原産の多肉植物で、さまざまな薬効があるといわれています。アロエには数百種類の品種が存在していますが、日本で食用として用いられているのはアロエベラです。
今回はアロエについて
- アロエにはどのような効果があるの?
- アロエを利用するときに注意することは?
- アロエのおすすめの利用方法を知りたい
上記3つのポイントを中心に、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアがまとめました。
特におすすめの利用方法では、美味しい食べ方や便利なアロエ風呂もご紹介します。ぜひ最後までチェックしてくださいね。
アロエの基本情報
名称 | アロエベラ |
英名 | Aloe vera |
学名 | Aloe barbadensis |
和名 | ロカイ(蘆會) |
分類 | ユリ科アロエ属 |
原産地 | アラビア半島南部、北アフリカ地中海沿岸、アフリカ西部諸島 |
主要成分 | アロイン、アロエニン、アロエシン、アロエエモジン、アロミチン、アロエウルシン、多糖類、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、E、カリウム、鉄分 |
使用部位 | 葉 |
代表的効能 | 整腸作用、健胃作用、美白作用、抗炎症作用、抗菌作用、保湿作用、抗腫瘍作用 |
禁忌・注意事項 | ・過剰摂取すると腹痛、軟便、下痢を起こすことがある ・皮に含まれるアロインに、子宮収縮作用や緩下作用があるため、妊娠中・授乳中・月経中の女性と12歳以下の小児の使用は控える |
利用法 | ・料理 ・外用 |
アロエの歴史は古く、紀元前2000年の古代エジプト時代から治療薬や美容に用いられてきました。アロエは外皮とゲル状の葉肉に有効成分が多く含まれていて、代表的な作用にはお通じの改善・胃粘膜の保護・美白効果があります。
経口摂取する場合、過剰に摂ると腹痛・軟便・下痢を引き起こすため注意しましょう。また子宮収縮作用があるため、妊娠中や月経中に口にするのは控えてください。
アロエは葉肉をサラダやヨーグルトに加えたり、葉肉からジェルを取り出し外用で使用したりと幅広い利用方法があります。
アロエの効果・効能・作用を解説
アロエの代表的な効果は次の3つです。
- 整腸作用
- 健胃作用
- 美白作用
それぞれの作用について、どの成分が関わっているかも含めてわかりやすく解説します。
効果①:整腸作用
整腸作用にかかわる成分は「アロイン」と「多糖類」の2つです。
アロエに含まれる「アロイン」という成分には、腸内の水分量を増やし、ぜん動運動を活性化させ、腸内の老廃物を押し出す効果があります。
「多糖類」は腸内の善玉菌のエサとなって善玉菌の働きを活発にするため、腸内環境を整える効果があります。
効果②:健胃作用
健胃作用を示す成分は「アロイン」「アロエエモジン」「アロエウルシン」です。
「アロイン」と「アロエエモジン」が胃液の分泌を促して消化の働きを改善します。
「アロエウルシン」は荒れた胃粘膜を覆い、胃酸から傷ついた箇所を守るため、胃痛の症状を和らげます。
効果③:美白作用
美白に役立つ成分は「アロエシン」です。
「アロエシン」には、シミ・そばかすの原因となるメラニン色素を生成するチロシンキナーゼの働きを抑える効果があります。ほかにも肌のターンオーバーを促す働きもあり、できてしまったシミ・そばかすを薄くする効果も期待されています。
その他の効果・作用
上記3点のほか、アロエに含まれる成分に期待される作用には以下のものが挙げられます。
- サリチル酸や糖タンパクによる肌の抗炎症作用
- アロエチンの抗菌作用
- ムコ多糖類の保湿作用
- アロミチンの抗腫瘍作用
アロエの副作用や注意事項、禁忌など
アロエは、8〜10日間連続で経口摂取するのを控えましょう。
アロエの皮を経口で過剰摂取すると、軟便・腹痛の症状が現れることがあります。長期にわたって経口摂取したときの副作用は、出血をともなう下痢・低カリウム血症・アルブミン尿症・腎炎・筋力低下です。
アロエに含まれる成分の「アロイン」に子宮収縮作用や緩下作用があるため、妊娠中・授乳中・月経中の食用は避けるようにしましょう。12歳以下の小児も経口摂取は禁忌です。
アロエのハーブとしての使い方
アロエは、健康や美容に役立つ成分が豊富です。ハーブとして主にアロエの葉肉が用いられ、料理・外用・サプリメントなど幅広い利用方法があります。今回は、料理とアロエ風呂での使い方をご紹介します。
料理
ヨーグルトやサラダのトッピングに利用しやすい、アロエのシロップ煮があると便利です。作り方をご紹介します。
- アロエの生葉から両端のトゲを切り取り、緑色の皮をむいて、ゼリー状の葉肉を使います。
- ゼリー状の葉肉を1cm角にカットします。
- 2の葉肉をたっぷりの沸騰したお湯で2分ほど茹でてから、ざるに上げてお湯を切ります。
