ハーブの効果と効能

ユーカリの効果や副作用は?安全な摂取方法と気になる毒性についても解説

ユーカリはオーストラリアの原産で、フトモモ科ユーカリ属の常緑高木です。ユーカリには800~1000種類もの品種があるといわれています。ユーカリの樹高は、品種によっては100mほどにまで成長します。

英名の「Eucalyptus」はラテン語で、語源はギリシャ語の「eu(良く)+ calyptos(覆う)」が語源です。これは大きく成長したユーカリが、その葉で大地を覆っているような光景に由来しています。

今回の記事では、

  • ユーカリの効果を知りたい
  • ハーブとしてユーカリを摂取する際の注意点は?
  • ユーカリのおすすめの摂取方法を知りたい

など、ユーカリについての基本情報からお楽しみまでをわかりやすく解説しています。

また、ユーカリのハーブティーの淹れ方や、ユーカリを摂取する際の注意点などのお役立ち情報も紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を参考にしてみてください。

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ユーカリの基本情報

名称 ユーカリ
英名 Eucalyptus
学名 Eucalyptus globulus
和名 ユーカリ
分類 フトモモ科ユーカリ属
原産地 オーストラリア
成分 1.8-シネオール、タンニン、フラボノイド類、葉緑素(クロロフィル) など
使用部位
代表的な作用 抗菌作用、抗ウィルス作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、血行促進作用、発汗作用、解熱作用、去痰作用、血圧降下作用、血糖値降下作用 など
禁忌、注意事項  妊娠中や授乳中の方、お子様は摂取を控えましょう。
多量摂取や、長期間にわたる摂取は避けましょう。
利用法 ティー、アロマ、芳香剤 など

ユーカリは原産地であるオーストラリアの森林において約80%も占めているといわれています。ユーカリは品種がとても豊富なため、日本でも品種を選ぶことで庭木として栽培できる植物です。

ユーカリの薬草としての歴史は古く、オーストラリアの先住民であるアボリジニが傷などの手当てに使ったことが始まりとされています。日本へは明治時代の初期に渡来し、大正時代になると空気をきれいにしてくれる植物として広まりました。

ユーカリの効果・効能・作用を解説

ユーカリには、抗菌・抗ウィルス作用、抗炎症作用、血行促進作用などの効能があります。

  • 抗菌・抗ウィルス作用
  • 抗炎症・抗アレルギー作用
  • 血行促進作用

ここでは、ユーカリの代表的な効能について説明します。

効果①:抗菌・抗ウィルス作用

はじめに紹介する効能は抗菌・抗ウィルス作用です。

ユーカリの芳香成分として含まれる1.8-シネオールには、菌やウィルスの繁殖を抑制する働きがあり、風邪などの感染症の予防に効果があります。また、この芳香成分の抗菌・抗ウィルス作用には空気を浄化する働きもあるため、空気感染への対策にもなります。

さらに口腔内の殺菌もできることから、口臭予防にも効果あります。

効果②:抗炎症・抗アレルギー作用

次に紹介する作用は抗炎症・抗アレルギー作用です。

成分として含まれるタンニンや、効果①で紹介した芳香成分の1.8-シネオールには、抗炎症作用があります。体内の炎症を鎮める働きによって、花粉症などのアレルギー症状や風邪の症状、気管支炎や喘息などにも効果的に働きかけます。

効果③:血行促進作用

さいごに紹介する作用は血行促進作用です。

ユーカリの成分として含まれるフラボノイド類や、これまで紹介した芳香成分の1.8-シネオールには、血行を促進する作用があります。体内の血行が改善されることで、首や肩の凝り、頭痛の解消に効果があります。

血流が改善されることで発汗につながるため、発熱時の解熱にも働きかけます。

その他の効果・作用

ユーカリには、芳香成分の1.8-シネオールによる代表的な効果以外にも、様々な効能や作用があります。他には、去痰作用血圧降下作用血糖値降下作用などの効果も期待できます。

