サマーセイボリーは地中海沿岸の原産とするシソ科キダチハッカ属のハーブです。一年草で、夏から秋にかけて淡い紫色の小さな花々を咲かせます。
キダチハッカ属はセイボリーと呼ばれています。30種類ほどあるセイボリーですが、一年草のサマーセイボリーと多年草のウィンターセイボリーの2つが代表的です。
今回の記事では、
- サマーセイボリーの効能を知りたい
- 知っておくべき副作用などはある?
- サマーセイボリーの摂取方法を知りたい
など、サマーセイボリーについての基本情報からお楽しみまでをわかりやすく解説しています。
また、サマーセイボリーのハーブティーの淹れ方や料理への取り入れ方などについてなども紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を参考にしてみてください。
サマーセイボリーの基本情報
名称 | サマーセイボリー |
英名 | Summer savory |
学名 | Satureja hortensis |
和名 | キダチハッカ |
分類 | シソ科キダチハッカ属 |
原産地 | 地中海沿岸 |
成分 | 粘液質、タンニン、カルバクロール、チモール など |
使用部位 | 葉 |
代表的な作用 | 去痰作用、殺菌作用、抗酸化作用、血行促進作用、発汗作用、健胃作用、整腸作用、強壮作用 など |
禁忌、注意事項 | 妊娠中や授乳中の方、乳幼児への利用は控えましょう。 使用濃度に注意して使用しましょう。 |
利用法 | ハーブティー、入浴剤、料理のスパイス |
サマーセイボリーはローマ時代から栽培されているハーブで、その歴史は2000年以上といわれています。古くから料理のスパイスとして使用されてきました。
スパイシーな辛味があることから「ペッパーハーブ」と呼ばれ、肉や魚の臭み消しや、煮込み料理の風味付けなどに使用されています。また、胡椒などのスパイスの代用としても使われていました。
「豆もハーブ」とも呼ばれ、豆の美味しさを引き出せるスパイスとしても使用されています。
サマーセイボリーの効果・効能・作用を解説
サマーセイボリーには、去痰作用、殺菌作用、抗酸化作用、血行促進作用、発汗作用などのたくさんの効能があります。
- 呼吸器の不調緩和
- 抗酸化作用
- 血行促進作用
ここではサマーセイボリーの代表的な効能について説明します。
効果①:呼吸器系の不調緩和
はじめに紹介する効能は、呼吸器系の不調緩和の効果です。
サマーセイボリーには粘液質が含まれます。この成分には呼吸器官の粘膜を保護する作用があり、風邪や気管支炎による咳や痰の症状に働きかけます。
また、殺菌作用のあるタンニンも含まれ、風邪などの感染症の予防にも効果的です。
効果②:抗酸化作用
次に紹介する作用は抗酸化作用です。
効果①で紹介したタンニンは、老化の原因となる活性酸素に効果的です。
血管の老化を防ぐことで血行促進にも作用し、動脈硬化を防ぎます。また、皮膚細胞も老化から守られることで、シミやシワなどの年齢を重ねるにつれて増える肌トラブルにも効果的に働きかけてエイジングケアも期待できます。
効果③:血行促進作用
3つめ紹介する作用は、血行促進作用です。
サマーセイボリーには精油成分のカルバクロールとチモールが含まれ、血流の改善に効果があります。血行を促進することで身体が温まるため、冷え性の改善につながります。
また、血行が促されることで発汗作用につながるため、発熱した際には解熱にも効果的です。
その他の効果・作用
サマーセイボリーには、代表的な3つの効果以外にも効能や作用があります。
健胃作用、整腸作用、強壮作用などの効果や作用も期待できます。
サマーセイボリーの副作用や注意事項、禁忌など
妊娠中や授乳中の方、乳幼児への利用は控えましょう。また、フェノール類(チモール・カルバクロール)が多く含まれている為、使用濃度には注意しましょう。
サマーセイボリーのハーブとしての使い方
サマーセイボリーは、ハーブティーとして楽しんだり、お料理の香辛料・調味料として使うことで手軽に成分を摂取できます。
1 ハーブティー
サマーセイボリーはハーブティーおすすめです。スパイシーな風味がありますが後味が爽やかなため、食後のひとときにぴったりです。
【サマーセイボリー ハーブティーの淹れ方】
沸騰したお湯(カップ一杯分)に、サマーセイボリーの茶葉(ティースプーン一杯分)を入れて、3分から5分ほど蒸らしてからいただきます。
スパイシーな風味で飲みづらさを感じる方は、オレンジピールやジャーマンカモミールなどとフレンドすることで飲みやすくなります。
2 香辛料・調味料
料理の香辛料や調味料として使用することで、手軽にサマーセイボリーの成分を摂取できます。
欧米ではエンドウ豆などを材料とした豆料理や卵料理、スープの香りづけ、また手作りのドレッシングなど、サマーセイボリーは香辛料や調味料として用いられています。また、特徴の辛味成分を活かした肉や魚の臭み消しにもおすすめです。
サマーセイボリーのよくある質問
サマーセイボリーは一年草です。一方で、ウィンターセイボリーは一年を通して収穫できる多年草です。サマーセイボリーの方が香りにやわらかさがあることから、食材の香りづけなどに向いているといわれています。
サマーセイボリはシチューやサバの煮込みなど、じっくりと煮込む料理におすすめです。
サマーセイボリーの精油はオンラインで購入できます。
まとめと研究情報
今回はサマーセイボリーについて解説しました。
サマーセイボリーには呼吸器系の不調緩和や抗酸化作用、血行促進作用など、身体によい多くの効能があることがわかりました。そして、自宅で簡単にできるサマーセイボリーの摂取方法として、ハーブティーの楽しみ方や、料理の香辛料や調味料として使用する方法についても紹介しました。
サマーセイボリーについて興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
おさらい
【効果】
- 呼吸器系の不調緩和
- 抗酸化作用
- 血行促進作用
【注意点・副作用・禁忌】
- 妊娠中や授乳中の方、乳幼児への利用は控えましょう。
- 使用する際は濃度に注意して使用しましょう。
【おすすめの取り方】
- ハーブティー
- 香辛料・調味料
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
サマーセイボリー(サトゥレハホルテンシスL.)抽出物:シスプラチン誘発性肝臓、腎臓および精巣毒性の植物化学的プロファイルおよび調節
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29746935/
サマーセイボリーの抽出物は組織形態の回復、血清パラメータの改善、酸化ストレスパラメータの正常化、アポトーシス指標の回復に寄与しました。ラットにサマーセイボリー抽出物を経口投与し、シスプラチン誘発の毒性に対する影響を調査しました。抽出物中にはロスマリン酸やコーヒー酸、ナリンゲニンなどのフェノール化合物が含まれており、医薬品や機能性食品において健康維持や治療のための価値のある成分として利用される可能性が示唆されました。
サトゥレハ・オルテンシスLの抗菌活性の評価
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12787955/
この研究では、サマーセイボリーの抗菌活性を支持し、特にメタノール抽出物が幅広いスペクトルで強力な抗菌作用を示すことを示唆しています。サマーセイボリー(サトゥレハ・オルテンシス)のメタノール抽出物は、抗カンジダ作用と抗菌作用を持ち、多くの細菌とカンジダ・アルビカンスを抑制しました。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。