タラゴンは、ロシア、西アジア、ヒマラヤ地方が原産地のキク科ヨモギ属の多年草植物です。このハーブの名前は、ギリシア語で「蛇」を意味するdragonや「小さいドラゴン」という意味のフランス語のestragonが語源といわれています。
また、フランスでは「食通のハーブ」ともよばれており、フランス料理には欠かせないハーブとなっています。
今回の記事では、
- タラゴンの効能を知りたい
- 副作用など注意点はある?
- タラゴンのおすすめの摂取方法を知りたい
など。タラゴンの基本情報からお楽しみ方法まで、わかりやすく解説していきます。
ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を参考にしてみてください。
また、タラゴンのハーブティの淹れ方や、アロマとしての使い方など、特に女性に嬉しい情報も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
タラゴンの基本情報
名称 | タラゴン |
英名 | Tarragon |
学名 | Artemisia dracunculus |
和名 | タラゴン |
分類 | キク科ヨモギ属の多年生植物 |
原産地 | 中央アジアからシベリア、北アメリカ |
主要成分 | エストラゴール |
使用部位 | 葉、茎 |
代表的効能 | 食欲増進、健胃、整腸作用、筋肉弛緩作用、鎮痛作用、糖尿病予防、排尿障害の改善、月経周期の正常化、喘息予防など |
禁忌・注意事項 | ・敏感肌の人は注意が必要 ・妊娠中は使用を避けてください ・消化性潰瘍や胃炎のある人は控えましょう。 |
利用法 | 香料、香水、フランス料理、マッサージオイル、アロマテラピー |
タラゴンには、同属変種としてフレンチ系とロシア系があります。フレンチタラゴンのほうが香りや風味が良いので、料理に用いられるのは主にフレンチタラゴンです。
タラゴンと人との歴史は長く、なんと紀元前300年までさかのぼります。蛇や獣にかまれた際の毒消しや、睡眠導入剤として使われていたそうです。
そして、フレンチタラゴンはほとんど花をつけません。日本のような環境では特に顕著です。そのため、種をとることができません。栽培方法としては、株分けや挿し穂の方法を使って増やしていきます。一方、ロシアンタラゴンは花を容易につけ、種も取れるそうですよ。
タラゴンの効果・効能・作用を解説
タラゴンには、消化促進、筋肉の緊張を緩和・リラックス効果、鎮静効果など、たくさんの効能があります。
- 消化を促進する効果
- 筋肉の緊張を緩和・リラックス効果
- 鎮静効果
ここではタラゴンの代表的な効能について説明していきます。
効果①:消化を促進する効果
タラゴンには、消化を促進する効果があります。それはタラゴンに含まれるエストラゴールによるもので、食欲を刺激することで吐き気やあくびの予防、整腸効果、便秘、下痢などの消化器系疾患の改善に効果的だといわれています。
効果②:筋肉の緊張を緩和する効果
タラゴンに含まれるエストラゴールは筋肉の緊張を和らげるはたらきがあるといわれています。筋肉の緊張は、長時間同じ姿勢を取り続けたり、無理な姿勢を続けると乳酸などの疲労物質が筋肉に溜まり、筋肉が伸びてしまうといわれています。
そうすると、肩こりや頭痛など、筋肉の痛みだけでなく、他の部分にも影響し身体に不調をきたしてしまいます。
そのため、身体を温めて血行を促したり、マッサージやストレッチなどこまめに筋肉をほぐす工夫をしましょう。そこで、タラゴンの精油をアロママッサージとして使用するのをおすすめします。
効果③:鎮静効果
タラゴンの香りには鎮静効果もあるとされています。中世時代は歯が痛いときにこのハーブを嚙んだといわれています。リラックスして神経をなだめる力が強く、不眠症に効果が期待できるハーブティーでもあります。
その他の効果・作用
- 口臭予防
- 殺菌効果
- 女性特有の生理不順、PMSなどを改善しホルモンバランスを整える効果
- デトックス・ダイエットに
- 喘息を予防する効果
タラゴンの副作用や注意事項、禁忌など
- 敏感肌の人は注意が必要
- 妊娠中は使用を避けてください
- 消化性潰瘍や胃炎のある人は控えましょう。
タラゴンのハーブとしての使い方
タラゴンは、ハーブティーとして楽しんだり、マッサージオイルによって効果を得る方法もあるのでご紹介します。
1 ハーブティ
ハーブティーは、体力低下時や、消化促進、食欲増進の強壮効果があります。胃腸の元気がないときに、試してみてください!