ユーカリの副作用や注意事項、禁忌など

妊娠中や授乳中の方、お子様は摂取を控えましょう。また、多量摂取や、長期間にわたる摂取は避けましょう。

ユーカリのハーブとしての使い方

ユーカリにもハーブティーがあります。またハーブティーを蒸気吸入に使ったり、マウスウォッシュとしても使用できます。

1 ハーブティー

ユーカリのハーブティーは、爽快感のある風味ですっきりとした味わいです。

【ユーカリ ハーブティーの淹れ方】

沸騰したお湯(カップ一杯分)に、ユーカリの茶葉(ティースプーン一杯分)を入れて3分ほど蒸らしてからいただきます。

なお、ユーカリのハーブティーは、摂取量や摂取期間に配慮して利用しましょう。多量摂取や長期にわたり続けて飲むことは避けましょう。

2 蒸気吸入・マウスウォッシュ

先に紹介したハーブティーは蒸気吸入としても使用できます。ゆっくりとハーブティーの蒸気を吸入してみましょう。ユーカリの清涼感のある香りは、風邪や花粉症による鼻づまりや、喉のイガイガや痛みを和らげてくれます。

また、作ったハーブティーはマウスウォッシュとしてもおすすめです。抗菌作用によって口の中を清潔に保つため口臭対策にもなります。

ユーカリのよくある質問

ユーカリはどうやって空気をきれいにしているの?

ユーカリは一年中緑の葉を茂らせる常緑樹です。ユーカリはその葉で多量の二酸化炭素を吸収し、また多くの酸素を放出することで空気を浄化しています。

ユーカリの葉には毒性があるって本当?

ユーカリの葉には毒性のある青酸配糖体という成分が含まれています。ユーカリはとても多くの品種がありますが、ハーブティーに使用されている品種には毒性が低いものが使用されています。先にもお伝えしていますが、ユーカリの成分を摂取する際は、摂取量や摂取期間に配慮した使用が必要です。

どうしてコアラは毒性のあるユーカリの葉を食べられるの?

ユーカリはコアラの主食としても知られていますね。多くの品種のあるユーカリですが、コアラが食べるユーカリは毒性の低い40種類ほどと限定的です。それからコアラの体内には解毒作用があります。ただ、コアラはこのユーカリの葉を消化するためにたくさんのエネルギーを消耗するため、一日20時間ほどの睡眠をとるといわれています。

まとめと研究情報

今回はユーカリについて解説しました。

ユーカリには、抗菌作用、抗ウィルス作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、血行促進作用など、たくさんの効能があることがわかりました。そして、自宅でもできる摂取方法として、ハーブティーの淹れ方や、ハーブティーをアレンジした蒸気吸引などの使用方法についても紹介しました。

ユーカリについて興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。

おさらい

【効果】

  • 抗菌・抗ウィルス作用
  • 抗炎症・抗アレルギー作用
  • 血行促進作用

【注意点・副作用・禁忌】

  • 妊娠中や授乳中の方、お子様は摂取を控えましょう。
  • 多量摂取や、長期間にわたる摂取は避けましょう。

【おすすめの摂取方法】

  • ハーブティー
  • 蒸気吸入・マウスウォッシュ

研究情報(エビデンス)

下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。

リポ多糖により誘導されるラット急性肺障害におけるTLR4の発現とユーカリグロブルス油の影響

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16706025/

要約

この研究では、ラットの気道におけるtoll様受容体4(TLR4)の分布を調査し、リポ多糖(LPS)による急性肺損傷がTLR4の発現を増加させることを示しました。さらに、ユーカリグロブルスオイルの投与がLPSによるTLR4の増加を軽減し、炎症を緩和する効果があることが示唆されました。TLR4は気道に広く存在し、この研究はTLR4に関連する肺の疾患研究に貢献するものです。

シンボポゴンシトラタスおよびユーカリシトリオドラ精油の植物化学的組成とWistarラットの抗炎症および鎮痛特性

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23065287/

要約

この研究では、シンボポゴンシトラタス(レモングラス)とユーカリシトリオドラ(レモンユーカリ)のエッセンシャルオイルが抗炎症効果と胃保護効果を持つことが示されました。これらの植物のエッセンシャルオイルの化学組成が詳細に分析され、主にゲラニアル、ネラル、ミルセン、およびシトロネラールが特定されました。ラットにおける実験結果では、これらのエッセンシャルオイルが浮腫の抑制に効果的で、抗炎症および鎮痛特性を示すことが示されました。これらの発見は、これらの植物由来のエッセンシャルオイルが炎症関連疾患の補完的な治療法として有望であることを示唆しています。

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