- 鍋に水300mLと砂糖100g、3で茹で上がったアロエの葉肉を入れて、初めは中火で煮ます。
- 煮立ったら弱火にして、煮汁が1/2〜1/3量になるまで煮詰めたら完成。
完成したアロエのシロップ煮は、清潔な容器に入れて冷蔵庫で冷やすと美味しくいただけます。
アロエ風呂
アロエを外用で使う場合は、アロエ風呂にすると簡単です。
- アロエの生葉を2〜3枚用意し、両端のトゲ部分を切り取ります。
- 残った生葉を5mm幅に薄くスライスします。
- 2でスライスした生葉を洗濯ネットやお茶パックなどの袋に入れてから、浴槽へ入れます。
- 浴槽のなかで袋をよく揉んで、葉肉の成分を出すようにすると良いです。
アロエ風呂の注意点として、体質によってはアロエに含まれる成分でアレルギーを起こすことがあるため、使用前にパッチテストを行いましょう。方法は、生葉のゼリー部分を二の腕の内側に塗り半日以上放置します。塗布部分に赤みや痒みが生じないことを確かめてください。
アロエのよくある質問
日本でよく利用されているアロエは、アロエベラ・キダチアロエ・ケープアロエの3種類です。
アロエベラは、緑色の皮を取り除いたゼリー状の葉肉部分が食用や化粧品に用いられています。キダチアロエは、日本で民間療法として健康食品や化粧品に使われています。ケープアロエは、日本薬局方に収載されている医薬品の原料です。含まれている成分が便秘薬として利用されています。
日本でもアロエは栽培できます。
温度と水の管理をきちんと行えば、枯れることはそれほどありません。
暑さには強いですが、湿気は苦手であるため、水はけの良い場所で育てましょう。日当たりの良いところを好みますが、強い直射日光では葉焼けを起こすので注意が必要です。
冬は5℃以下になると葉が傷むため、室内の日当たりの良い場所に移すようにしましょう。
アロエを食用として使う場合、1日あたりの摂取量は生の葉肉で15gまでが目安です。
アロエには腸の働きを活発にする作用があるため、食べ過ぎると腹痛や下痢を引き起こすことがあります。
まとめと研究情報
アロエはアフリカ原産の多肉植物で、食用から外用まで幅広く利用されているハーブです。お通じの改善・胃もたれ・消化不良・美白に効果があると期待されています。1日あたりに食べる量は生の葉肉で15g以内にとどめて、妊婦・授乳婦・月経中の女性・12歳以下の小児については食用しないようにしましょう。
おさらい
【効果】
- 整腸作用
- 健胃作用
- 美白作用
- 抗炎症作用
- 抗菌作用
- 保湿作用
- 抗腫瘍作用
【注意点・副作用・禁忌】
- 過剰摂取すると腹痛、軟便、下痢を起こすことがある
- 皮に含まれるアロインに、子宮収縮作用や緩下作用があるため、妊娠中・授乳中・月経中の女性と12歳以下の小児の使用は控える
【摂り方】
- 料理
- 外用
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
皮膚バイオエンジニアリング技術によって評価された異なる濃度のアロエベラ抽出物を含む化粧品製剤の保湿効果
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17026654/
この研究では、アロエベラ抽出物が含まれた化粧品の皮膚への影響を調査しました。異なる濃度の凍結乾燥アロエベラ抽出物を20人の女性被験者に適用し、皮膚の水分補給に及ぼす影響を評価しました。結果から、アロエベラ抽出物を含む製剤は皮膚の水分含有量を増加させ、保湿効果があることが示唆されました。特に、25%と50.2%の抽出物が有効で、角質層の水分含有量を増加させました。一方、皮膚の水分損失には影響がありませんでした。この研究は、アロエベラ抽出物が天然の保湿成分として使用でき、乾燥肌の治療や保湿化粧品に適していることを示唆しています。
結腸直腸癌における急性放射線直腸炎の予防のためのアロエベラ:予備的な無作為化プラセボ対照臨床試験
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33616843/
この研究では、放射線療法中の結腸直腸癌患者におけるアロエベラの効果を調査しました。3人の患者に対し、アロエベラ1%またはプラセボ軟膏を6gを1週間に数回、数週間にわたり投与しました。結果として、アロエベラ治療は下痢の症状を有意に改善し、生活の質や心理社会的状態にも良い影響を与えました。また、アロエベラ治療によりC反応性タンパク質(CRP)が減少し、放射線治療の副作用である急性放射線直腸炎(ARP)の重症度が低下しました。総合的に、アロエベラの局所製剤は結腸直腸癌患者におけるARPの緩和に寄与することが示されました。
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