マーシュマロウは地中海沿岸を原産とするアオイ科 ビロードアオイ属のハーブです。多年草で、夏の終わりに薄いピンクの花を咲かせます。
お菓子でよく似た名前のマシュマロは、このマーシュマロウに由来しています。かつてマーシュマロウの根に含まれる粘液性を原料として作られていたマシュマロには、喉の痛みに効果があるとされ利用されていました。
今回の記事では、
- マーシュマロウの効能を知りたい
- 知っておくべき副作用などはある?
- マーシュマロウの摂取方法を知りたい
など、マーシュマロウについての基本情報からお楽しみまでをわかりやすく解説しています。
また、マーシュマロウのハーブティーの淹れ方や食材としての利用方法などについても紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を参考にしてみてください。
マーシュマロウの基本情報
名称 | マーシュマロウ、マシュマロウ |
英名 | marsh mallow |
学名 | Althaea officinalis |
和名 | ウスベニタチアオイ(薄紅立葵)、ビロードアオイ |
分類 | アオイ科ビロードアオイ属 |
原産地 | 地中海沿岸部 |
成分 | 粘液成分、アスパラギン酸、ペクチン、フラボノイド、フェノール酸 など |
使用部位 | 根、花、葉 |
代表的な作用 | 粘膜保護作用、抗炎症作用、利尿作用、緩和作用、去痰作用、緩下作用、刺激緩和作用、創傷治癒作用 など |
禁忌、注意事項 | 妊娠中・授乳中の方は摂取を控えましょう。 医薬品を服用される際は注意して摂取しましょう。 |
利用法 | ハーブティー 料理の食材として |
マーシュマロウはハーブとしての歴史が長く、ヨーロッパにおいては2000年ほど前から使用されてきました。
学名にある「Althaea」は、古代ギリシャ語で「病気を治す」という語義です。この語源からも分かるように、マーシュマロウは古くから薬草として利用されてきました。そして、英名の「marsh(湿地)」からは、マーシュマロウが水分の多い土壌に生息していたこともうかがえます。
この記事では、1000種類ほどもあるマロウの中でもとりわけハーブの効能があるといわれるマーシュマロウについて、その効能や摂取方法を中心に解説していきます。
マーシュマロウの効果・効能・作用を解説
マーシュマロウは特徴とする粘液成分によって、ハーブとしての様々な効果や効能があります。
- 喉の痛みの緩和
- デトックス効果
- 腸内環境の改善
ここではマーシュマロウの代表的な効能について説明します。
効果①:喉の痛みの緩和
はじめに紹介する効能は、喉の痛みやトラブルを和らげる作用です。
マーシュマロウの特徴である粘液質は、粘膜の保護や修復に効果的に働きかけます。粘膜保護作用によって喉の粘膜を保護し、抗炎症作用によって炎症を抑えます。
喉の痛みにマーシュマロウの効能に興味のある方には、マーシュマロウの成分が配合されたのど飴がおすすめですよ。
効果②:デトックス効果
次に紹介する効果はデトックス効果です。
成分として含まれるアスパラギン酸には利尿作用があります。体内の不要な水分や老廃物を排出することで、むくみの改善やデトックス効果につながります。
効果③:腸内環境の改善
さいごに紹介する効能は腸内環境を改善する効果です。
マーシュマロウの粘液成分には、便をスムーズに体外へ排出させる働きがあります。また、ペクチンという食物繊維も含まれていることから、さらに便秘の解消が期待できます。
その他の効果・作用
マーシュマロウには、代表的な3つの効果以外にも様々な効能や作用があります。摂取することで、緩和作用、去痰作用、緩下作用、刺激緩和作用、創傷治癒作用などの効果も期待できます。
マーシュマロウの副作用や注意事項、禁忌など
妊娠中・授乳中の方は摂取を控えましょう。また、薬の吸収を遅らせる作用があるため、医薬品を服用される際には注意が必要です。
マーシュマロウのハーブとしての使い方
マーシュマロウは根、花、葉のすべてをハーブとして利用できます。ハーブティーとして、また料理の食材として利用することで、手軽に成分を摂取できます。
ハーブティーとして
マーシュマロウのハーブティーは独特のとろみのあるお茶です。ほのかな甘味があるため、お気に入りの茶葉とブレンドしてみるのもおすすめです。
【マーシュマロウ ハーブティーの淹れ方】
沸騰したお湯(カップ一杯分)に、マーシュマロウ(ティースプーン一杯分)を入れて5分ほど蒸らしてからいただきます。
マーシュマロウのハーブティーは水でじっくり抽出すれば、より多くの成分を抽出できます。喉の痛みが気になるときには、ぜひ水出しをお試しくださいね。
料理の食材として
マーシュマロウの柔らかい若芽は、フレッシュでも火を通しても食べられるため、手軽な食材として利用できます。
若葉を摘んでフレッシュのままサラダに加えてみたり、茹でて和え物として、またスープの具としていただくのもおすすめです。
それから根の部分は、根菜のように茹でたり揚げたりして調理することで食感を楽しめます。
マーシュマロウのよくある質問
マーシュマロウという名前は、お菓子のマシュマロと似ていますね。これはマシュマロがかつてはマーシュマロウの粘液成分を原料として作られていたことに由来しています。
マーシュマロウは日本でも栽培が可能です。ただ、成長すると2mほどの高さになるため、室内よりもお庭などの広い環境で育てることをおすすめします。
マーシュマロウもハイビスカスもどちらもアオイ科のため、どこか似ていますね。実際にはマーシュマロウはビロードアオイ属、ハイビスカスはフヨウ属のため、生物学上は別の植物です。
まとめと研究情報
今回はマーシュマロウについて解説しました。
マーシュマロウには喉の痛みの緩和、デトックス効果、腸内環境の改善など、身体によい多くの効能があることがわかりました。そして、自宅で簡単にできるマーシュマロウの摂取方法として、ハーブティーの楽しみ方や食材としての利用方法についても紹介しました。
マーシュマロウについて興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
おさらい
【効果】
- 喉の痛みの緩和
- デトックス効果
- 腸内環境の改善
【注意点・副作用・禁忌】
- 妊娠中・授乳中の方は摂取を控えましょう。
- 医薬品を服用される際は注意して摂取しましょう。
【おすすめの取り方】
- ハーブティー
- 料理の食材として
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
Althaea officinalis l., var. Robusta, Arctium lappa L., var.ヘルクレス、およびプルヌスペルシカL.、バッチュ
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17685009/
この研究では、植物から抽出された多糖類が実験的に誘発された咳に対して鎮咳活性を示し、一部の多糖類は既存の鎮咳薬よりも効果的であることが示されました。特に、マーシュマロー由来の多糖類は高い鎮咳活性を持っており、将来の鎮咳剤の可能性が示唆されました。
薬用および食用植物からの活性抽出物の抗酸化、酵素阻害、一酸化窒素生成阻害活性および化学的プロファイルの評価:Althaea officinalis
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35651032/
この研究では、Althaea officinalis Lynnの抽出物から多くの生理活性成分が同定され、特にフェノールおよびフラボノイド化合物が豊富で、強力な抗酸化、酵素阻害、および抗炎症活性を示すことが示されました。これらの成分は、天然の抗酸化剤や抗炎症剤としての潜在的な価値を持ち、食品や栄養補助食品の製造に活用できる可能性があります。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。