1.おいしく淹れるための前準備としては、茶葉を手で揉んだり香りをたてたり、乳鉢でより茶葉の香りを引き出したりすると良いでしょう。
2.まず、大さじ1/2杯から1杯程度のタラゴンをマグカップのフィルターの中に入れます。
3.その後、沸かした熱湯を注ぎ、蓋をしたら、そのまま3分~5分程浸出し、好みの濃さになるまで待ちます。
他にも、おすすめブレンドがあります。
タラゴン(40%)+フェンネル(40%)+グレープフルーツ(1片:20%)
こちらは、デトックス効果で、メタボリックの方のにおススメですよ。
2 マッサージオイルの作り方
生理痛が重い方や、PMSなど生理前になるとお腹が痛くなる人にオススメのマッサージオイル
〈材料〉
・ホホバオイル 小さじ1
・タラゴン精油 1滴
・クラリセージ精油 1滴
お腹にガスがたまって辛いときのマッサージオイル
〈材料〉
・ホホバオイル 小さじ1
・タラゴン精油 1滴
・コリアンダー精油 1滴
タラゴンのよくある質問
タラゴンは、甘くて爽やかな風味があるため、卵や鶏肉、白身魚、乳製品、酢などと相性がよく、オムレツ、ローストチキン、ムニエル、マリネ、ピクルスなど、何にでも合うので、フランス料理では欠かせないハーブのひとつです。一度タラゴンを使ってワンランク上の料理を楽しんでみてください。
育てる際は、夏の高温多湿を苦手にしており、蒸れで枯れこむことも多いため注意が必要となります。一方で寒さには強く管理の心配は殆どありません。
タラゴンには、血行促進の効果があるので、血流が改善されることにより、冷え性、肩こり、筋肉痛、リウマチの症状の改善が期待できます。また、月経を促進させたり、更年期障害、PMSの緩和も期待されていることから、女性におすすめの精油といえます。
まとめと研究情報
今回はタラゴンについて解説しました。
タラゴンには消化を促進する効果や、筋肉の緊張を改善する効果、鎮静効果など、身体によい多くの効能があることがわかりました。そして、自宅で簡単にできるハーブティーの淹れ方や、アロマオイルの作り方についても紹介しました。
また、フランス料理では、欠かすことのできないハーブの一つでもあるので、一度、タラゴンを使った料理にトライしてみてくださいね。
タラゴンについて興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
おさらい
【効果】
- 消化を促進する効果
- 筋肉の緊張を改善する効果
- 鎮静効果
【注意点・副作用・禁忌】
- 敏感肌の人は注意が必要
- 妊娠中は使用を避けてください
- 消化性潰瘍や胃炎のある人は控えましょう。
【オススメの摂り方】
- ハーブティー
- マッサージオイルとして
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
タラゴン(アルテミシアドラカンクルス)のエッセンシャルオイルの抗侵害受容効果
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24074293/
タラゴンのエッセンシャルオイル(EOAD)の研究では、EOADが痛みへの抗侵害受容効果を示すことが明らかになりました。ラットとマウスで行われた実験で、EOADはホルマリンや酢酸による痛みを有意に軽減し、中枢的な鎮痛作用も示しました。これは、タラゴンが伝統的な民間療法で使われてきた痛みや胃腸障害の治療に対する合理的な基盤を提供します。
ラットの血糖値低下効果に関する2つの異なるヨモギドラクンクルスL.品種の比較評価
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21953838/
エストラゴールとメチルオイゲノールの発がん性懸念から、タラゴンの抽出物におけるこれらの成分を最小限に抑える抽出方法が開発されました。フランスとロシアのタラゴンから抽出されたエタノールと水性抽出物は、エストラゴールとメチルオイゲノールを検出せず、血糖値を低下させる効果があることが示されました。適切な製造手順により、これらの有害な成分の量を制限しながら、タラゴンの薬理学的活性を維持できることが示唆されています。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。