ウーロンティは、Camellia sinensis という種類で、ツバキ科の常緑樹です。緑茶や紅茶と同じ種類となります。福建省と広東省、台湾などの、華南文化圏が主な産地ですが、近年は台湾の製茶技師などの指導によってベトナムやタイの山岳地帯、独自のタイプの青茶がインドのダージリン地方などでも少量が生産されています。
今回の記事では、
- ハーブとしてのウーロンティの効果や副作用を知りたい
- ウーロンティの美味しい飲み方や使い方を知りたい
- 効果のエビデンスや実例などを知りたい
これらについて、ハーブを使った最強のファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いています。ウーロンティについて、他の人が持った疑問や回答なども含めて解説しているので、ぜひ読んでみてください。
ウーロンティの基本情報
名称 | ウーロンティ |
英名 | Oolong Tea |
学名 | Camellia sinensis(カメリア・シネンシス) |
和名 | 烏龍茶 セイチャ アオチャ |
分類 | ツバキ科ツバキ属 |
原産地 | 福建省、広東省、台湾 |
成分 | カテキン ウーロン茶重合ポリフェノール(OTPP) アルカロイド、フラボノイドなど |
使用部位 | 葉 |
代表的効能 | ・脂肪の吸収を抑え、脂肪分解を促進する働きがある。 ・悪玉コレステロールの酸化を予防し、動脈硬化を抑制。 ・美肌効果、利尿作用、消化を助ける、リラックス作用など。 |
禁忌、注意事項 | 通常の使用の範囲では安心して使えます |
利用法 | 油分の吸収を抑える為、脂っこい食事の際に飲むと良い。 淹れる湯の温度は80度以上の高温が適し、二煎目以降を飲む。 |
ウーロンティは、中国で古くから日常的に飲まれているお茶で、ツバキ科の常緑樹です。緑茶や紅茶と同じ種類になります。
体脂肪を燃焼してくれるので、脂っこい食事と一緒に飲むと、脂肪の吸収を抑えてくれます。また、便秘や冷え性にも有効で、さらに抗酸化作用があり、心臓疾患の改善や、骨、歯、皮膚を健康に保つ効果があります。
ただし、飲みすぎると下痢になってしまう可能性があります。また、胃腸が弱い方は殺菌作用による刺激により、体調不良を招いてしまうので、1度の食事に1~2杯が適量となります。
ウーロンティの効果・効能・作用を解説
ウーロンティに期待される効果として代表的なものに
- 脂肪吸収を抑え脂肪分解を促進
- 悪玉コレステロールの酸化を予防し動脈硬化を抑制
- 美肌効果
があります。また、これら以外にも期待される作用などがあるので解説します。
効果①:脂肪分解効果
ウーロンティの代表的に聞く効能は、やはり体脂肪を燃焼してくれることです。
それは、ウーロンティ特有のポリフェノールである、烏龍茶重合ポリフェノールによって、消化器内で、食べ物から摂取した脂肪を消化する酵素であるリパーゼの働きを阻害し、リパーゼの働きを受けなかった脂肪は吸収されることなく、排泄されるからです。
近年ではその効果が注目され、健康食品としても飲用されます。
飲料メーカーのサントリーからは、2006年に特定保健用食品として黒烏龍茶が発売されました。
また、2020年に筑波大学の研究では、日中に烏龍茶を飲むと睡眠時の脂肪燃焼が促進されることや、カフェインの脂肪燃焼効果が発表されています。
効果②:悪玉コレステロールの酸化予防
ウーロンティに含まれるカテキンには、血中の悪玉コレステロールを下げる働きがあります。ある程度のコレステロールは身体に必要ですが、過剰になると、動脈硬化や高脂血症の要因となり、生活習慣病を引き起こします。
カテキンには、食事に含まれるコレステロールの吸収を抑え、血中コレステロールの増加を防ぐ効果のある栄養素となっています。
さらに、血圧上昇を抑制し、脳卒中の発症を抑制する働きをもつこともわかっています。
それは、ラットを使った比較実験で、血圧抑制だけでなく脳卒中の発症も抑制し、死亡率に影響を与えたと報告されています。
効果③:美肌効果
ウーロンティには美肌効果があります。ウーロンティに含まれるウーロン茶ポリフェノールには、活性酸素を除去するSOD酵素を活性化させる効果が期待されています。
活性酸素はもともと人間の体内に存在する物質で、外界から侵入してきたウイルスや細菌を撃退する力をもっていますが、喫煙やストレス、不規則な生活習慣などの原因で活性酸素が過剰に増殖すると、体内のタンパク質や脂質、DNAなどを傷つけるといわれており、結果的に肌細胞を劣化させ、肌荒れや老化の原因になると考えられています。
ウーロンティには、SOD酵素を活性化させるウーロン茶ポリフェノールが含まれ、活性酸素を除去することによる美肌効果があります。
その他の効果・作用
ウーロンティには代表的な3つの効果以外にも様々な効果や作用があります。
虫歯予防の効果や、歯周病予防、口臭予防、ストレス抑制作用、利尿作用、ダイエット、リラックス効果などがあります。
ウーロンティの副作用や注意事項、禁忌など
ウーロンティはカフェインを含んでいるため、妊娠中は飲みすぎないように心がける事が必要です。
ただ、WHOより厳しい欧州食品安全機関の基準でも、1日200㎎までなら妊娠中もカフェインを摂って大丈夫とされています。
100mlにつき20㎎ほどのカフェインを含んでいるウーロンティなら、カップ1,2杯ほど飲んでも特に問題はありません。
授乳中も、 欧州食品安全機関の基準では、1日200㎎までならカフェインをとって大丈夫とされています。やはり飲みすぎなければ問題はありません。
ウーロンティのハーブとしての使い方
ウーロンティの飲み方、飲料以外の利用方法を詳しく解説していきます。
1 飲み方
淹れる湯の温度は80度以上の高温が適しており、二煎目以降を飲みます。
最初に急須へ茶葉を入れ、熱湯を注ぎますが、一度目に湯を入れる目的は①茶器を温め、②茶葉を開かせ、③茶葉のほこりなどを洗い落とすためにあります。このため、一煎目は時間を置かず、さっと湯呑に湯を移し、暖めたら捨てます。
二煎目は茶葉の性質に応じて30秒から1分程度の時間をかけて成分を抽出してから、最後まで湯呑に移しきります。茶葉にもよるが四、五煎目まで美味しく楽しめます。その際、煎じる回数が増えるごとに蒸らす時間を約10秒ずつ長くするとよいでしょう。
2 飲料以外の使い方
ウーロンティは油を溶かす効果があるので、車のガラスに油膜が張ったときに、煮出した液体をかけるとすっきりするそうです。
また、手垢で汚れた窓を拭くときに、ウーロンティのティーバッグでぬるま湯に浸しながら拭くとピカピカになります。
ウーロンティのよくある質問
はい、あります。京都府宇治市の「中井製茶場」が、地質改良を行い、ウーロンティにあった茶木を栽培し、製茶しています。
「楽天」などのネットショップで販売しているので、検索すればヒットします。
ありません。ただし、ウーロン茶のような香りのする香水はあるようです。
ウーロンティは同じ茶葉を何度も繰り返して使うことができるのが特徴です。
これは、1度に抽出される成分が少ないためです。
1煎目は茶器を暖めるのと茶葉を開かせる、ほこりをつることが目的なので、30秒ほどで飲まずに捨てます。2煎目から香りを味わい、3煎目で深い味を楽しみ、4煎目以降は爽快さを感じることができます。
種類によっては7煎目まで飲めるものも。お財布に優しいお茶となります。
まとめと研究情報
ウーロンティは、脂肪吸収を抑え、脂肪分解を促進してくれるので、ダイエットにもなりますし、美肌効果や、動脈硬化を抑制してくれます。近年では健康食品として、手軽に手にいれやすい形で飲用されている、ポピュラーな飲み物となります。
しかも、妊娠中の方や、授乳中の方でも1日200㎎までならカフェインを摂っても大丈夫とされているので、飲みすぎなければ問題のない安心なお茶となります。
おさらい
【効果・効能・作用】
- 脂肪吸収を抑え脂肪分解を促進
- 悪玉コレステロールの酸化を予防し動脈硬化を抑制
- 美肌効果
- 虫歯予防
- 歯周病、口臭予防
- ストレス抑制作用
- 利尿作用
- リラックス効果
【副作用や注意事項、禁忌】
- ウーロンティはカフェインを含んでいる為、妊娠中は飲みすぎないように心がける必要が あります。
- 胃腸の弱い方でも殺菌作用による刺激で体調不良を招いてしまうので、適量範囲内での飲 料が必要となります。
【摂り方】
- 飲用
- 窓ふき
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
ウーロン茶抽出物は、脂質代謝を調節し、腸内細菌叢を調節することにより、高脂肪食誘発性肥満ラットの体重増加を軽減します
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35179170/
ウーロン茶抽出物の研究では、肥満関連の問題に影響を与える可能性が示唆されました。ウーロン茶抽出物の化学組成を調査し、高脂肪食誘発肥満ラットにおける効果を研究しました。高脂肪食とウーロン茶抽出物の併用は、体重と内臓脂肪量を減少させ、脂肪細胞サイズを縮小し、脂質代謝関連タンパク質のバランスを調整しました。さらに、腸内細菌叢のバランスも変化し、脂肪蓄積を減少させました。これにより、ウーロン茶抽出物は肥満の緩和に寄与する可能性が示唆されました。
ウーロン茶がラットの腎交感神経活動と自然発症高血圧に及ぼす影響
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18328356/
この研究では、ウレタン麻酔ラットを用いて、ウーロン茶の十二指腸内注射が交感神経と心血管に影響を与え、腎交感神経活動(RSNA)と血圧(BP)を抑制することが分かりました。14週間のOT摂取は、高血圧ラットの血圧上昇を低下させました。これらの結果から、ウーロン茶が自律神経伝達を変化させて血圧を降下させる可能性が示唆され、ウーロン茶に含まれるカフェイン以外の成分がRSNAとBPを調整するモジュレーターとして機能する可能性も示唆されました。
そのパワーを活かした、「自宅で出来る&お腹が減らない」最強のハーブファスティングもオススメなので、興味があれば参考にしてみてください。